小さいゴミが致命傷!? 渡辺 圭子

小さいゴミが致命傷!? 渡辺 圭子

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理工学部 機械工学科 渡辺 圭子 准教授
単元に関係するキーワード 物理基礎「物体の運動とエネルギー」

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費用面のハードルはまだ高いものの,民間宇宙旅行が実現するなど,私たちが宇宙に滞在できる日は少しずつ近づいてきています。しかし,まだ解決しなければならない課題は多く, 「スペースデブリ」もそのひとつ。スペースデブリとは,地球の周回軌道上をただよう衛星の残骸や廃棄された人工物などの,いわば「宇宙のゴミ」のこと。2014年1月のNASAの報告によると10cm以上の比較的大きなデブリでも16,500個以上,小さなものも含めれば,その数は数えきれません。「ただよっている」といっても,低軌道(高度350kmから2000km)の場合,その速度は,秒速7~8kmという超高速なので,衛星や国際宇宙ステーション(ISS)にぶつかってしまえば致命傷となります。
超高速衝突が起こるとき,そこには衝撃波が発生したりプラズマが発生したりと,低速衝突では見られない特殊な物理現象が多く見られます。渡辺先生は,研究室に用意した3mを超える大型の火薬銃で高速衝突を再現しながら,その詳細を調べます。「まだ誰も見たことのない現象を観察し,その謎を解き明かしたいんです」。尽きない興味から生まれる新たな研究と知見は,スペースデブリ問題の解決だけでなく,飛行機と鳥の衝突によって起こる事故の予防や,リニアモーターカーの安全性向上など,さまざまな分野で役立つ可能性を秘めているのです。
理工学部 機械工学科 渡辺 圭子 准教授

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私の研究の根っこにあるのは,純粋な興味です。たとえば,砂。一粒一粒は固体ですが,たくさん集まると流体のような振る舞いをします。そんな砂に弾丸を打ち込むと何が起こると思いますか? 試してみると,おもしろい現象がいくつもでてきます。いくつかは,地盤工学の専門家との共同研究にも発展しています。みなさんも,アイデア次第で,まだ誰も見たことのない現象を観察し,解き明かすことができるかもしれませんよ。

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