世界をつなげる知識貿易をはじめます(株式会社リバネス 孟芊芊)
株式会社リバネス 国際開発事業部 部長
孟芊芊 (Meng Qianqian) 修士(政治学)
|プロフィール|
中国・北京生まれ。2009年入社後、メディア開発事業部にて、映像やイベントの企画・運営・監修、科学雑誌『someone』の制作に携わる。現在は、国際開発事業部にて企業の海外進出に関するブランディング戦略を担当する。
サイエンスを日常の話題にしたい
学部生時代に研究者と接する中で、科学をより多くの人に知ってもらいたい、という気持ちが芽生えました。ちょうどその頃、母校の早稲田大学政治学研究科でジャーナリズム養成プログラムが始まり、新聞記事や雑誌の書き方、映像の作り方などを学ぶことができるようになったのです。そこで、生物学から科学ジャーナリズムに専門を変えることにしました。大学院の授業で印象に残っている活動は、科学とはまるで関係がないファッション雑誌のコラムでサイエンスネタを紹介できたことです。読者が科学を面白いと感じるよう、「コーラの不思議に迫る」など、日常の話題の中に科学の話題を並べることにしました。「この企画は、「科学が日常の話題になる世の中にしたい」という今の私の夢に繋がっています。
卒業後は教育やメディア業界への就職を考えていましたが、記事執筆、映像制作、ウェブメディア等科学にまつわるありとあらゆるビジネスが一気にできる場所はありませんでした。「もっと科学を社会に浸透させたい」という私の夢を実現できる場所を探し続けた結果、リバネスに出会ったのです。
色々なことに挑戦するチャンスがある場所
新入社員でも、実現したいことを表明すればチャレンジさせてもらえる風土が、この会社の魅力だと思います。入社後すぐ、高校生向けの科学雑誌『someone』のアプリの立ち上げに挑戦させったほか、『someone』の英語版のアジアの学校で配布や、英語でのサマーキャンプ、企業のグローバル人材育成の仕組みの構築、など様々なかたちで新しいことを任せてもらえました。ノウハウはありませんでしたが、社内の人の協力も得て、そのときそのときで答えを導き出すことができたと思います。メディアに留まらず、教育開発、人材開発、など多くの仕事を経験したことで、異なる対象に「科学やその会社の技術の魅力」を伝えることが企業の人材採用やブランディングにもつながる、と気づくきっかけになりました。企業の製品や技術、人の魅力を最大限、特徴的に伝えるにはどうしたらいいのか。まさにサイエンスブリッジコミュニケーションが活かされている仕事だと思います。これらの経験をもとに、リバネスの事業を海外へ展開するため、国際開発事業部を立ち上げることになりました。
日本と世界の知を集めて、つなげる
今は、シンガポール、マレーシア、アメリカの子会社と連携し、科学教育プログラムや人材育成プログラムをその国・地域に合ったかたちにカスタマイズしたり、日本企業の研究拠点や人材のグローバル化をやっています。海外の人とビジネスを円滑に進めるには、現地のやり方にならう必要があります。日本では商談を進める際、会社や製品のプレゼンテーションが第一ですが、海外では担当者の魅力も見られていますので、担当者自身のことを魅力的に伝えられるようなプレゼンテーションのサポートも重点的に行っています。現地の人に「日本にこんな良い製品があるなんて知らなかった」と気に入ってもらえ、新しいビジネスが始まることが嬉しい。今後は、世界中に研究者ネットワークと学校ネットワークの構築をし、そこにある知を集めて新しいビジネスや産業を生み出す「知識貿易」をしていきたいです。メディアという切り口で入ったこの世界ですが、科学技術や研究者のブランディングという意味では同じところを目指しているし、今自分が任されている仕事といつかどこかでつながってくると思います。そのためにも、世界に広く目を向け、様々なチャレンジを続けていきたいです。
(文責 大宮拓馬)