オープンイノベーション・プラットフォームL-RADとは

L-Rad(エルラド)は、未活用の研究申請書をキーとした、研究者と企業とのマッチングサービス。 科研費などの公的資金、民間助成金につぐ、第三の研究者資金獲得手法として、各方面から注目されているサービスです。

三輪 秀樹 客員助教

Harvard medical school, visiting assistant professor

企業との関係構築による新たな研究ベクトル

大学への運営費交付金の削減や科研費など競争的資金獲得の熾烈な競争による、研究費不足は多くの若手研究者が悩んでいる問題だと思います。若いときこそ、いろんなアイデアが浮かび、チャレンジしてみたいと思う気持ちが膨らむものの、それを実現するための研究資金調達に常日頃頭を抱えています。

また、近年の「基礎研究」から「応用研究」志向への研究予算配分シフトに対しても、どのように応用展開していけばいいのかなど、応用研究に実際に必要とされるニーズを知る機会が少ないことも、企業との人脈が構築する機会が恵まれないキャリアパスにある若手研究者には、「若手研究者」だからこそ得られるはずの多くのチャンスを失っているのではないかと思っています。

現在、私は海外の大学に留学中なので日本企業との人脈作りは非常に困難ですし、せっかく世界最先端の研究環境に身を置いているのにも関わらず、自由に使える研究費がないので、歯がゆい思いをしております。

L-RADを使えば自分のアイデアを軸に企業とのコラボレーションの機会を創出しながら人脈を広げていくことで新たな視点で研究を進めることができ、企業側も海外の最先端の研究機関との人脈も形成しやすくなり、現在までの研究開発環境にはなかった異分野融合など全く新しい研究が展開されることが期待されます。

内山 雅照 助教

帝京大学医学部心臓血管外科学講座
2013年イグノーベル賞医学賞受賞

公的な資金では研究が難しいテーマに脚光を当てる

年間数十の研究費にアプライしますが、採択率は10~20%程度です。不採択となったものの中には公的な資金を取るのは難しいだろうな、と思いながらも他に手がないから競争的資金に申請する、というアイデアもあります。L-RADではより応用に近かったりアイデアが突飛なものなど、公的な資金では研究が難しいテーマを企業の方と一緒に進められる可能性があるので、非常に期待をしています。

杉田尚久 氏

田辺三菱製薬株式会社
創薬本部トランスレーショナルリサーチ部

オープンイノベーションへの期待

田辺三菱製薬では、“医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献する”の企業理念の下に、独創的な新薬を世に送り出しています。新薬創製の難易度が高まる中で、自前主義にこだわらず、アカデミアや企業と連携してオープンイノベーションを積極的に推進し、創薬機会の向上を図っています。中枢疾患、免疫炎症疾患、腎内分泌疾患、ワクチンなどの分野での創薬に注力するとともに、広く医療アンメットニーズを充足できる創薬研究、創薬技術基盤の拡充をオープンイノベーションから展開したいと考えています。

L-RADはこのような機会創出にこたえるweb solutionで、埋もれた研究アイデアの活用を具現化できる有力なチャネルになると期待しています。企業としては、斬新な研究アイデアや技術を一緒に育てて、基礎研究力の強化と創薬など応用への発展的展開につなげることができればと願っています。

福田 伸 氏

三井化学株式会社
次世代開発事業室長 執行役員

多様なアイデアに光を当てるしくみに

三井化学の次世代事業開発室は、その名の通り次世代の事業シーズを発掘することをミッションとしています。会社の中で、いわゆるオープンイノベーションを担う部署ですが、いかに外部のシーズ情報を収集するかが鍵となります。

新規事業の領域としてモビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングに注力していますが、次世代事業開発室としては、それらの周辺領域を幅広く見るつもりです。自ずとカバー範囲は広くなるので、L-RADのような取り組みがあることで、アカデミア研究者の皆様の多様なアイデアから新しい事業アイデアの創出に繋がれば良いと考えています。特に、国家戦略のようなトレンドから外れた研究テーマでも、企業から見ると大きな価値がある可能性があります。そうした研究に光を当てるしくみになると良いですね。

実は私自身、過去に北海道大学で助手として毎年科研費の申請書を書いていました。その経験から、申請書を作ることでアイデアが整理されることがわかっています。企業側の立場で見ても、わかりやすい形で研究者の皆様のアイデアを閲覧できるしくみには大きな期待を持っています。

Q.大学を通さず申請して大丈夫なのか?

A.合意後は、通常の産学連携の枠組で契約するので大丈夫です

L-RADは大学の産学連携部署や知財部と競合するものではありません。また、L-RADは研究者と産学連携をしたい企業との「出会い」のきっかけを提供するサービスですので、民間助成金と同様に個人申請で先ずは登録ください。
企業との条件が整ったら、貴校の産学連携、共同研究の仕組みにのっとり、産学連携部署や知財部などの関連部署にご相談いただき手続きをすすめてください。

Q.登録することによって(勧誘など)やっかいごとに巻き込まれないのか?

