親切すぎる研究者向けキャリア指南が、エゲツナイ研究財団のwebにあった件
みなさんHHMI(Howard Hughes Medical Institute)って知ってます?
20世紀を代表する事業家/億万長者ハワード・ヒューズが創った医学研究財団です。
この財団のホームページ上に、親切すぎるくらいな若手研究者用キャリア指南がありました。
世界一エゲツナイ財団
有名なのが研究員システム。
HHMIの研究員になると、任期5年で年間1億円程支給されます。
これが5年は継続、しかもプラン変更上等みたいな感じです。
「you達、優秀なんだからもう自由にやっちゃいなよ」状態。
そもそも研究員になれるのは、トップ中のトップの研究者(ノーベル賞受賞者17人もいる)か、これから新しい分野を切り開く超有望株。
しかも研究員としてアサインされながら、各自が元の大学のポジションをもったまま兼任の形をとります。
ここの研究員となるのはアメリカのライフサインエス系PIの憧れだと思います。
ホームページにもずばっとこう書いてあります。
we believe in the power of individuals to advance science through research and science education, making discoveries that benefit humanity.
個の力を信じている!ここまで言い切ると清々しい。最強の研究者集めたった感。
ちなみに2012年は年間800億弱を研究費として使ってます。
日本の科研費が2400億円位だから、約1/3。
国かよ、どんな財私設団だよ、マジで。
親切すぎるキャリア指南
かなりのエリート主義なんですが、エリートは教育や後進育成にもちゃんと力を注ぎます(アメリカの研究所はこういうところほんとしっかりしてる)。
Making the Right Moves
250ページ以上の本がDLできるようになってます。
しかも中国語の訳版もあるのかよ。
基本的にはアメリカで職を得るためのTIPSなんだけど、どういう手順があってどういう振る舞いが求められているかの概論がしっかりわかりやすく書いてあります。
しかも先輩有名研究者たちのコメントつき(これが熱いと思うんだ)。
あとはグラントの書き方からラボのセットアップ、そしてPIとしてのマネジメントやリーダーシップについてまで、付録に推薦状の書き方まで。
どんだけ親切なんだよと。
研究者に特化したスキルスタンダード本の最高傑作なんじゃないか個人的には思う。
英語だけど、気になるところを一読しておくといいんじゃないかと思うわけです。
かったりーなと思う人は、目次だけ眺めてアメリカの研究室主催者はこういうところ気にするって土地勘を頭の中にいれるだけでも、アメリカの研究室とうまくやれるかもしれないですよ。
確かHHMIは新しくPIになる人向けの、face to faceのコースもあったはずだから、実際にこの内容を教えているはずなのです。