セントラルドグマの流れを再現する、 無細胞系タンパク質合成キットを販売開始
株式会社リバネスは、ジーンフロンティア株式会社との共同開発により、高等学校教育向け先端科学教材「無細胞系タンパク質合成キット」を2013年7月1日より販売開始しました。
本キットは、ジーンフロンティア株式会社が販売する研究用試薬PUREfrexR(※1)を教育現場用にカスタマイズし、高等学校向け先端科学実験教材としたものです。
【製品概要】
■特徴
- 先端研究現場でも使用されている、ジーンフロンティア社のPUREfrexRを採用
- βガラクトシダーゼDNAを鋳型に用いることで、合成タンパク質量を可視化
- 読んですぐ使える実験テキスト付き(授業プラン、実施例からのフィードバック、基礎知識解説を含む)
- リバネスのサポートサービス「サイエンスレスキュー」に対応(研究経験のあるスタッフが、購入後1ヶ月間無料で実験に関するご質問にお答えします)
■ 対象:高校理科授業での使用、1キット20名対象
■価格:39900円
■発売日:7月1日
ヒトのDNAを全て解読しようという世界レベルでの試み「ヒトゲノム計画」が2003年に完了してから、ちょうど10年が経ちました。2012年からは高等学校新課程学習指導要領が導入され、高校生物の教科書にはゲノム科学、分子生物学、バイオテクノロジーなどの近代生物学を扱う内容が大きく取り上げられるようになりました。
この新分野を扱った授業内容については、全国の経験豊富な理科教員の皆様が頭を悩ませている現状があります。経験のない先端科学を教育に取り入れるにあたり、効果的な学習支援や実験教材を求める、多数の声にお答えして「無細胞系タンパク質合成キット」が誕生しました。
本キットでは、チューブ内でDNA断片を鋳型に、転写・翻訳反応を行うことで、生体内におけるタンパク質合成反応を再現することができます。新課程教科書にも取り上げられている、分子生物学の基本となる概念「セントラルドグマ」の流れについて、実験を通して理解を深めることが可能です。
また、本キットではβガラクトシダーゼDNAを鋳型に用いることで、チューブ内で合成されたタンパク質量を可視化し、黄色の呈色の度合いに応じて比較検証することができるようになっております。さらに、酵素反応の反応時間、基質量、反応温度などの各種条件を設定し、比較検討することで、酵素反応についてのさらなる理解を深めることができます。
株式会社リバネスは、今後も先端科学を教育現場にお届けし、全国の理科教員のみなさまと日本の科学教育を応援して参ります。
(※1)
PUREfrexRは、PURE systemを基に開発された再構成型無細胞タンパク質合成キットです。PURE systemは、東京大学大学院の上田卓也教授のグループにより開発された再構成型無細胞タンパク質合成系で、転写・翻訳・エネルギー再生に必要なタンパク質、リボソームを個別に精製した後、アミノ酸、NTPなどと混合した合成系です (Ref. 1, 2)。反応液に、目的のタンパク質をコードするDNAもしくはmRNAを添加して反応することにより、タンパク質を合成します。精製した因子を混合した反応液を使用するため、組成を自由に調節できる、翻訳などに無関係なタンパク質をほとんど含まないなどの特長があります。
PUREfrexRは、反応液に含まれるタンパク質、リボソーム、tRNAの調製方法を改良し、従来品に比べて純度を高めた合成反応液です。
Ref)
1. Shimizu et al. (2001) Nat. Biotecnol., vol. 19, p. 751
2. Shimizu et al. (2005) Methods, vol. 36, p. 299
【本件に関するお問い合わせ】
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