【募集】未来の教育 未来予想図3 大学の知を集結させ、世界の地域問題に取り組め! 〜N.国際救助隊による災害復興、教育支援のための学生絆プロジェクト〜(vol.20)
未来の教育 未来予想図3
大学の知を集結させ、世界の地域問題に取り組め!
〜N.国際救助隊による災害復興、教育支援のための学生絆プロジェクト〜
日本大学芸術学部 木村 政司 教授
科学技術が発展し未来の世界はますます便利になります。一方で、インフラの整備が整っていない地域の教育は遅れ、知の格差が生まれる可能性もあります。そのような時代背景を見越して、2013年5月、日本大学学長特別研究としてN.国際救助隊のプロジェクトが採択されました。今回はこのプロジェクトのリーダーであり、サイエンスコミュニケーションを専門とする日本大学芸術学部の木村先生に設立の思いを伺いました。
必要とされる場所に必要とされる支援プログラムで貢献する
日本大学は日本全国に合計14学部87学科をもつ総合大学であり、広い専門分野の「知」とそれを研究する多くの「研究者」がいます。歴史は古く1889年から始まり、現在では、100万人を超す校友(卒業生)を輩出しています。校友は全世界で活躍しており、企業や、自治体、研究など様々な組織、分野でリーダーシップを発揮しています。 「これらの大学の『知』ネットワークを活かし、地域の問題解決と学生の育成をすることはできないか」そう考えた木村先生はN.国際救助隊プロジェクトを作りました。「我々は世界の舞台で社会に貢献できる人材を『国際救助隊』と呼んでいます。災害が起きたら現地に向かう救助隊という意味よりも、災害対策や復興支援に貢献できる教育・研究活動を、遠隔地で社会実験できる「スマートモビリティシステム(国際救助隊1号機)」を開発し、特徴ある支援プログラムを実践する救助隊です」。
震災を気に大学の未来を見据えて
先生がこのプロジェクトを計画したのは、1つは東北大震災の後、日本大学のそれぞれの学部、学科や個人でバラバラに被災地支援をしていることに違和感を覚えたのが始まりでした。そして、もう1つは、「研究を社会還元できる仕組み」を作りたいと感じていたことです。「大学の使命は『研究と教育』です。しかしこれからは研究成果を社会に還元し、さらに国際社会で活躍できる人材育成を行うことにシフトしていくと考えています」と木村先生は話します。 「日本大学全体が協力し、研究の社会還元と、人材育成ができる新しい仕組みをつくる必要がある。そして国際社会でも活躍できる人材育成を」その想いからプロジェクトが生まれました。
救助隊の3つの柱
現在計画中のN.国際救助隊の活動は「災害復興支援」、「医療福祉支援」、「教育支援」という3つ分野からなります。教員は要望があった地域へ赴き、複数のワークショップを組み合わせ、実施し学生達と協同で地域の問題に取り組みます。「例えば被災地へ行って芸術学部のダンスパフォーマンスと生物資源科学部の実験教室を組み合わせ、子どもたちの繋がりを強めた知的好奇心の刺激ができるかもしれません。支援が必要な人達にとってだけでなく、学生達にとっても普段の自分たちが研究していることを大学以外の場で誰かのために使うことになります」。大学では学ばないような『リレーションのチカラ』、目の前の問題とその解決に必要な『創造力』育成につなげるのが木村先生の狙いです。「全国各地のどんな場所でも構いません。こんな研究を知りたい!研究に挑戦したい!大学生と生徒をつなげたい!などご要望がありましたら、ぜひ、お気軽に出動要請のご相談をください。