教育CSR大賞2013が決定、大賞はコニカミノルタ株式会社「コピー機のしくみを学ぼう」
株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:丸幸弘)は12月1日(日)に実施された教育CSRシンポジウム内にて、第2回となる「教育CSR大賞」の最終審査と結果発表を行いました。
「教育CSR大賞」は、産業界と教育界の連携を強め教育CSR活動をさらに加速するための取組みとして、学校教員をはじめとする日本全国からの投票により、優れた教育CSR活動を決定・顕彰を行っています。本取組みは、日本全国の誰もが科学教育の活性化に参加できる新しいしくみです。
第2回目となる本年度は、29社が「出前実験教室部門」、「イベント募集型部門」など5つの部門に分かれてノミネートされ、昨年度の約3倍の3412票のウェブまたはファックス投票により、9つの教育プログラムが一次審査を通過しました。これらは、特別審査員による事前審査投票、ならびに教育CSRシンポジウム内での最終プレゼンテーションに対する来場者の投票をあわせ、2013年度の大賞が選ばれました。
また本年度は新設の賞として、「中高生が選ぶ教育CSR活動」を設置しました。中学生、高校生による投票から、9つのプログラムを表彰させていただきました。
各社の教育プログラムはこちら:http://csr-award.net/cat/2013
■大賞・各部門大賞および特別審査員からのコメント
教育CSR大賞
出前実験教室(中高生)部門大賞 コニカミノルタ株式会社
<特別審査員からのコメント>
社員教育とキャリア教育の連携の好例。年齢が近いスタッフが実施しているので、生徒との距離も近く、共感を得やすい。生徒に学びを提供し、かつ新入社員にも学びがあるというしくみには無駄がない。また、コピー機という身近な機械をテーマに、学校ではできない本格的な実験ができ、中の仕組みを学べる点もよい。
中高生が対象であれば「無駄なコピーを削減するためになにかできないか?」など生徒が新しいアイデアを出したり、課題解決をする場面が作れるとよいのでは。
出前実験教室(小学生)部門大賞 株式会社ニッピ
<特別審査員からのコメント>
骨など本物を見られること、研究所や工場の「本物」の人が来てくれるところ、カルシウム骨やコラーゲン骨など用意に時間がかかるものを前もって準備して来てくれるところが素晴らしい。体のしくみや食べることの意味など理科、家庭科、体育などとのつながりを見せるテーマであり、一見バラバラな教科のつながりに気づく良い教材になるのでは。牛も豚も人もおなじ体の仕組みを持っていることを学ぶことを通じて「命」感じさせる教材としてテーマに深めていってほしい。
企業の負担を軽減するためには、インターンシップとして大学生を参加させ、大学生が企業を知り、その分野に興味を持つきっかけとしても活用する方法もよいのではないか。
リサーチベースドエデュケーション部門大賞 敷島製パン株式会社
<特別審査員からのコメント>
日本の課題に立ち向かうという人材育成には意義がある。研究型というのが面白い。最後まで研究を続けるためのモチベーション維持のプログラムを入れているので、途中で諦めず研究や栽培の難しさを実感しながら、その面白さに気づいていける。長期的な活動であり、伝えたいメッセージや企業ブランド根付かせるという点でよい仕組みである。部活動と連携することで継続的な活動を可能にし、興味をもった生徒が参加できる点がよい。
現在は普通科高校だけを対象にしているようだが、農業高校を1校入れることで、普通科の高校の生徒とは違った視点を提供できれば、さらに刺激的な研究ができるのでは。また、興味が深まった生徒たちには、より社会に貢献できるような進路選択への誘導もあってよいかもしれない。
イベント募集部門大賞 沖縄製粉株式会社
<特別審査員からのコメント>
沖縄に住んでいるというアイデンティティを確認できるプログラム。キャリア教育は自己理解から始めることが重要。食文化からそれを始めるというのは1つの方法では。当たり前に食べているものを親子で学べるという点も良い。また、学校に赴き全員に行う形ではなく、イベントとして興味のある親子のみを集めることで、より効果のある活動ができているのではないか。参加者に沖縄製粉をより知ってもらうことにも一役買っているのではないか。
