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【実施報告】2023年度第三回地域産業創出セミナー「自動車用量産機器製造の中堅企業が、 スタートアップとの連携で異分野への進出を加速」を実施しました

【実施報告】2023年度第三回地域産業創出セミナー「自動車用量産機器製造の中堅企業が、 スタートアップとの連携で異分野への進出を加速」を実施しました

2023年11月7日、2023年度関東経済産業局委託事業である令和5年度価値創造チャレンジ事業(中小企業経営支援等対策委託費)」における「地域産業創出セミナー」の第3回を実施しました。当日は、オンラインにて全国の地域中堅企業の他、自治体、地域金融機関の方々が約30名の参加申込がございました。

 

本事業の概要及び2020年度,2021年度の成果実績等はこちら(関東経済産業局HPへ)

 

はじめに、関東経済産業局 遠矢 清英 氏より、コロナや紛争などによって激変するマーケットの中で、既存のサプライチェーンや顧客に頼らず新規事業を通じた応用力を持つ重要性について語っていただきました。その一環としてベンチャーと中堅企業の連携が挙げられる中、多くの連携創出プログラムは参加スタートアップが主役だが、今回のような中堅企業を主役にした今回の取り組みの重要性に改めて言及して下さりました。

 

その後「自動車用量産機器製造の中堅企業が、 スタートアップとの連携で異分野への進出を加速」と題したトークセッションを開始。まずは大手自動車会社の下請けとして培ってきたロボットや金属部品加工・機械装置製造技術を強みとする株式会社アオキシンテックの青木圭太 氏から、事業内容や、スタートアップとの連携に至るまでの経緯について紹介がありました。続いて、飼育状況などを分析できる養豚経営管理システムや、AI・IoT・ICTを駆使した養豚環境モニタリングサービスを提供する株式会社Eco-Porkの神林隆 氏に、養豚業界のDX化による養豚の生産改善と業界の持続可能性の向上の繋がりについて紹介していただきました。

 

トークセッションではアオキシンテックとEco-Porkの連携事例について深掘りしました。豚舎の水道管の凍結により養豚への飲み水が途絶える事故や、豚の引水量を測定することで健康状態を管理することを目的として開発した、水道管に付着する水流センサーを開発しました。Eco-Porkにとって、センシングや機械化のものづくり技術を強みとして持つアオキシンテックとの取り組みは、解像度が低い状態でも仕様まで落とし込むことができ、養豚農家への実用化を加速できたとコメントしました。

 

アオキシンテックにとっては自動車産業のみならず、養豚業界への自社の展開の可能性を知るきっかけになったと話していました。また、青木氏は近年縮小傾向にある自動車産業の中で、新しい市場と課題に向けた開発の必要性を感じていました。その中でベンチャーや異業種企業など多様な機関との連携を強化し、共生型ものづくり産業に挑むという意味合いをこめて’symbiosis(共生)’の’sym’をとってシンテック(symtech)’に改名した背景を説明しました。今回のEco-Porkとの連携は、まさに他業界への自社技術の展開を切り拓くきっかけになったと話しました。また、エコポークにとってアオキシンテックは「素人の私たちのモヤっとした相談でしたが、課題感に共感してくれて、なんと青木社長が一緒に養豚現場に行って要件定義まで落とし込んでくれました。まさに一緒に課題解決をしてくれる仲間と感じられました」コメントしました。

 

質疑応答のセッションではオンライン参加者から、どうベンチャーとの開発をマネタイズしてきたかという質問がありました。それに対して青木氏は、Eco-Porkが採択されたGo-Tech事業の中で、考える時間などの開発に関わる人件費を計上できたことが大きかったと答えました。また、その事例を元に、中堅ものづくり企業にとっては、要件定義前の開発費をしっかり売上として計上し、社員に収益性があることを示さない限りは、社内合意も得られにくく、持続可能な取り組みにはならないということを言及しました。

 

最後に青木氏より、今まで他のベンチャーとも連携をしてきた経験から、プロジェクト単位での関係性である大企業とは違って、ベンチャーとの連携では「夢を一緒に追いかけさせてくれる」とコメントを残してくださいました。これからも両者で養豚農家に向けて量産化を加速していきます。

 

 

【2023年度第3回地域産業創出セミナー アーカイブ視聴はこちら】

 

【2021〜2022年度 地域産業創出セミナー アーカイブ視聴はこちら】