【実施報告】2025年11月29日(土)超異分野学会 豊橋フォーラム2025を開催しました

【実施報告】2025年11月29日(土)超異分野学会 豊橋フォーラム2025を開催しました

リバネスは、株式会社サイエンス・クリエイト(豊橋市補助事業)、豊橋技術科学大学、東三河スタートアップ推進協議会と共同主催で、2025年11月29日(土)に超異分野学会豊橋フォーラム2025を開催いたしました。

大会テーマとして「イノベーション実る先端知識の集積地・豊橋」を掲げ、パートナー4組織、ポスター・ブースの発表75件での開催となりました。共同主催で参画した豊橋技術科学大学からは33名の研究者が参加しました。地元企業、豊橋市外から参加した事業会社、ベンチャー企業、アカデミアの研究者等、あわせて211名が会場に集まり分野を超えた議論が交わされました。超異分野学会 豊橋フォーラム2025のプログラム詳細はこちらを御覧ください。

実施概要

日時 2025年11月29日(土)10:30~17:30
会場 豊橋サイエンスコア(愛知県豊橋市西幸町字浜池333-9)
共同主催 株式会社サイエンス・クリエイト(豊橋市補助事業)、株式会社リバネス、豊橋技術科学大学、東三河スタートアップ推進協議会
セッションパートナー 株式会社ツジデン、豊橋技術科学大学 次世代半導体・センサ科学研究所(IRES2)
イグニッションパートナー 豊橋技術科学大学、Floatmeal株式会社

企画詳細

<超異分野スプラッシュ>

超異分野学会 豊橋フォーラム2025の最初の企画として、ポスター・ブース発表に先立って、ポスター・ブースの発表者が自身の取り組みと情熱を80秒間で発表する企画、『超異分野スプラッシュ』では、29名が壇上に上がり、会場を盛り上げました。

▲超異分野スプラッシュの様子

<ポスター・ブース発表>

ポスター・ブースには過去最多となる77件の演題が集まりました。豊橋技術科学大学の研究者や地元企業だけでなく、市内外から小学生、高校生、研究者、ベンチャー企業、中小・中堅企業など分野・業種の垣根を超えて様々な方の発表が行われました。


▲ポスター・ブース発表の様子

<パネルセッション>

パネルセッションは2つの企画が実施されました。一つ目の企画として株式会社ツジデンがセッションパートナーとなり、豊橋技術科学大学の柴田隆行先生と共同開発を進めている検査チップの社会実装を議論する「ワンチップ迅速診断技術の社会実装を加速する 〜製品化のためのチーム作りと用途探索〜」が行われました。
二つ目の企画として、豊橋技術科学大学 次世代半導体・センサ科学研究所(IRES2)をセッションパートナーに迎え、IRES2で開発されている半導体センサが農業分野、インフラ点検分野でどのように活用できるかを議論する「「人に見えない」を見えるに変える半導体技術 〜可視化がもたらす健康、農業、インフラ点検の新しい価値〜」を行いました。


▲セッションの様子

<知識製造イグニッション>

イグニッションパートナーである、豊橋技術科学大学とFloatmeal株式会社から提示された3つのテーマについて、フォーラムの参加者との連携プロジェクト案を生み出す議論が行われ、合計で18件の提案がありました。なお、豊橋技術科学大学がイグニッションパートナーになったのは今回が初めてで、機械工学系准教授の高橋淳二先生と先端半導体・センサ科学研究所准教授の野田俊彦先生から1つずつテーマが出されました。
それぞれのテーマで3名ずつ選ばれたプレゼンターが、連携案をスライド1枚で具体化してピッチを行い、各テーマで1名ずつ受賞者が選ばれました。


▲ポスター&ブースコアタイムにおける、知識製造イグニッションブースでの議論の様子

<受賞>

参加者が「巻き込まれたい・応援したい」と思ったポスター発表者を選ぶオーディエンス賞のほか、知識製造イグニッションのパートナーから送られるパートナー賞、ポスター発表者に対しては、共同主催の株式会社サイエンス・クリエイトから送られるサイエンス・クリエイト賞及び株式会社リバネスから送られる超異分野学会 豊橋フォーラム2025賞の授与がありました。

◯知識製造イグニッション

【豊橋技術科学大学スマートシティ/スマートファクトリー賞】

受賞者: 株式会社ジオクリエイツ 本田 司 氏
受賞テーマ:デジタルツインの高精度位置情報と視線脳波のセンサーフュージョンによる空間高度化
選定理由:本田氏の技術ではセンサをつけている人の視線がわかり、その分析を通して本人の興味・関心がわかってきます。それを高精度な位置情報と合わせることによって、人の行動をより定量的に把握できるのではないかと考え、選定しました。

【豊橋技術科学大学スマートアグリ/マルチモーダルセンシング賞】

受賞者: DoFem
受賞テーマ:においから体調の見える化セルフケア・職場での活用
選定理由:これまでは、目の前にある現象を見える化するためにセンサー技術の向上を考えていました。DoFemさんから出てきたのは、その枠を超えた、人の気持ちなど心を見える化するという、想定していなかった提案でした。将来の研究において重要になってくるアイデアだと考え、選定しました。

【Floatmeal賞】

受賞者: マルトロ株式会社 寺澤 知彦 氏
受賞テーマ:種苗(仔稚魚)や浮遊幼生(アサリ)の餌としてWolfiaを利用
選定理由:世界的なタンパク質資源の不足が予想される未来において、光合成でつくるWolfia(ウキクサ)を養殖の飼料として使えれば、養殖の餌のコストを抑えて魚を持続的に生産できると考え、選定しました。豊橋で作ったウキクサを、アサリの餌として活用してもらいたいと考えています。

◯ポスター発表

【オーディエンス賞】

受賞者:一般社団法人ゆうなぎカンパニー 林 凪 氏
受賞テーマ:小学生起業が直面する現行制度の問題点と今後の改善策

参加者からの投票結果
第1位 一般社団法人ゆうなぎカンパニー 林 凪 氏
小学生起業が直面する現行制度の問題点と今後の改善策

第2位 信州大学 照月 大悟 氏
昆虫の嗅覚で命を探す ― 災害対応バイオセンシング技術とスタートアップ構想「Mos-Q」

第3位 NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル 石山 翔午 氏
河川ごみ回収装置の開発:都市河川での実証実験および全国展開に向けて

【サイエンス・クリエイト賞】

受賞者:信州大学 照月大悟 氏
受賞テーマ:昆虫の嗅覚で命を探す災害対応バイオセンシング技術とスタートアップ構想「Mos-Q」
選定理由:蚊は多くの人が嫌う生物ですが、それにもかかわらず照月氏は研究対象として着目し、嗅覚センサーを活用するという斬新なアイデアに至り、その成果を人命救助に活用していることを評価しました。

【超異分野学会 豊橋フォーラム2025賞】

受賞者:都城工業高等専門学校 高橋 利幸 氏
受賞テーマ:高専機構「微細藻類のツール化と応用開発研究ネットワーク」の研究事例~微細藻類の増殖刺激技術の開発~
選定理由:発表された都城工業高等専門学校の高橋先生と豊橋技術科学大学で藻類の研究をされている広瀬侑先生との新しい繋がりが生まれました。高専10校の知識を集結して進めている研究が、高専との繋がりが深い豊橋技術科学大学と融合して、新たな微細藻類の研究が広がっていくことを期待し、選定しました。

本フォーラムを通して、豊橋内外を超えて多くの連携が生まれました。今後も多数の研究連携を生み出し、豊橋から技術の社会実装、運営一同邁進して参ります。