ウイルスが昆虫を操る仕組みの一端が見えた!東京大学
世の中には、昆虫に感染し、自らを拡散させる為に行動を操る、そんなウイルスがいるのです。
今回東京大学の勝間 進准教授が発表した研究内容は「病原体はいかにして宿主の行動を操るのか:昆虫のウイルスを用いたアプローチ 」というもの。
このウイルスは、バキュロウイルスというウイルスなのですが、カイコに感染すると致死する際に、樹の枝の先にぶら下がって死ぬというもので、それによってウイルスはより広範に拡散していくことが出来る事から、ウイルスが利己的にカイコを操っていると考えられていました。
研究内では、ウイルスがどのように操るのかを遺伝子的に解析。脱リン酸化酵素遺伝子という遺伝子が、行動操作に関わっている作用メカニズムについて明らかにしたという事です。
脳への感染が成立するために必要なタンパク質だということがわかったという結果がでていますが、これは宿主とウイルスの組み合わせによって行動制御のメカニズムが異なっていると言うこともすでにわかっています。
ということは様々な形で同様に操るという手法が理解出来れば、より高度な動物にも適用出来る可能性があるという事でしょうか。
- 病原体がいかにして宿主の行動操作という高次な制御を行っているのか、その全貌を明らかにすることができる。
まだまだ一端だと思いますが、全貌が解明されることで、応用が効きそうな技術ですね。
病原体はいかにして宿主の行動を操るのか:昆虫のウイルスを用いたアプローチ