おいしさで人類を幸せにしたい! 前橋 健二

おいしさで人類を幸せにしたい! 前橋 健二
東京農業大学応用生物科学部醸造科学科 調味食品科学研究室  前橋健二さん(准教授、博士(農芸化学) 及川翔大さん(修士課程1年)

東京農業大学応用生物科学部醸造科学科
調味食品科学研究室
前橋健二さん(准教授、博士(農芸化学)
及川翔大さん(修士課程1年)

応用生物科学部醸造科学科 調味食品科学研究室

前橋健二さん(准教授、博士(農芸化学)
及川翔大さん(修士課程1年)

研究テーマ

舌にある苦味受容体を抑制する苦味阻害タンパク質の研究です。苦味を感じるメカニズムを知ることで、抑制技術がわかると想定しています。将来的には料理にかけるだけで苦味を感じなくできる調味料をつくりたいと考えています。

この研究に進んだきっかけ

(前橋)卵白に含まれる甘味成分の研究中に、苦味を消すタンパク質を発見しました。食品や薬品メーカーが長い間探し求めていた苦味抑制技術に応用できると思い、研究を進めました。
(及川)研究室紹介で「食べ物の苦味を抑制することで、人類を幸せにできる!」と聞き、味覚で人に役立つ研究に衝撃を受けました。初めての自炊で「まずいことは不幸だ」と感じたことも理由のひとつです。

この研究のアツいところ

(前橋)医療現場では薬の苦味除去は永遠のテーマ。多くの内服薬はとても苦くて子どもに飲んでもらうのは大変です。苦味抑制技術が開発されれば薬が飲みやすくなり、命を救うことだってできるんです!
(及川)苦味受容体を持つ培養細胞をつくりだし、苦味物質と苦味受容体の反応を調べています。反応すると蛍光物質が光るように実験を組み立てているので、発見の瞬間を誰よりも早くこの目で見ることができます。

日本で唯一の醸造科学科の魅力

(前橋)食の研究なので、日常の「なんでだろう」を解決できる環境です。企業から新しい加工食品についての研究依頼がくることもあり、その中でおいしい食品をつくりだすこともできます。
(及川)高校の授業で習った細菌や真菌について深く知ることができます。また、醸造や発酵食品に絞って研究ができるので、食品の安全や安心に対して、この学科ならではのアプローチができることも魅力です。