宇宙は人類の世界観を拡張する astropreneur 代表 石亀一郎さん
国際宇宙ステーションに民間のスペースX社の宇宙船ファルコンが世界ではじめてドッキングしたのが2012年10月。今、アメリカを中心にヴァージン・ギャラクティック社、ビゲロー・エアロスペース社など多くのベンチャー企業が生まれ実績を出し始めている。一方で日本はまだ宇宙=国の事業。一般の人が手を出せない世界である。そんな中、もっと民間ベースで自由に宇宙を利用できる時代を作ろうと、自ら団体を立ち上げた若者がいる。
「私」という存在の相対化
astropreneur 代表 石亀一郎さん小さい頃から「自分とは何者か?」という哲学的なことに興味を持っていた石亀さん。卒業文集で「存在とは」というタイトルで文章を書く少年であった。そんな彼が、宇宙に興味を持ち始めたのが小学3年生。火星大接近の時に天体望遠鏡を買ってもらい必死に観察しました。そして、高校1年の時に知ったアポロ13のコマンダーであるジム・ローウェルの言葉が人生の方向性を決めた。「我々は月を知ることで、実は地球について知った」。宇宙に行くことで人類は地球の、そしてさらには己の価値を理解することができる。そのためには、全ての人類が宇宙に行くチャンスを作らなければならない。そんな思いをもって大学に進学した石亀さんは、友人や宇宙関係者に想いを伝え、astro+antreprener(宇宙+起業家)=astroprener(アストロプレナー)という団体を立ち上げた。
宇宙はビジネスの宝庫
アストロプレナーは宇宙ビジネスを日本で展開するためのサポート団体として、宇宙ビジネスの現状をレポートするサイトを運営している。
例えば、ビゲロー・エアロスペース社が米連邦航空局に月の採掘権を申請したニュースでは、月利用についての法整備について紹介している。現在月ではレアアースなど希少資源が存在していると示唆されている一方で、宇宙法でその独占は禁止されている。いよいよ月の利用について考える時代が到来しているのだ。そのほかにもサイトには、日本中のどこよりも早く、充実した宇宙ビジネスのトピックスがあふれている。