理系の海外留学:留学前に、これだけは知っとけ
ほぼ10年前のこと、学部を卒業してアメリカの大学院博士課程に留学しました。
博士を取得後に帰国して、今は企業で働いているわけですが、仕事でお話した高校生から大学院生、はたまた他の企業の研究員の方にまで留学のTIPSを聞かれることが多い今日この頃。
というわけで自身の経験も踏まえて、大学院留学を目指す理系学生に「これだけは知っとけ」情報をお届け。
日本vsアメリカ 研究が捗るのはどっちだ?
アメリカに行くと自由な環境で、自分が思った通りに研究!とか思ってたりしません?
いや、当時思ってたわけですよ僕は。
そんなに知識もないペーペーだったのに、自信たっぷりに。
結果、1年目は研究においては、はっきり言って何も出来ませんでした。。。
理由1.やっぱり英語の壁
日本において、それなりに英語に慣れているなと思う人でも、ディスカッションにスピード感が出ません。
僕の場合、一般的な日本の大学生より英語は出来たほうだと思いますが(留学時TOEFLは85%程)、
結局ちゃんとディスカッションできるようになったのは留学してから2年も過ぎた頃でした。
そして、思った通りに自身の考えを披露できないストレスは、想像を絶するものです。
理由2.日本の研究室の方が設備がよい
日本のビッグラボから、アメリカの中小規模のラボに研究留学したポスドクさんはその設備のしょぼさにびっくりすることも多いです。
もちろん、何不自由ないような研究設備を備えたところもありますが、数としては少ないと考えてください。
日本のラボなら一人一台あった機器を予約しないといけないことも出てくるので要注意。
理由3.コースワークをせねばならぬ
大学院生に限りますが、入学後2年ほど授業を取ることになります。
死ぬほど宿題が出て寝る暇もないというわけではありませんが、それなりに集中する必要があります。
必然的に研究する時間は削られます。
それでもやはり留学したい理由があるのか?
と、ここまでの話を聞いて迷いが生じた人には、僕は基本的には留学をオススメしていません。
おそらく、学生時代は日本でたっぷり研究をして、成果を十分に出した後にポスドクとして留学しても遅くはありません。
逆に僕の話は聞きつつも、「まぁ行ってみないとわからないよね」と楽観的な人はとにかくチャレンジをして欲しいと思っています。
アメリカでよく聞かれる質問に”What Can I do for you?”というのがあります。
直訳すると、「私は君のために何をしたらいい?」といったところです。
ファーストフードの定員から、指導教官まで同じ質問をしてきます。
あなたに明確な目的がなければ、この問いには答えられません。
留学の前に知るべきは、実はあなたが本当に何をしたいのかという目標や目的なのかもしれません。
それがあれば、「まぁ行ってみるか」となると思うんだよね。