さらに、沖縄ならではの部分はどこか、を比較するなどを踏み込んで学べると良いのでは。
教材開発部門大賞 川崎重工業株式会社
<特別審査員からのコメント>
自分の手で作り、自分のものにできる教材を開発している点が良い。教材会社ではなく技術者が作っているという点も魅力的。ただ単に工作の活動を行うだけでなく、自分で作ったクレーン車を使って数値を計測し、そこからパスカルの原理について考察を行うという、理科実験の要素を加えている点も評価できる。物理的な理論を学べる工夫がされており、様々な分野で教材が作られテーマが多岐にわたっているのが素晴らしい。教材の中でブラックボックス化している部分がなく、物が動く原点が学べる点も良いと思う。
部活動応援部門大賞 株式会社ビクセン
<特別審査員からのコメント>
地学教員がなかなか増えていかない中、細っていってしまう可能性のある学問を下支えしていくことは非常に重要である。この活動は教員研修を通じて先生への理解をきちんと得ている点がよい。専門家が使い方を教え、やる気ある生徒に力を貸しているので、1回のイベントで終わらない効果が期待できる。将来の顧客づくりにも直結しているのでねらいがはっきりしており、活動の継続性も見込めそう。
インターネットなどを活用し、情報をもっと広く伝えていけるとよいのでは。
■各部門賞
出前実験教室(小学生)部門賞
- カルピス株式会社
- 株式会社 ジェイアイエヌ
- DIC株式会社
出前実験教室(中高生)部門賞
- 株式会社アトラク
- 株式会社常磐植物化学研究所
- 富士ゼロックス株式会社
- 三井製糖株式会社
- ロート製薬株式会社
イベント募集部門賞
- 株式会社池田理化
- 株式会社小田原鈴廣
- キヤノンマーケティングジャパン株式会社
- グローリー株式会社
- 株式会社浜野製作所
- 横河電機株式会社
- 株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー
- ライフテクノロジーズジャパン株式会社
- ライフイズテック株式会社
教材開発部門賞
- 杏林製薬株式会社
- 新日本電工株式会社
- 公益財団法人日本数学検定協会
- 株式会社ルネサスソリューションズ
- 株式会社ワオ・コーポレーション
部活動応援部門賞
- パナソニック株式会社
■中高生が選ぶ教育CSR活動
大賞 カルピス株式会社
<特別審査員からのコメント>
「カルピス」という子どもが好きな身近な飲み物が教材であり、子どもの興味を惹く上ではとても重要だと思う。身近な学びを大切にしていこうというスタンスがよい。また、スタッフの事前研修を行っている点がポイントであり、社員の動機付けをし、プログラムの効果を最大化する上で非常に重要な要素である。
内容としては盛り沢山な印象もあるが、「自分でヨーグルトを作ってみる」など自分自身で菌に触れる機会があるとさらに良いのでは。触れることで「愛着」がわき、より乳酸菌や発酵に興味を持てる。
入賞
株式会社 ジェイアイエヌ
DIC株式会社
株式会社ニッピ
コニカミノルタ株式会社
株式会社池田理化
沖縄製粉株式会社
株式会社小田原鈴廣
株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー
■各賞の決定方法
<各部門大賞の決定方法>
事前投票の中で票数が多かった9社の中から部門ごとに票数が多かった企業を部門大賞とします。(上位9社に入らなかった部門については部門大賞は該当なしとなります。)
<教育CSR大賞の決定方法>
事前投票の順位、特別審査員による投票順位、当日票の順位の総計で最も評価が高かった企業を教育CSR大賞とします。
<中高生が選ぶ教育CSR活動>
全国の中高生からの投票1932票から上位9社を入賞。最も票数が多かった企業を大賞とします。
<票数>
事前投票:3412票
【特別審査員】
早稲田大学大学院教職研究科長 日本キャリア教育学会常任理事 厚生労働省労働政策審議会職業能力開発分科会委員 三村隆男
千葉県立千葉中学校教諭 伊藤毅
東京電機大学工学部教授 世良耕一
東京都立戸山高等学校教諭 田中義靖
株式会社リバネス 代表取締役社長CEO 高橋修一郎