実は甘い?タマネギ

野菜エンスとは、サブウェイがお送りする、サイエンスで野菜を楽しむコーナー。サブウェイでおなじみのあの野菜、この野菜。普段何気なく食べている野菜について、もう少し知ってみませんか?

つやつやした輝き,ふっくらとした丸いかたち。
実は私たちが食べているタマネギは,葉にあたるところです。
葉の根元にある葉鞘(ようしょう)と呼ばれる部分が肥大化し,外側から順に層が形成されて球状になっていきます。
葉鞘は地上ぎりぎりの位置で膨らみ始め,1,2 か月で食べられる大きさまで成長します。
すると,葉鞘の上部に伸びている葉が横に倒れ,収穫のサインとなります。
つまり,収穫シーズンには「さあどうぞ」といわんばかりに,タマネギが畑一面に横たわって待っているのです。

そんなタマネギですが,実はイチゴと同じくらい「甘み」の成分を含んでいるのを知っていますか。
タマネギが光合成をして蓄えている養分は,デンプンではなく糖。生の状態では,涙が出るもととなる辛み成分「硫化アリル」によって糖分の甘みは打ち消されています。
しかし,硫化アリルは加熱をすると別の物質に変化したり,水に簡単に溶け込みます。
そのため,熱や水があると,もとの糖分が引き立ってタマネギが甘く感じるようになるのです。
春先に出回る新タマネギが甘いこともこれに関係していて,他の時期のタマネギよりも水分が多く含まれているため,甘みが引き立つというわけです。

最近の研究では,タマネギの硫化アリルや糖分に,血管の強化や発がん抑制などの効果があることもわかってきました。
魅力あふれる野菜,タマネギ。その秘められた可能性に期待を寄せつつ,辛みと甘みを楽しんでみませんか。