第一の関門、「進学か就職か」。私の場合

第一の関門、「進学か就職か」。私の場合

「俺は博士になるんだ」という今となっては意味の分からないモチベーションで理系大学に進学し、最初に悩んだのは大学三年、2001年の冬の事。
理系の学生にとっては、理系なんだから大学院くらいでないと理系と名乗るのは気が引ける、ただ行きたい会社に決まるのなら就職でもいいかも…
みたいな悩みは普通にあるのではないかと思う。
少なくとも、当時の自分はそうだったから。
学部三年の冬の段階で、研究というものについてはほとんど感覚がわからず、そんな状態で決めろと言われてもそんな無茶な…というのは10年以上経った今でも思う。

就職か、進学か、それとも…

学部で就職したから志が低いとか、そういうことではないだろう。
学部卒で僕から見て立派に技術職を務めている友人も何人か思い浮かぶ。
仕事は学位を持っているから成し遂げられるのではないという事だ。
高校野球からプロ入りするみたいなイメージだろうか。
一方で大学院に進学するという事で得られる事は、研究というものを体感する事が出来るという事。学会発表ができる事。論文を書くという事ができる事。
修士課程では研究の基本的な部分を修得する事が出来る。
理系の採用のボリュームゾーンでもある。学部卒よりは2年遅くなるが、相応の経験を経た就職も可能だろう。
そして、修士課程でバッチリと研究にハマる人たちがいる。
彼らは博士後期課程へと進学し、さらに3年の間研究生活を営む。
結果としてアカデミアへ残ったり、研究職のポストを探すが、現実的にはポストの数が少なく、就職という面では今の日本は残念ながら苦境に立たされることも少なくない。
こんなイメージが理系のキャリアパスかもしれない。

進学も、就職も

自分の場合も、ご多分に漏れず就職活動をしていた。当時は電機業界も元気でSONYに入りたい!と思っていたっけ。
そこで前述の「進学か、就職か」という問題にぶち当たるのだ。
私の場合は、運良く(?)現職のリバネスという企業の立ち上げに加わる事が出来たため、修士課程に行きながら会社を立ち上げるという事を体験する事になった。
進学か、就職か。ではなく、結果的に進学も、就職も。というイメージになる。
当然二足のわらじは寝る時間を削っていったが、若さでなんとかなっていたと思う。

どうしても進学と就職どちらか一方を選ぶのは無理!という場合は、二足のわらじを履いてみるというのはどうだろう?
学生しか出来ない起業の方法はある。社会人一本だったら始められないような事でもスタートアップ出来るのは、片足学生だからだろう。
リバネスも初期はビジネスモデルのビの字も無かった。まもなく創業12年を迎えようとしているが、スタートアップはみんな学生だったから成り立ったのだ。