A.そういった事はございません

L-RADに登録いただいた情報は、個人情報保護ポリシーに則り、厳密に管理運用されています。不特定の企業に情報を提供する事はございません。また、科学技術文献データベースJDreamIIIなど、長年にわたり会員制サービスを提供している業務提携会社(株)ジー・サーチが強固なセキュリティ環境において管理しております。安心してご利用ください。

Q.登録した後、都合が悪くなったあるいは不要になったとき取り下げられるか

A.はい。取り下げはいつでもできます

L-RADに登録いただいた情報開示のコントロールは、アップロードした研究者の方が行います。
研究者はいつでも自由に情報の開示、非開示の設定変更をすることができます。

Q.アイデアを盗まれないのか

A.大丈夫です。紛争防止の為、閲覧履歴を記録しています

L-RADでは、他の研究者が登録した情報をみることはできません。
また、会員企業は秘密保持契約を締結した上でサービスを利用し、いつ・だれが・どの情報に閲覧したか、閲覧履歴を記録しているので、いざという時の紛争回避で役立ちます。

Q.特許が取れなくならないのか(公知になってしまわないか)

A.大丈夫です。公知の扱いにはなりません

各大学からの指導で、知的財産については気にされる事が多い事と思います。L-RADの会員企業にはあらかじめ秘密保持契約を締結いただいております。よって守秘義務下での情報交換となるので「公知」扱いにはならず「特許性」も失われません。安心して申請書のアップロードができます。

Q.あとで請求が来ないか、あるいは何らかの作業が発生しないか

A.発生しません。ご安心ください。

L-RADは、会員企業様から利用料をいただくビジネスモデルの為、制約時の成功報酬も含め、登録される研究者の皆様からは費用を一切いただいておりません。利用料金の心配をすることなく安心してご利用いただけます。

獨協医科大学 東京農業大学 静岡大学 山梨英和大学 釧路工業高等専門学校
鈴鹿工業高等専門学校 東京電機大学 青森大学 山口大学 九州大学
琉球大学 東京大学 青山学院大学 山形大学 九州工業大学
立命館大学 東京工業大学 西南学院大学 三重大学 金沢大学
明治大学 東京工科大学 聖路加国際大学 札幌医大 近畿大学
明治学院大学 東京医科歯科大学 聖マリアンナ医科大学 札幌医科大学 京都府立医科大学
名古屋大学 東海大学 星薬科大学 埼玉工業大学 京都大学
名古屋工業大学 島根大学 星美学園短期大学 埼玉県立大学 京都工芸繊維大学
麻布大学 電気通信大学 成蹊大学 埼玉医科大学 岐阜薬科大学
北里大学 帝京平成大学 神奈川歯科大学 佐賀大学 岐阜大学
北海道大学 帝京短期大学 神奈川工科大学 国立病院機構東京医療センター(臨床研究センター) 岐阜医療科学大学
防衛医科大学校 帝京大学 神奈川県立がんセンター 国立病院機構大阪医療センター 岩手大学
法政大学 鶴見大学 神戸大学 国立病院機構 名古屋医療センター 岩手医科大学
兵庫県立大学 鳥取大学 森ノ宮医療大学 国立長寿医療研究センター 関西大学
文教大学 長崎大学 新潟大学 国立障害者リハビリテーションセンター 関西医療大学
福山大学 中部大学 新潟医療福祉大学 国立研究開発法人理化学研究所 関西医科大学
富山大学 中央大学 信州大学 国立研究開発法人産業技術総合研究所 科学技術振興機構
日本薬科大学 筑波大学 城西大学 国立研究開発法人国立成育医療研究センター 岡山大学
日本大学 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 上智大学 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 横浜市立大学
日本獣医生命科学大学 第一工業大学 上越教育大学 国立遺伝学研究所 横浜国立大学
日本工業大学 大和大学 昭和大学 高知大学 宇都宮大学
日本医科大学 大分大学 昭和女子大学 高知工科大学 茨城大学
奈良大学 大分県立芸術文化短期大学 小山工業高等専門学校 高崎健康福祉大学 杏林大学
奈良先端科学技術大学院大学 大島商船高等専門学校 順天堂大学 高エネルギー加速器研究機構 旭川工業高等専門学校
奈良先端科学技術大学 大阪府立大学 秋田県立大学 香川大学 愛媛大学
徳島大学 大阪大学 首都大学東京 弘前大学 愛知工科大学
同志社女子大学 大阪学院大学 室蘭工業大学 広島大学 University of Helsinki
藤田保健衛生大学 早稲田大学 自然科学研究機構 工学院大学 University of Geneva
東北大学 千葉大学 自治医科大学 公立はこだて未来大学 University of Delaware
東北女子大学 千葉工業大学 滋賀県立大学 虎の門病院 University of British Columbia
東北工業大学 千葉県立保健医療大学 滋賀県立成人病センター研究所 慶應義塾大学 University of Birmingham
東京理科大学 千葉県がんセンター研究所 滋賀医科大学 群馬大学 Harvard University
東京薬科大学 石川工業高等専門学校 四国大学 熊本大学 Harvard medical school
東京農工大学 石川県立大学 山梨大学 熊本高等専門学校

運営者

リバネス

独自の研究プラットフォームにより研究者のアイデアを集積し、企業が活用しやすい形で情報を提供するサービスを開始します。産学連携の課題改善、知的財産の更なる活用、産学両側の人材育成、イノベーション創出の実現等を見据えたサービスを拡充し、L-RADが研究開発において必要不可欠なサービスとなるべく成長させる役割を担います。

株式会社池田理化

幅広い研究機関とのネットワークを活かし本データベースの拡充を図るとともに、企業研究開発部門とのネットワークを活用して、新たな事業価値創造に貢献します。

ジー・サーチ

ジー・サーチはL-RAD事業を通じて、研究者ソーシャルプラットフォーム「コラボリー(COLABORY)」の研究者基盤を強化、研究者を対象とした共通プラットフォームとしての展開を加速させるとともに、利便性の高いサービスの構築を通じて本事業の拡大に貢献してまいります。