台湾Harbor Angel主催の来日研修で「知識製造業」講演|日台連携の新展開

株式会社リバネスは2025年9月3日、台湾のHarbor Angel社が主催するOverseas Brands Localized Accelerator(OBLA)の一環として、京都経済センターにて招待講演を行いました。当日は台湾から35名の事業家・スタートアップ関係者が来日。「知識製造業」の概念と、大企業やスーパーファクトリーグループ(浜野製作所・成光精密)の事例を紹介し、東アジアとの連携を強める展望を示しました。日本の地域から生まれる新事業創出の事例を紹介し、日台連携の可能性について議論することができました。
背景
リバネスとHarbor Angel社の交流は、2025年2月に始まっています。台湾より、Harbor Angelをはじめとする投資家・インキュベーターがリバネス東京本社を訪問。そのご縁から、5月には台北「InnoVEX 2025」にて、代表取締役社長COOの髙橋修一郎が基調講演を実施。「知識製造業(Knowledge Manufacturing)」の概念を国際的に発信しました。今回の招待講演は、これらの交流の延長線上に位置づけられます。
講演内容
まず、リバネスフィリピン代表取締役の Yevgeny Aster T. Dulla が登壇し、アジアの科学技術エコシステムにおいてアントレプレナーのマインドセットが不可欠であることを強調しました。関西は多様な文化と製造業の集積を兼ね備えた「挑戦の実験場」であり、台湾スタートアップにとって理想的な連携拠点になると語りました。
続いて 秋永名美(戦略開発事業部)が登壇し、日本の産業構造の変遷を背景に「知識製造業」の概念を紹介しました。「知識製造」とは、知識と知識の組み合わせによって新たな知識をつくりだすこと、そして新たな知識によって未解決の課題を解決することを意味します。今回の台湾からの参加者のなかには、事業の継代に興味のある地域企業も含まれることから、スーパーファクトリーグループによる試作・量産支援の仕組みを解説し、その中でも 浜野製作所(Garage Sumida) や 成光精密(Garage Minato)がスタートアップや研究者と共に新事業を生み出してきた事例を取り上げました。さらに、大企業の新事業創出の取り組みも示し、日本企業の新たな成長のモデルを紹介しました。
翌日は、大阪府港区の成光精密株式会社(Garage Minato)やリバネスの大阪オフィスも訪問。週末には、Harbor Angel社の代表陣が超異分野学会大阪大会に参加しました。
Q&Aで見る重要ポイント
- Q. なぜ「知識製造業」が必要なのか?
- A. 日本は製造業の強みを持ちながら、既存の枠組みだけでは成長が難しい状況にあります。知識と知識を組み合わせる「知識製造業」によって、深い社会課題を解決し、新たな産業を生み出すことができます。
- Q. 日本と台湾が組むことで、どのような未来が描けますか?
- A. 台湾のスピード感ある起業家精神と、日本の知識製造業の基盤を掛け合わせることで、食・健康・環境など共通の課題解決を進められます。今回の京都・大阪での対話は、その第一歩となりました。
今後の展望
今回の招待講演を通じて、台湾の事業家との対話が具体的な連携構想へと進展しました。研究者・大企業・自治体・スタートアップが垣根を越えて集うこの場で、知識製造の実践はさらに広がっていきます。
リバネスは「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念のもと、日本と台湾を起点に、東アジアとの連携を強め、課題解決と新産業の創出を推進してまいります。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社リバネス
戦略開発事業部 秋永