特許や商業化が大学研究者の昇進に必要になる?
USの大学でのテニュア(終身雇用)や昇進要件のお話で気になったものをご紹介。
先ごろ、いくつかの大学の副学長やら学部長が共著の形で論説を発表しました。
オンラインでパブリッシュされたのは0214/4/28。↓
Changing the academic culture: Valuing patents and commercialization toward tenure and career advancement
以下アブストラクトより
The authors have taken the position that universities should expand their criteria to treat patents, licensing, and commercialization activity by faculty as an important consideration for merit, tenure, and career advancement, along with publishing, teaching, and service.
今までテニュアを取るときの指標であったのは主に論文数とか、ティーチングとか、色々なサービス(学内の委員とか、論文の査読とか、アウトリーチなどなど)。
それに加えて、特許、ライセンシング、研究の商業化などもいれようぜ、という主張です。
背景には、国の経済がイケてなくて企業の研究所がシュリンクしている今、大学の研究室がイノベーションの中心になるべきだという社会要請があるようです。
とはいえ、バンバン商業に繋がるような研究しろよって偉い人が言っても、研究者側がすぐ舵切りできるわけではないのです。
だから、テニュア獲得に向けた要件化というインセンティブを与えませんか?ということですね。
インセンティブに向けて研究を組み立てる人をつくることでボトムアップを狙っていくと。
僕はこの主張に賛成。
例え純粋理学であっても、異なるアングルから研究を見直すことで研究自体が深化すると考えているからです。
それも企業で働く今だから言えることで、大学院の時は全くそんなこと思っていなかったですがw
このトピック、分野によって凄い温度差があると思います。
工学系だったら当たり前だろって観点なのかもしれません。
実際著者は工学系な人達なようですし。
誰かがブログで取り上げたり、どっかでディスカッションが起きるのを見守る予定です。
なんの議論も起きずだとちょっと寂しい。。。