宇宙へ行くひと、それを支えるひと。
協力:立花 正一 さん
取材:中 優月 さん
2009年3月,若田光一さんがスペースシャトル「ディスカバリー号」で宇宙へと飛び立ちました。その直前,独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の主催で行われたケネディ宇宙センター見学ツアーに,ひとりの高校生が参加していました。「見て,感じたことを伝えたい」という想いを持った相模女子大学高等部の中優月さんは,このツアーで多くの人たちと出会います。宇宙へ行く人は,どんなことを考えているのだろう。それを支える人は,どんな人なのだろう。3名の日本人宇宙飛行士,そしてJAXAの立花さんに,質問をしてみました。
(中) 打ち上げにはどれくらいの人が関わっているのですか?
(立花)何百人も関わっていますよ。JAXAだけでも,今回来ているのが30人くらい。つくばの管制室にも50人は待機しています。今回の打ち上げはNASA(アメリカ航空宇宙局)がやっているから,そこにも数百人いるでしょうね。
(中) どんな役割があるのですか?
(立花) ロケットを打ち上げるためのスタッフは,機械,燃料,通信というように,飛行機を飛ばすのと同じような顔ぶれです。他に,飛行士の健康管理をする人,スケジュールを立てる人,宇宙での実験プランをつくったり,機材を準備したりする人もいます。打ち上げは晴れた日に行うので,気象予報士も関わりますね。
(中) 宇宙飛行士には,どんな人がなれるのでしょうか。
(立花) もともとパイロットをしていた人や,実験テーマに合った人の中から選んできたけど,最近では教師だった人も宇宙へ行っています。今は理系出身の人から選抜をしていますが,将来的には対象を広げていく可能性もあります。いずれは文系の人や芸術家も飛行士になって,たとえば宇宙で生活した上での心の変化などを踊りや詩で表現するなど,幅広い人材が宇宙で活躍できるようになってほしいですね。
立花 正一 さん:独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技術部技術領域総括宇宙飛行士健康管理グループ長
中 優月 さん:相模女子大学高等部1年生