「ナレッジ・アグリゲーション」をテーマに、超異分野学会 関西大会が実施されました
株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:丸幸弘)は、2016年3月19日(土)に、京都にて第5回超異分野学会関西大会を実施いたしました。超異分野学会のミッションは、分野の垣根を越えた研究者同士の、また、研究者と産業界との結びつきを促進させることにあります。学術的価値の高い研究と、研究成果を基盤とした事業化の2つの軸で社会にインパクトを与え、イノベーションを創出する「場」としての発展を目指します。
関西大会はオムロン株式会社の協力のもと、オムロン京都センタービル啓真館にて行われました。ユニークな研究活動を展開する研究者の招待講演や、オムロンが主催するハードウェア系インキュベーションプログラム「コトチャレンジ」の参加者によるピッチ、学会特別賞をかけて学生が自らの研究発表を行うプレゼンテーション大会など、様々なプログラムの中で、100名を超える研究者、企業人材が交流し、盛会のうちに終了いたしました。
開催日 | 2016年3月19日(土)10:00-17:30(18:00より懇親会) |
場所 | オムロン京都センタービル啓真館 京都府京都市下京区南不動堂町 |
アクセス | 各線京都駅から徒歩5分 |
開会式
開会式では主催者であり年会長の株式会社リバネス取締役副社長井上浄からの挨拶の他、協力企業であるオムロンベンチャーズ株式会社代表取締役社長の小澤尚志様から、オムロンが目指す事業や現在手がけているハードウエア系ベンチャーのインキュベーションプログラムの狙いなど、企業としてアカデミアとの接点をいかに持っていきたいかという点についてお話いただきました。
招待研究者講演
リバネスが推薦するユニークな研究をしかける研究者に登壇いただき、
自らの研究と目指す世界についてお話していただきました。
発表者一覧
氏名 | 演題タイトル |
所属 | |
大関 真之 | スパース性による計測革命と機械学習の新時代 |
京都大学 大学院情報学研究科 | |
児玉 耕太 | 日本発のMega Biotechを目指して |
北海道大学 大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター | |
出口 友則 | 小型魚類を用いた創薬スクリーニング |
産業技術総合研究所 生命工学領域 健康工学研究部門 | |
有馬 英俊 | タンパク質・核酸医薬キャリアおよび医薬品原薬としてのシクロデキストリンの有効利用 |
熊本大学 生命科学研究部 製剤設計学分野 |
未来創造ワークショップ
〜君も異分野融合を体験して、研究者のつくる未来を考えよう!〜
このセッションは若手研究者でも気軽に異分野融合のエッセンスを体験でできます。未来のキーワードで集まったグループが、自分と他のメンバーのビジョンや強みの共通点や違いを認識し、そこから自分たちでできることを考えました。研究について新しい視点を得られた、など、それぞれの参加者に気づきがあったようです。
オムロンコトチャレンジ キックオフピッチ
オムロンベンチャーズが主催するハードウエア系インキュベーションプログラム「コトチャレンジ」において、第2期の育成対象として選ばれたチームが自分のアイデアをメンターとなるオムロン社員や一般の聴講者にお披露目しました。当日はメンターからの厳しい質問の他、会場投票等も行い、未来の技術になりうるアイデアについて議論を深めました。
学会特別賞ショートプレゼンテーション大会
学会あるいは留学先のインタビューなど、知見やキャリアを広げるためのきっかけ作りにトラベルバジェット獲得の機会として設置された「超異分野学会特別賞」の選出が当日会場内で行われました。研究者の皆様には5 分間で研究への思いと、なぜそこに行きたいのかについて語っていただき、審査員の評価の高かった2名の皆様にトラベルバジェットが授与されました。
発表者一覧
氏名 | 演題タイトル |
所属 | |
市川 俊輔 | セルロース系バイオマスからグルコースを生産する細菌の開発 |
三重大学大学院 地域イノベーション学研究科 | |
上田 竜平 | 浮気行動傾向を脳と潜在的姿勢から予測する: 社会神経科学による検討 |
京都大学 文学研究科 | |
江口 大地 | ナノ粒子とナノ粒子の相互作用による新規物性の発現 |
京都大学大学院 理学研究科化学専攻 | |
大上 能悟 | エバネッセント光を用いた微粒子の駆動操作に関する研究 |
