趣味で蜂飼って、問題解決:オープン養蜂プロジェクト
皆さんは2006年ごろから養蜂家の間でおきている、ミツバチが群れごと消えてしまう怪現象(正式には蜂群崩壊症候群、通称CCDと呼ばれている)をご存じでしょうか?
そんなCCDを解決しようとしたのが「Open Source Beehives(オープン養蜂プロジェクト)」。
立ち上げグループのホームページを見て、未来を想像してみました。
オープン養蜂プロジェクトとは?
やりたいことはこれ↓ ( Open Source Beehives より)
Make your own printable, smart beehive to track colony health and promote international bee recovery.
世界中の人が手軽に作れる養蜂箱でハチを飼い、様々なデータを付属の機器を使って収集。
集まったデータをCCD解決に役立てようという試みになります。
以下プロジェクトの流れを参照してもらえば、実際に何をしているか想像できるのでないでしょうか。
ステップ①
公開している設計図を元に、まず養蜂箱をつくります。
「そんな設備、無いわ!」という人のためには$300でIKEAみたいに、組み立てるだけという形で送ってくれるそうです。
ただしハチは各自で購入(え、そんなに簡単に買えるの。。。???などとは聞かないがマナー)。
ステップ②
付属されている各種センサー内蔵の機器をとりつけ養蜂スタート!
センサーでは温度、湿度、光、音に加え一酸化炭素などの大気汚染物質も検出可能だとか。
センサーから得られたデータはスマホやパソコンから24時間見ることができ、異常がある場合は飼い主に知らせてくれるという機能付き!
彼らはこの活動をクラウドファンディングで賄っており、現在その資金を元にデータの集約や共有の形を作るためにプログラマーを集めてのハッカソンも計画しています。
詳しくはここ → Wire up hives to keep bees happy and healthy
家庭で研究に協力できる時代に
近年、ものづくりのスパンが短くなり、本来プロが行うことを一般の人が気軽に趣味として参加できるトレンドがありますよね。
さらには、オンラインでの情報共有が盛んになったことで、「家庭」で蓄積された研究データがこれからどんどん増えていくのではないでしょうか?
あくまで趣味で始めたものでも、世の中の問題解決に役立てられるなら、ちょっとした満足感が得られます。
生態がわかっていない生き物や、個体数の減っている生き物のデータを家庭でためて、それを元に研究が進むというのは面白いですよね。
上で紹介したオープン養蜂プロジェクトはその最たるものではないでしょうか?
流石に養蜂を都会でするのは無理がありますが、例えばスズメのような身近でかつ個体数が減っている(参照)生き物のデータをためるのはどうでしょうか?
個体数が減っている原因は定かではないようですが、その因果関係を見つけることが出来るかもしれません。
自分の家に近くに、共通フォーマットの餌場や巣箱を設置して、スズメの生態データを取るなんて養蜂プロジェクトのように進めてみるのもいいかなと思います。
他にはどんな生き物の秘密に迫ることが出来るでしょうか?
10年後、あらゆる生態ビッグデータを創りだすメインエンジンは、家庭なのかもしれません。