【実施報告】超異分野学会 琉球フォーラム2017を開催しました!
2017年8月25日(金)に、沖縄銀行本店5階ホール(沖縄県那覇市)にて超異分野学会 琉球フォーラム2017を開催いたしました。
超異分野学会は、「Be hyper-interdisciplinary(超異分野であれ)」をミッションに掲げ、アカデミアの研究者から企業、生産者、町工場の技術者、起業家、大企業の経営者・新規事業創出の関係者まで、研究、ビジネス、ものづくりなどさまざまな領域のプロフェッショナルが集まり、異分野どうしの化学反応を起こす場です。
今回は、「生産現場を変革する技術との出会い」をテーマに農林水産業に携わる沖縄県内の生産者や、県内外の研究者、テクノロジーをもった企業、研究を行なっている沖縄県内の高校生など76名が集まり、生産現場の課題や解決に向けた取り組み、それに関わる最新の研究成果を報告し、議論を行いました。
<当日のプログラム概要>
- 基調講演「未来の食料生産技術を創りたい」
- パネルディスカッション「日本を熱帯植物の産地にする技術開発」
- シンポジウム①「利益を産み出す畜産業を創出する最先端技術」
- シンポジウム②「異分野参入で生まれる次世代養殖技術」
- 生産者、研究者、企業によるポスター発表
● 基調講演
鹿児島大学の後藤貴文教授より「未来の食料生産技術を創りたい」というテーマで、自身が行っている代謝インプリンティングによって牧草での肉牛肥育を実現した研究と、この研究により切り開かれる食料生産分野の未来についてご講演いただきました。
● パネルディスカッション「日本を熱帯植物の産地にする技術開発」
熱帯の農作物の栽培を日本で行う上での課題とそれを克服するための技術の可能性について議論しました。熱帯植物栽培の重要な課題として、低温対策があげられ、低温に強い株の選抜や排熱利用などのアイディアが出されました。また、栽培環境をモニタリングするIoT技術や植物工場の活用について意見交換を行い、亜熱帯性気候の沖縄に適した栽培技術の可能性を感じるセッションとなりました。
● シンポジウム「利益を産み出す畜産業を創出する最先端技術」
琉球大学の伊村嘉美准教授からエコフィード開発による飼料コストの低減の研究、広島大学の星野由美助教から卵子の評価技術を確立することで受胎率の向上を目指す最新の研究についてご講演いただきました。さらに、技術導入を積極的に行っている(株)松永牧場の松永和平氏に先進事例を発表していただき、様々なテクノロジーにより健全な経営を実現する取り組みをご紹介いただきました。
● シンポジウム「異分野参入で生まれる次世代養殖技術」
琉球大学の瀬名波出教授から流体熱力学と水産養殖の異分野融合をまさに体現した海藻培養技術の紹介と、株式会社巴商会の酒井敦氏、古野電気株式会社の今坂尚志氏から現在沖縄県内のクルマエビ養殖場で実際に取り組まれている”生産者×企業のテクノロジー”の事例が紹介されました。異なる分野が合わさることで見出される課題解決の可能性に会場から熱い視線が向けられました。
● 沖銀セッション・ポスターセッション
上記の口頭プログラムのほか、生産者、研究者、企業による19演題のポスター発表を行い、他の学会ではなかなか実現していない生産者、研究者、企業が顔を合わせて直接ディスカッションする機会を作りました。ポスターに先立ち、沖縄県内でモズク養殖を営むイトサン(株)、無投薬養豚を行う(有)金城ミート、沖縄では珍しいイチゴの生産を行う(株)美らイチゴから現在の取り組みと課題について話題を提供していただきました。その後のポスターセッションでは、沖縄県内外の研究者をはじめ、生産者や企業、高校生らによる取り組みが発表され、生産者のリアルな課題に対して、研究者や企業の方が集まり意見を交わしました。さらに、研究者の話にも生産者が熱心に耳を傾け、本フォーラムの目的でもある、双方向のコミュニケーションが促進されました。
今回の琉球フォーラムは、一次産業をテーマに生産者、大学の研究者、企業が議論し、沖縄を舞台にした新たな研究開発や商品開発をはじめるきっかけとなりました。
リバネスでは、この種を実らせるべく、参加された皆さまとともに研究開発・商品開発プロジェクトを発足させ、1年間の活動の成果を次年度の琉球フォーラムでもご報告できるよう取り組んでまいります。
<超異分野学会 琉球フォーラム2018>
日時:
2018年11月1日(木)生産現場ツアー(予定)
2018年11月2日(金)琉球フォーラム(予定)
場所:那覇市内
最新情報はこちらでチェック:https://hic.lne.st/forum/ ※随時アップデートしていきます。
また、2018年3月2-3日には、超異分野学会の本大会を東京にて開催します。
大会テーマは、「人間とは何か、そして人を取り巻く研究へ」。医療の進歩や人工知能の普及など劇的に変化を遂げる環境の中で、人のあり方はどのようになっていくのでしょうか。AI、身体拡張、睡眠、食、HRテック・・・、人にまつわる様々な研究テーマを国内外から集め、人とは何かという究極の問いに挑みます。
日時:2018年3月2日(金)・3日(土)9:30-18:00
場所:TEPIA先端技術館(東京都港区北青山2-8-44)
ウェブ:https://hic.lne.st/hic2018/
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