ポスドク期間がキャリアアップにつながらない?生物科学連合からの<重要なお願い>

ポスドク期間がキャリアアップにつながらない?生物科学連合からの<重要なお願い>

戦略開発事業部の篠澤です。身近なキャリアの話題をコラム的に取り上げたいと思います。生物科学連合から生科連からの<重要なお願い>と題されたPDFが発表されており、周りで話題になっているので紹介します。

全方面に対するお願い姿勢

サブタイトルでは

生物科学学会連合より行政(国、地方)、企業、大学・研究 機関、および研究者コミュニティーに対するお願い

と関係各所の気を配り、そして黄色のラインマーカーをひいたところには

今、次世代を担う若手研究者が窮地に陥っています。 ポスドク(任期付博士研究員)の雇用促進と研究者育成に 是非ご協力ください。

と大書きされています。

主張「定職につくべき30代後半から40代のシニアポスドクが増えすぎていることが問題なんです!」

PDFにして16ページの文書のなかで、4ページにわたり問題とその原因を分析した内容がのっています。

ポスドクを繰り返しても定職の口数が少なすぎるためになかなかポジションが見つからない、という問題を「棚上げしてきた」とはっきり認めています。

企業へのお願い「新卒と区別せずに雇ってください」に違和感

その後、お願いがずーっと書いてあるのですが、企業向けには端的に言うと、ポスドクを雇ってください。と書いてありました。不思議なのは「年齢制限を撤廃、ないしは引き上げをしてください」と書いてあることです。

ポスドク雇用は新卒扱いと混ぜて考えられている?

年齢制限への言及から思ったのは「ポスドクを雇う際に年齢制限があるのか?」ということです。ポスドクだから年齢制限があるわけではなく、組織にとって採用時全般に年齢がある程度考慮事項というのはあるかもしれません。組織のカルチャー的に若い人のほうが入りやすい組織は多いと思います。特に、日本では新卒就職と、中途採用の慣習が大きく異なっていますが、年齢制限が主に議論になるのは新卒就職の話しではないでしょうか。ポスドクは新卒とみなせるか?というところに疑問を感じます。後段では「新卒・既卒の区別なく採用してください」と書かれています。ますます、新卒扱いの範疇にいれてほしいかのようなお願いです。

ポスドクはそもそも中途で、新卒より高齢で当たり前では?

ポスドクは中途採用なのではないのでしょうか。ポスドクは職歴にカウントしたほうがいいと思います。専門技能を活かして企画、立案、マネジメント、実行までやりきった経験をどれだけ持っているか語れるべき、と思いますがいかがでしょう。

ラボ経験はキャリアアップに効いていないのか?

私が懸念するのはラボで雇われているポスドクの方が、キャリアアップを図れるような経験を積めていないのではないか?ということです。ポスドク期間が充実し、実験し、考え、研究論文を出し、外部資金獲得の書類をだし、報告書をまとめ、などしていたらビジネススキルはかなり身につくと思います。

リバネスがポスドクのキャリア形成のためにできること

実力を測ったり、視野を広げる意味で、相談にきてもらうことから可能です。もちろん、興味があればリバネスで働くことを考えてくれると嬉しいです。そういった意味で研究キャリアの相談所というのをやっていますので、ぜひぜひお問い合わせもらえればと思います。

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