ナノファイバー&シート型電子ディバイスなどナノ技術先端を一足先に〜ENEX&nanotech2014レポート

ナノファイバー&シート型電子ディバイスなどナノ技術先端を一足先に〜ENEX&nanotech2014レポート

最先端のサイエンス&テクノロジーを手に入れる方法としてsomeone編集部もよく出かける「展示会」。ここでは、世界最先端の技術を紹介し合い、新しいビジネスを作りだすことを目的としています。

1月29日に開催されているENEX2014 -第38回地球環境とエネルギーの調和展とnano tech 2014に足を運び、最新の技術をリサーチしてみました。その中で面白い技術を紹介します。

 

◯◯+ナノファイバーで遮熱など機能性がUP

帝人が生み出した極細繊維ナノフロント(R) を様々な繊維に混ぜ込むことで、遮熱効果が得られるので日傘や障子紙に使うことがでできます。特に、障子に関しては既存の遮熱の障子は色が異なってしまうのですが、ナノフロントをいれた障子は全く既存のものと変化なし。それなのに遮熱性がアップするというすぐれもの。他にも極細繊維が肌に隙間なくフィットする為、フェイスマスクシートに使用することで化粧液が肌に浸透しやすくなるのだとか。女性の方には朗報ですね!

とにかく、傘や、フェイスマスク、手袋、化粧用コットンなどなど、いろんなものに入れています。通常のものに+αすることで安価で付加価値を格段にあげる伸びしろがある技術です。

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 帝人株式会社 極細繊維NANOFRONT(R) 

 

真空にする必要なし。置くだけでナノレベルの観察ができる走査型レーザー顕微鏡 

お洒落なコーヒーマシンを思い起こさせる様なデザインもさることながら、性能はもっとすごい!従来の針を使った形状測定器の問題点を見事に解決したレーザーマイクロスコープ。何と最高倍率は24000倍もありウイルスの形状を3Dで見ることが可能なのだとか。

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株式会社キーエンス 形状測定レーザープリンター

カーボンナノチューブは研究レベルから実用化が始まっていた

米国のCNano Technology社が開発・製造している「CNTEC(R)」はカーボンナノチューブで作られたファブリック。高い導電性(電気を通しやすい)をもっているので熱を帯びるのも早い。床面全体を均一に温める床暖房などで実用化が始まっています。省エネで均一に熱を伝わらせることができるので寒い国での需要は高そう。

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丸紅情情報システムズ株式会社(日本代理店) CNTEC

 

カメラのライカが作った、安くて高画質な顕微鏡

カメラでも有名なライカ。ライカがは顕微鏡を主に作っているとは! 顕微鏡の性能はさることながら安価で高画質な映像をスクリーンに映し出すことができる。100万円未満で、持ち運びもそれほど難しくないので大学の研究だけでなく中学校や高校などの研究でも使えそう。

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ライカ マイクロシステムズ株式会社 顕微鏡

くしゃくしゃにできる電気ディバイスがどこにでもくっつくコンピューターをつくる?

最初の印象は金箔みたい!とにかく薄い。手の上にのっているは世界最軽量、世界最薄の電気デバイス。しかし金箔とは違い曲げても、引っ張っても破れないのです。医療用に使用することで血糖値などの計測が可能になります。このデバイスは体にも優しく、様々な形状で貼り付けることもでき、利用範囲はいくらでも広がりそう。

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JST ERATO染谷生体調和エレクトニクスプロジェクト 有機デバイス

湯沸かしもハイブリッドの時代に

ハイブリッドと言えばトヨタ自動車のハイブリッドカーなどが有名だが、給湯機・暖房システムにもハイブリッドがある。ガスと電気を使ったハイブリッドシステム、エコワンだ。低量の電気で効率よくお湯を沸かし、必要な時にはガスで十分な量の給湯が可能。まさに省エネですね。

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リンナイ株式会社 エコワン

 

匠の塗る技術を最適化し、省エネ塗装を実現

鮮やか赤から深みのある赤まで、マツダの新しい塗装技術。今までは匠の技術を使い、何層にも塗り重ねることででしか表せなかった色を、最新の技術で環境負荷が少なく(2度塗りだけで)量産させることに成功した。深みの赤は金属の光沢の再現と、赤以外の光がしっかり吸収される塗料を使うことで実現されるようです。車のエンジンなど中の技術だけでなく、外の部分でも技術革新の努力を進めているのですね! 紅の美しい車体です。

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<レポート:前川昇平>