彩り豊かなオリーブ
緑色の輝きを放つ塩漬けの実や、スパゲッティやサンドイッチの中から顔をのぞかせる小さな黒色の輪を見て、「これは何だろう」と思ったことはありませんか。
料理の具材やオイルの原料として活躍しているオリーブは、約5000年前から地中海沿岸などで栽培され、世界に1000種類以上の品種があるといわれています。
実ったばかりの頃は緑色ですが、成熟が進むに従って、皮も中身も黒色へと変化していきます。
未熟な緑色から熟した黒色へ0〜7の8段階の「カラースケール」で表され、その成熟度によって味わいと用途が異なります。
スケール3以上の実がオイル用に使われますが、3〜4は酸度が低く緑色のオイルになり、熟した5以上は、黄みが強く品種独特の香りの強いオイルになります。
スケール1の外側の皮が黄色・黄緑色の若い実は、そのフレッシュな味わいが新漬けに向いています。
オリーブの実は、そのまま生で食べることができません。
果実中に「オレウロペイン」を多く含むため、とても渋いのです。
しかし、果実の成熟とともに含量が低下して渋みも和らぎ、カラースケール5〜7の実は塩漬けにすれば食べることができます。
では、カラースケール1〜3の未熟な実は、まったく食べることができないのでしょうか。
実はこれらも、塩漬けにすれば食べることができます。
苛性ソーダは、水酸化ナトリウム(NaOH)とも呼ばれる、アルカリ性の比較的強い薬品。
オレウロペインはアルカリ性になると構造が不安定になる性質があり、苛性ソーダを加えると実から溶け出していくのです。
もちろん、その後およそ3日間、何度も水を変えながら、苛性ソーダ分をしっかり抜きます。
高塩濃度や強アルカリ性の環境に耐え抜いて食卓にやってくるオリーブたち。彼らに出会ったら、ぜひほめ讃えてあげましょう。
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