「中小企業等知財分析レポートを用いたマッチング調査研究」を実施しました

「中小企業等知財分析レポートを用いたマッチング調査研究」を実施しました

 株式会社リバネス知識創業研究センター(本社:東京都新宿区、代表取締役副社長CTO:井上浄、以下「リバネス」)は、特許庁事業「令和2年度産業財産権制度問題研究「中小企業等知財分析レポートを用いたマッチング調査研究」」を受託し、中小・ベンチャー企業等が有する特許情報を活用し、当該企業等のイノベーションを促進するための調査研究に取り組みました。

 本調査では、中小・ベンチャー企業等とシナジーのある事業会社等との連携を特許情報に基づくマッチングレポート(以下、Mレポート)を用いた支援スキームについて、ビジネスマッチング事業者との連携により検証しました。この結果、8者のビジネスマッチング事業者と共に、10社の中小・ベンチャー企業のマッチング支援を実施し、マッチング面談に至った11件のうち成約9件(成約率:81.8%)を得ました。この成約率は過去の成果を上回る結果であり、本事業において支援スキームをブラッシュアップできたものといえます。なお本事業では、協業にむけて議論継続、NDA締結にいたったケースを成約と定義しています。

 また、関連してリバネスが主催する第10回超異分野学会 本大会(2021年3月5-6日(金、土))内で、「毎年30万件蓄積され続ける特許情報から新たな知識を生むためには」と題したパネルディスカッションを実施し議論しました。特許情報に限らず科学技術に関連した情報の活用は古くからその重要性が示されてきていたが、未だ十分に活用されていない状況とその活用にはコミュニケーターの介在が必要であろうことが議論されました。

 これらの活動を通じて、日々蓄積される膨大な特許情報を有効に活用したマッチング支援においては、そのマッチングによって目指すことは何であるのかを明確にし、科学・技術の理解に基づき、着目する特許技術の活用とは異なる視点も含めて、Mレポートを作成することの重要性が明らかになりました。またそのようにして作成されたMレポートをもとに、連携先候補企業と中小・ベンチャー企業をつなぐコミュニケーターの有効性も示されました。つまり、Mレポートを活用する支援スキームには、コミュニケーターによる科学・技術の理解に基づいた伴走支援が不可欠といえます。株式会社リバネスでは、特許情報という知識が集積されたビッグデータを上手く活用し、中小・ベンチャー企業等のイノベーションを促進する取り組みを推進してまいります。

 なお本調査研究の報告書は特許庁WEBサイト「特許庁産業財産権制度問題調査研究について」内の令和2年度研究テーマ一覧(8)中小企業等知財分析レポートを用いたマッチング調査研究に関する調査研究報告書にて公開されています。