聖光学院中学校・高等学校で宇宙エレベーターの出前実験教室を行いました

聖光学院中学校・高等学校で宇宙エレベーターの出前実験教室を行いました

株式会社リバネスは聖光学院中学校・高等学校(神奈川県横浜市)にて、2019年8月31日(土)・9月1日(日)の2日間で出前実験教室を実施しました。本実験教室には、中学1年生から高校1年生までの46名が参加しました。航空宇宙分野で現在開発が進められている宇宙エレベーターの模型製作を通じて、最先端の宇宙エレベーターの開発構想や、摩擦力をはじめとした力学分野のサイエンスを学べるとともに、模型の開発を通じて、考えるだけでなく実際に手を動かしてはじめてわかることがあるということを体験できる内容となりました。

実験教室は、講師からの「宇宙は、地球ではできないことが可能になるフロンティアだ。誰もが簡単に宇宙に行ける宇宙ステーションを開発してみませんか?」という問いかけから始まりました。宇宙エレベーターは、現在の宇宙への移動手段であるロケットと比べ、コストが低く、多くの物資や人員を安全に輸送できることが期待されています。宇宙ステーションを建設する静止軌道上に、物資と建設に携わる人員を輸送するための宇宙エレベーターを開発することを、2日間のミッションに掲げました。実験教室の最後には、開発したクライマーでなるべく高く、重いものを輸送するコンペティションを行いました。

宇宙エレベーターは、宇宙から垂らしたケーブルを動力付きのクライマーが昇降する構造になっています。今回の実験教室ではクライマー部分の模型の開発を行いました。ギアボックスの位置や取り付け方を工夫することで性能が変わります。また、宇宙ステーションの建設に携わる人員がクライマーに搭乗することも想定してもらいました。力学的な性能を追求するだけでなく、建設地点までの約1週間の道のりを快適に過ごすための工夫を施すことも重要なポイントに据えて開発を進めました。開発の最中には、予定していたとおりにケーブルが固定されない、パワーを上げるためにモーターを増やしたが重量が増して昇らないといった、実際に作ってはじめて直面するアクシデントに対応しながら試行錯誤している様子が見られました。

2日間にわたって開発されたクライマーは14チームそれぞれの設計思想が込められたものとなりました。各班のクライマーをPRするプレゼンテーションでは、搭乗者にとっての快適さや力学的な安定性などを考慮した工夫が紹介されました。

2日間のクライマックスは、講堂に設置された5mのケーブルを舞台としたコンペティションでした。開発途中には順調だったチームのクライマーが思うように昇らないこともあれば、直前にようやく構造が固まったチームが好成績を出すなど、想定の範囲を超えた結果となるチームも多くありました。コンペティションを踏まえ、なぜそのような結果となったのかを振り返るとともに、もう一度チャレンジするときに試したい工夫を案出してもらいました。

教室の最後は、コンペティションを目指した各チームの健闘を讃えつつ、実際に作ってみてはじめて設計・構想段階では思いもよらなかったことが起きたことを振り返り、考えるだけではなく、実際に手を動かしてみることの重要さを講師から伝え、考えてもらいました。

参加した生徒からは、以下のような声が寄せられました。
・実際に手を動かしてみないとわからないことがたくさんある
・思っていた以上に論理的にいかなかった
・「ある分野に調べる人」から「ある分野に挑戦する人」へと研究者のイメージが変わった
・案外上手くいかなかったが、それが開発というものなのだと知った

【本実験教室概要】
日時:2019年8月31日(土)・9月1日(日) 両日ともに11:00-16:30の時間帯に実施
場所:聖光学院中学校・高等学校
対象:中学1年生から高校1年生:46名
実施テーマ:宇宙エレベーターの模型の開発とコンペティション

リバネスでは、最先端の科学やものづくりのアイデアを用いた実験教室を様々な学校や学年を対象に実施しております。ご興味をお持ちの方は下記お問い合わせ先までご連絡ください。

【本件に関するお問い合わせ】
株式会社リバネス 滝野
メールアドレス:[email protected]
TEL:03-5227-4198