大手メーカーが認める産業用ロボットベンチャー 株式会社MUJIN

大手メーカーが認める産業用ロボットベンチャー 株式会社MUJIN

株式会社MUJIN 最高経営責任者(CEO)滝野一征 氏に聞いた

世界中から凄腕のエンジニアが集結する新進気鋭のロボットベンチャー、株式会社MUJIN。
2011年の設立ながらすでにU-TECとJAFCOから6億円を調達し、納品先にはキヤノン、ホンダ、川崎重工業など大手メーカーが並ぶ。
独創性の高いコンセプトと技術力で開発した産業用ロボット向けソフトウェアが、より多くの製造業者へのロボット利用を加速させる。

ロボットを選ばない自動化プラットフォーム

 従来のロボットの自動化では、ロボット一つひとつに対して、人力のマニュアルティーチングにより動作プログラムを生成する必要があり、インテグレーションの時間とコストが膨大にかかっていた。
ところが、彼らが開発するソフトウェア「MUJINコントローラ­」を用いると、ロボットを導入する製造業者やシステムインテグレーターが、直感的にロボット動作のタスクと環境パラメーターを設定するだけで、数万に及ぶ候補の中から最適な軌道と配置を導き出し、それらをロボットごとのプログラムに自動変換して実機での使用を可能とする。
各メーカーの既存プログラム言語や機種、軸数、機械構造に縛られることなく、どのモーターでも数ミリ秒ごとに直接制御ができるため、他に類を見ない汎用性の高さと大幅なコスト削減を実現できるのである。

2人の出会いが生み出した世界最強のロボット動作計算エンジン

 MUJINコントローラの基盤となる技術は、同社の最高技術責任者である出杏光魯仙(デアンコウ ロセン)博士が、米国カーネギーメロン大学ロボティクスmujin2研究所在籍中に作り上げたロボット動作計画アルゴリズム「OpenRAVE」だ。
滝野氏が出杏光博士と出会い、この技術を産業用ロボットに応用して製造業に革新をおこしたいと考えたことがきっかけとなり、2011年に二人で創業した。
当社が有する世界唯一のロボット動作計算エンジンは、全ての例外ケースを考慮する最適なプログラムを生成する高速解析的逆運動学と、現実世界に存在する障害物や関節リミット、特異点、動力学を考慮しながら目的地に到達する動作計画の2つの制御技術が肝となっている。

インテグレーションの進化がロボット産業を加速させる

 ロボットの世界市場は、約9,000億円といわれ、中でも日本はその1/2を占め、高い要素技術を持つ企業が集積する。
そのような中で2015年1月に策定されたロボット新戦略では、ロボット産業躍進の鍵として、付加価値の多くを占める生産工程設計・ティーチングなどを担うシステムインテグレーターの質・量両面での不足の解消があげられている。

完全ティーチレスで深い箱からのバラ積み部品取り出しを可能にしたMUJINピックワーカー

完全ティーチレスで深い箱からのバラ積み部品取り出しを可能にしたMUJINピックワーカー


そんな中でMUJINの技術はこれらの課題を抜本的に解決する可能性を秘めている。「まだ日本の工場全体の5%しか自動化できていません。
少ない労力、低コストで導入できれば自ずと市場が拡大してくはず。携帯電話市場は、アンドロイドが普及してコモディティ化したときに5倍に成長しました」。

 人力のプログラミングでは到底成し得ない高性能かつ汎用性の高いロボットの自動化に挑み、製造業に大きな変革をもたらそうとしている天才エンジニア集団、MUJIN。日本が世界に誇る大手メーカーのロボット技術をさらに飛躍させることへの期待感が高まる。

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