大阪大学工学部 応用自然科学科応用物理学専攻 | |
神庭 圭佑 | 新規抗HIV薬の開発に向けて:HIVを無力化するヒトA3Gとウイルスの迎撃因子の性質を知る〜彼を知り己を知れば百戦殆うからず |
京都大学 エネルギー理工学研究所 | |
松田 裕貴 | ベルト装着型自動腹囲測定ウェアラブルデバイス「おなかのげんじつ」 |
奈良先端科学技術大学院大学 |
採択者一覧
「ベルト装着方自動腹囲測定ウエアラブルデバイス『おなかのげんじつ』」 奈良先端科学技術大学院大学 松田 裕貴さん 中村 優吾さん |
|
「浮気行動傾向を脳と潜在的姿勢から予測する:社会神経科学による検討」 京都大学 大学院 文学研究科 上田 竜平さん |
|
ポスターセッション
専門の異なる研究者、ベンチャー、企業人など異分野の人々が意見を交え、異なる視点を持ち寄って活発なディスカッションが行われました。高校生研究者による発表も行われ、合わせて19件の研究発表テーマをきっかけに分野・業種・世代を超えた交流が実現しました。
発表演題一覧
氏名 | 演題タイトル |
所属 | |
上島 雅人 | 地盤の有効利用と環境保全 |
埼玉大学 理工学研究科環境工学 | |
大村 夏美 | 女性ホルモンであるエストロゲンが体液調節反応に及ぼす影響 |
奈良女子大学 人間文化研究科 | |
佐々木 ありな | 風災害軽減に向けた風の空間変動の解析 |
京都大学大学院理学研究科 防災研究所 気象・水象災害研究部門 暴風雨気象環境研究分野 | |
原尻 孔明 | 温度応答性ゲルのセンサー及びアクチュエータへの応用 |
– | |
松榮 一真 | 砂標的を伝播する衝突励起振動の計測 〜惑星探査への応用〜 |
神戸大学大学院理学研究科 実験惑星科学 | |
弘津 辰徳 | タンパク質・核酸医薬キャリアおよび医薬品原薬としてのシクロデキストリンの有効利用 |
熊本大学 生命科学研究部 製剤設計学分野 | |
村上 怜子 | 藍色細菌の時計関連タンパク質SasAが生物時計によって発振される時間情報を出力する分子機構の解明 |
名古屋市立大学 薬学研究科生命分子構造学 | |
児玉 耕太 | 日本発のMega Biotechを目指して |
北海道大学 大学院薬学研究院 創薬科学研究教育センター | |
出口 友則 | 小型魚類を用いた創薬スクリーニング |
産業技術総合研究所 生命工学領域 健康工学研究部門 | |
三重大学大学院 地域イノベーション学研究科 | |
上田 竜平 | 浮気行動傾向を脳と潜在的姿勢から予測する: 社会神経科学による検討 |
京都大学 文学研究科 | |
江口 大地 | ナノ粒子とナノ粒子の相互作用による新規物性の発現 |
京都大学大学院 理学研究科化学専攻 | |
大上 能悟 | エバネッセント光を用いた微粒子の駆動操作に関する研究 |
大阪大学工学部 応用自然科学科応用物理学専攻 | |
神庭 圭佑 | 新規抗HIV薬の開発に向けて:HIVを無力化するヒトA3Gとウイルスの迎撃因子の性質を知る〜彼を知り己を知れば百戦殆うからず |
京都大学 エネルギー理工学研究所 | |
松田 裕貴 | ベルト装着型自動腹囲測定ウェアラブルデバイス「おなかのげんじつ」 |
奈良先端科学技術大学院大学 | |
市川 俊輔 | セルロース系バイオマスからグルコースを生産する細菌の開発 |
三重大学大学院 地域イノベーション学研究科 |
高校生発表演題一覧
古谷 菜摘 | サボテンの栄養繁殖とインビトロプランツの作製 | |
大阪府立園芸高等学校 | ||
弓削龍之介ほか | 飼育環境に伴うウーパールーパーの変態について〜魚屋さんを救え〜 | |
滝川中学校・高等学校 | ||
山本昌奈実 | 空気砲の円でない穴から出る空気の形について | |
和歌山信愛 高等学校 |
||
特別講演・閉会式
特別講演ではヤンマー株式会社研究開発ユニットの小西充洋様より、岡山に春から稼働するバイオイノベーションセンターの構想を中心に、農業機械からバイオに広がっていくヤンマーの事業戦略と求めるコラボレーションについてお話いただきました。このイベントで具体的な連携のできそうな研究者も見つかり、まさに超異分野学会が目指す姿のスタートがきれそうです。
また、弊社代表取締役社長COO高橋修一郎からは、超異分野をきっかけに生まれたコラボレーションの事例が紹介され、アカデミアから事業化まで、人との出会いとそれぞれのパッションによって誰もが社会にインパクトのある研究ができる可能性を示しました。