代表2人が語るこれからのリバネス

代表対談

2002年6月14日に理系の大学生・大学院生15人が集まって創立した「リバネス」。巣立ちを意味する“Leave a Nest”に由来した社名は、ここに集まる子どもたちや若手研究者が、多くを学び、社会に羽ばたいていくことを願ってつけられた名前だ。創業当時の講演会や実験教室から始まり、現在では地域活性化など様々な事業を通して、科学技術の発展と地球貢献を目指してきた。

8周年を迎え、新たな挑戦に踏み出すこのとき、丸幸弘(32)、高橋修一郎(32)の両代表がリバネスについて語り合った。


最先端を伝える「実験教室」の誕生

「当初は、新しいテクノロジーを生み、商品を開発して、地球に貢献できる仕組みを作ろう!という熱い思いで集まった仲間だったんです」。丸の語り始めは、今までの事業内容を振り返ると意外なものだった。しかし、多くの社長たちにヒアリングをする中で、「最先端」がつまった商品は、日本ではその良さが理解されずまったく売れないことを指摘されたという。そこで始めたのが、「最先端科学をわかりやすく伝える」講演会だったのだ。

「最初は実験教室ではなかったんですよ。設立当初はお金がなくて機材とか準備できないかった」と高橋は笑った。しかし、あるときクローン羊ドリーについて語った女性メンバーが、講演会中にDNA抽出実験をやって見せることにした。すると予想以上に参加者に好評で、メンバーは非常に驚いたという。研究者にとって目新しくもないこの日常的な実験が、参加者には新鮮だったのだ。このときから最先端の実験を体験してもらうことで、サイエンスへの興味を引き出す「実験教室」が始まったのだ。

若手研究者がプロデュースする実験教室は、おもしろくなければ意味がない。だから、チーム一丸となって何度も悩んだ末にできあがる企画は、それぞれ特徴があって魅力的だ。「学生にもプロ意識を持てと常に言っています」と厳しい表情で丸は言う。この8年間、研究の楽しさや本質を伝えられる研究者を育成することで、科学教育を行うこともできる即戦力となる理系人材を世に輩出してきた。

今までサイエンスの会社はなかった

現在の日本を作り支えてきたのはテクノロジーである。日本は、欧米からサイエンスを輸入し国内でテクノロジーへと変換した後、消費者に提供するというビジネスを展開してきた。テクノロジーを作るためにはサイエンスが必要であるが、サイエンスは直接商品を生み出さないと考えられてきたため、サイエンスをビジネスの中心に据えた会社はこれまでになかった。しかし、サイエンスが枯渇し始めている現在、今後テクノロジーの創出が難しくなることを考えると、サイエンスを活性化する仕組みこそが必要なのだと丸は言う。

リバネスは、サイエンスをビジネスにした世界で初めての企業といえる。実験教室だけでなく、ラジオ・テレビや電車内で放映される映像などを活用した様々なサイエンスメディアの仕組みを開発する。また新しい技術を売るときにはそこにあるサイエンスの教育も一緒に行うような仕組みを作り、消費者がもっと手軽にサイエンスの情報を手入できる社会を作っていこうとしている。これは、研究者集団であるリバネスだからこそできるビジネスなのだ。

サイエンスで世界をつなげるリバネスへ

リバネスが目指す未来は、どのようなものなのだろうか。「サイエンスは社会とつながっていかなければならず、サイエンスコミュニケーション事業がそのベースになると考えています」と高橋は言う。さらに丸は、多数の地域で手掛けているサイエンスによる地域活性化事業について言及した。「これからは、国内だけではなく世界の地域をサイエンスで活性化し、世界の地方と地方、例えばレソト王国(アフリカ)と岐阜県をサイエンスでつなげていきたいと考えています。これは究極のlocal to localで、これこそが本当のグローバルと言える。サイエンスで世界をつなげようとしているんです」。大学と企業、または世界の地方地域同士のどちらの場合も、サイエンスをキーワードにリバネスが中心となりネットワークを形成するのだ。そして近い将来、世界中のありとあらゆるところに張り巡らされるサイエンスネットワークの中心には、リバネスがいるようになるのかもしれない。

2人の代表は、それぞれの手段でサイエンスと社会をつなげ世界中もつなげようとしている。「我々2人はタイプが違うけど根っこは一緒」。この2人が動くことで、これからのリバネスは何倍もの速度で世界でのビジネスを展開していくはずだ。

リバネスが創立してから8年が経ち、いよいよ創業期のクライマックスを迎える。サイエンスもテクノロジーも常に進歩する現代、その速い動きの中ビジネスをしていくうえで最も重要なのは、変化に対応できるブレインを集めることだ。そして次の新しい10年の計画は、次世代の若いブレインがチームを作って考えるべきだと2人は口をそろえる。

決して緩むことのないリバネスの挑戦は、世代を超えて受け継がれ、そして続いていく。



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