脳が匂いを判別する電気信号が解読された!東北大学・JST
- 動物は1回の呼吸ですばやく匂いを判別できるが、脳がどう情報処理しているかは謎
- 匂いの情報は、嗅覚系の出口付近で電気信号の回数として伝わる
- 包括的な脳神経活動の解明や人間の嗅覚障害の治療・人口嗅覚などの応用につながる
最近のニュースを見て、どんどん脳の機構が解読されつつ会ってワクワクしています。今回東北大学と科学技術振興機構(JST)が発表したのは、匂い。
動物は、匂いを瞬時に判別する事ができますが、それをどうやって脳が処理しているのかがわかりませんでした。
特に、神経活動における情報処理の符号化注2)は、パルスの「タイミング」によるのか、あるいはその「回数」によるのかという問いは神経科学の難問とされてきました。
難問だったんですね!なぜ難問だったかというと、この嗅覚皮質の電気パルスが非常に複雑だったことに起因するようです。
何しろ名前が乗っている三浦 佳二助教は応用情報科学専攻です。
結論から行きます
嗅覚の出口では、電気信号(パルス)の数によって情報が判別されていることが判明しました。
この研究の面白い部分は、その解読手法でしょうか。まるで暗号を解読するかのごとく、機会学習のアルゴリズムを用いて判読させたというのです。こんな表現がでるくらい。
情報理論の観点から見ると、集団として非常に効率の良い符号化を行なっているといえます
人間が処理している情報量は膨大ですが、生存に必須なものほどこうやって効率の良い情報判別方法が組み込まれているのかもしれません。
段々と、脳が行なっている情報処理方法が解読されていくと、病気の治療にも役立ちます。まだまだふしぎがおおい領域ですが、そうやって人間の生活も変わっていくのかもしれませんね。
余談ですが、こうやって解読されていくと、動物が何を感じているのかについても徐々に判別がついていくのでしょう。将来、ペットの感情が詳細にわかってくるという時代も、そう遠くはないかもしれません。
匂い分子(1)は、鼻腔内の嗅覚受容器(2)にて検出されて電気パルスへと変換されて、嗅球(3)を経由した後、嗅覚皮質(4)へと伝えられる。
嗅覚皮質の神経細胞は、呼吸(水色)の開始から一定時間の遅れの後、応答する。その際のパルスの数によって、匂いを区別することが可能である。嗅球ではパルスのタイミングも、匂いの区別に役立つ。
共同発表:脳の嗅覚皮質における電気信号の解読に成功 匂い判別機構の解明に前進
情報理論の観点から見ると、集団として非常に効率の良い符号化を行なっているといえます …
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