生きた人間の動きを再現 3D人体模型アプリteamLabBody

ウルトラテクノロジスト集団 チームラボ株式会社
大阪大学大学院医学系研究科 菅本 一臣 教授

ウルトラテクノロジストを自称するチームラボは、プログラマ、エンジニア、数学者、建築家、デザイナー、アニメーター・・・、ありとあらゆる情報化社会の技術者たちが集まり、次々とデジタル分野のアーティスティックな作品を生み出している。今度は大阪大学整形外科の研究チームと組んで、世界初の医学アプリをリリースした。

世界で初めて生きた人間の関節の動きを解明

人間の体には200以上もの関節が存在し、それらを複合的に使うことで、歩いたり、屈んだり、日々の生活に必要な複雑な動作を可能にしている。各々の関節がどう作用し合って動いているのかを正確に理解することは難しく、これまでの医学では、亡くなった患者さんの献体解剖から関節の位置や形を把握し、動きを予測していた。自らの意思で動かした人間の関節はどうなっているか。世界で初めてその疑問を解決したのが、菅本一臣教授率いる研究チームだ。

CTやMRIのイメージ画像をもとに、骨の三次元的な位置を計算し、立体動画として可視化するコンピューターソフトを開発。膝部分だけでも2,000人という膨大なデータを解析して、生きた人間の皮膚や筋肉の収縮を加味した全身の立体骨格モデルを完成させたのである。この研究により、全ての関節において従来の解剖学書とは違う動きをしていることが明らかとなり、医学界に衝撃をもたらした。

3Dモーショングラフィックスでリアルに動く人体模型を実現

関節にとどまらず、筋肉・神経・血管などの形や動きを正確に把握することができれば、治療や手術はもちろんのこと、医学生の教育にも大いに活用できるはず。そこに着目した菅本教授とチームラボは、精度の高い3Dモーショングラフィックスを駆使して全身の動きを忠実に再現する「teamLabBody -3D Motion Human Anatomy-」の開発に乗りだした。このアプリは、菅本教授の研究をもとに人体の全827部位をビジュアル化しており、iPadのタッチパネル操作で、見たい部位だけを3D閲覧したり、角度や倍率を自由に調整することができる。

長年に渡り研究者が解明できなかった生きた人間の動きは、計算ソフトや3Dモーショングラフィックスといったテクノロジーの集積により、いつでもどこでもだれでも入手できる3D人体模型アプリへと進化を遂げた。生命科学の知見をもとに、テクノロジーが生みだす世界は人間の想像を遥かに凌いでいるのかもしれない。

teamLabBody-3D Motion Human Anatomy-
カテゴリ: メディカル
価格: ¥2,600

teamLabBody-3D Motion Human Anatomy-
カテゴリ: メディカル
価格: ¥2,600

チームラボ株式会社

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