町工場に拒否されない発注の方法とは何か
町工場と言えばものづくりの企業である。
極端な話をすれば、ネジだけを作っている会社、ボルトだけを作っている会社、ナットだけを作っている会社なんてものがある。
たくさんの町工場に訪問して分かった事は、彼らは忙しいという事と、忙しすぎるという事を嫌うという事だ。
忙しすぎるという事によって引き起こされること
リバネスで仕事をしていると、忙しすぎるほどに仕事を取ってきたい!と思いがちなのだが、それは若い会社だからなのかもしれないなと感じた出来事がある。
新規事業をとりにいかないのですか?と質問した時に返って来た言葉なのだが、そういう世界もあるのかと驚いた。
「今7割程度のキャパシティで仕事をしているのだが、新しい仕事を取ることが出来ない。なぜかというと、新規の仕事を始めるには、相手との関係性づくりから、納品までにかかる調整コスト、製造コストのとりっぱぐれの発生等、とにかくコストがかかってしまう。そうなると、今までずっと仕事を発注してくれているお客様(つまり今ある7割の仕事)への仕事のクオリティがおろそかにならざるを得なくなってしまう。それは困るからなんだ。」
びっくりした。
まだ仕事を請けられる状態ではあっても、新規の仕事は取らないと言うのである。そういう事業者もいる。
見積もり書が嫌われる
最近では、相見積もりが当たり前のように成されるようになってきた。この見積の作成が、ものすごく時間がかかるのだ。例えば使用する金属の材料費は日々変わる。それを考慮した見積の作成となると、毎回緻密な計算が必要になったりもするのだ。
普段はものづくりを行っている町工場の人が、新しい仕事を拒む理由が、この計算だったりする。
ツーカーで話が通じる事業者との取引であれば、発注量の増減があってもさほど問題はない。しかし、新しい事業者との取引には気を使う部分なのだ。
では喜ばれる発注方法はなんだろうか?
企画と値段指定をして欲しい
作りたいものはどういったものなのかを伝えるというのは基本なのだが、それに加えてそれを「この値段の範囲内で作れないか?」という発注は対応がしやすいのだという。
基本的に町工場の方々は暴利をむさぼるという事は発生しにくい。
実は、指定された予算より全然安く出来るよという場合は、きちんと計算して逆に値段を下げてくれるという配慮をしてくれたりもする。
発注の、最初のハードルは、まずその仕事の話を聞いてもいいかな?と思ってもらうことなのだ。そこで、予算の提示は有効に働くのである。