2022年 新年のご挨拶
「21世紀は個の時代になる。」
2014年に私が執筆した書籍『世界を変えるビジネスは、たった1人の「熱」から生まれる。』の書き出しに記した言葉です。
リバネスでは、年末年始に必ず全員がこの本とビジョナリーカンパニーを読み、その感想を伝え合う文化があります。再び新型コロナウイルス感染症の脅威から始まった2022年、すっかり変わってしまった環境の中で、きっと本から学ぶこと、感じることも変わってきているのかもしれません。
世界規模のパンデミックによる分断がおこり、とにかく変化に対応することに追われ、偶然生まれたビジネスで大儲けする人や、変化に対応しきれずに悩む人、それぞれの局面を迎えています。たまたま環境変化によって急成長したビジネスは永くは続かず、また、持続可能なものになるはずの「たった1人の熱から生まれるビジネス」も、個の時代において最も大切な関係性資産や長期的な視点を築くことができずに、破綻していく場面を目の当たりにしてきました。
私が昨年の新年挨拶でも、2021年はさらに「強い風が吹く時代」になると予測したように多くの活動が制限された中で、個のネットワーク組織の意味を今一度深く問われたように思います。
そんな強い風が吹いた2021年、リバネスでは2年間にわたり掲げてきたテーマ「知識プラットフォームのアップデート」を、しなやかに予定通りに完遂いたしました。
2020年12月には、リバネス創業期の12年間を綴った『144年続くベンチャーをつくる』を出版し、ある意味、過去を尊敬・尊重しながらも、もう振り返る必要がないように、しっかりと歴史を紐解き文章にまとめました。そして、2021年5月にはリバネスユニバーシティーを発足させ、リバネスのサイエンスブリッジコミュニケーター®️のアップデートをはかり、地球貢献型リーダーの育成を開始しました。さらに、同年5月には、グループCEO直下の「グローバル戦略会議」を立上げ、その後11月に「グループ開発事業本部」へと発展的改組を行い、リバネスグループ全体の最大化を図る準備が整いました。
そして、2022年は、変化に対応するのではなく、いよいよ変化を起こす時代になります。
「世界を変える」ということは、「自らが変化を起こす」という意味であり、情熱を持った個人が活動やビジネスを持続可能な状態にしていくということに他なりません。つまり、個の確立が重要になると同時に、その情熱がつながり合う「個のネットワーク組織」により、新しい形の強固な企業が生まれる一年になります。
2022年は虎の年。
「大人虎変をやり遂げる」をテーマに掲げ、常に今日がベンチャーを創業した初日であると自分自身にも言い聞かせ、変化に対応するのではなく、過去のルールや常識を徳のある人々が改革し、自ら変化をつくりだす。2022年6月14日に20周年を迎えるリバネスでも、古い制度をより良い制度へと自己改革し、厳しい社会環境を乗り越えて、新しい種が芽吹き成長する礎となる1年にしてまいります。
この20年間、研究者であるリバネスの社員一人ひとりが課題解決のためのプロジェクトを立ち上げ続け、毎年200以上のプロジェクトを走らせ続けた結果、今では20社以上のグループ会社によって事業化し、自律的に継続できるまでに至りました。
学校・大学・企業の枠組みを超えた超異分野チームをつくり、新たな知識やビジネスを生み出すために、リバネスの活動を続けてこられたことを感謝するとともに、その感謝の意も込めて、この1年間で20周年記念プロジェクト20企画を準備・リリースしていきますので、楽しみにしていてください。
今年も世界を変えるために、自ら変化を起こしていくベンチャー企業として、「科学技術の発展と地球貢献を実現する」をビジョンに掲げ、「知識製造業の新時代」を築き上げていきます。
2022年1月26日
株式会社リバネス
代表取締役 グループCEO 丸 幸弘