【リバネス研究費授与式レポート】第13回リバネス研究費 池田理化賞

【リバネス研究費授与式レポート】第13回リバネス研究費 池田理化賞

「H-Cube®を使用した化合物合成や触媒開発の研究」で公募を実施した、第13回リバネス研究費池田理化賞の採択通知書授与式が、採択者の道上恭佑氏(神戸大学大学院理学研究科博士課程後期課程3 年)と指導教官の林昌彦氏(同研究科教授)出席のもと、2013 年7月17日(水)に神戸大学大学院理学研究科化学専攻の有機反応化学研究室で執り行われた。

池田理化

道上氏の所属する有機反応化学研究室が取り組んでいるテーマのひとつに、環境に負荷をかけない酸化反応の研究がある。環境負荷が少ない反応を行うための触媒としては、『BioGARAGE』 vol.14で紹介したパラジウム/活性炭(Pd/C)が挙げられる。同研究室ではPd/C-エチレン系を利用して、アルコールの酸化反応行い、第二級ベンジルアルコールやアリルアルコールのカルボニル化合物への効率的な変換を達成している。この研究の発展として活性炭のみを用いて酸素雰囲気下で行った反応において、酸化反応が進行するということを見出した。今回の採択テーマである「活性炭-水素系による水素化反応の開発」は、そこからさらに踏み込んだ挑戦的な内容だ。現在のところ活性炭-水素系による水素化反応は報告されていないため、今回の研究でどのような成果が上がってくるかが期待される。

研究室の関連テーマを持つ学生たちも参加して行われた授与式では、株式会社池田理化の川橋裕子氏から、5月に新社長に就任した髙橋秀雄氏のメッセージとともに採択通知書が授与された。それに引き続いて川橋氏によって行われたH-Cubeの技術説明では、道上氏をはじめとした研究室のメンバーから様々な質問が挙がり、機器の貸与に向けて研究室の中でも少しずつ実験が具体化していっている様子を感じ取ることができた。H-Cubeの製造元であるThalesNano 社がハンガリーにあり、そこでH-Cubeの肝のひとつでもあるカラムの充填作業が行われているため、ハンガリーに活性炭を持っていって詰めたいという声が挙がったほどだ。
今回の採択がきっかけで有機化学反応の新しい扉が開かれることを心待ちにしたい。

池田理化賞採択者の道上恭佑氏(写真右から3 番目)、指導教官の林昌彦氏(写真左から3 番目)、池田理化の川橋裕子氏(写真右から2 番目)と研究室のみなさん

池田理化賞採択者の道上恭佑氏(写真右から3 番目)、指導教官の林昌彦氏(写真左から3 番目)、池田理化の川橋裕子氏(写真右から2 番目)と研究室のみなさん