リバネスグループ、地域中堅・中小企業とイギリス・EUをつなぐグローバルブリッジプログラムを開始〜第一弾は東海エリアの企業を誘致し、イギリスベンチャーとの連携を創出〜

株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役 グループCEO:丸 幸弘)は、「ボーダレスな知識の橋渡しによりグローバル化を加速する」というミッションのもと、企業やベンチャーの国外展開を支援する「Global Bridge Program(GBP)」を推進しています。
その一環として、新規事業開発やディープテックエコシステム構築に関心の高い日本企業、グローバル展開を志すベンチャー・研究者を対象に、「イギリスビジネス視察ツアー2025」を2025年10月29日-11月1日に開催しました。
※実施報告:https://gbp.lne.st/2274/
| <行程概要> 10月29日:ロンドンへの移動及び参加者の懇親会 10月30日:ロンドンのディープテックベンチャー(素材系・エネルギー系)と支援機関への訪問 10月31日:ケンブリッジ大学および周辺スタートアップ企業の訪問 11月1日:TECH PLANTER World in UK 2025の見学※次回は、2026年4月下旬を予定しています。ご興味ある方は以下までご連絡ください。 <電話:03-5227-4198 メール:[email protected] 担当:リバネス 前川・櫻井> |
シリコンバレーを凌ぐディープテック拠点・ケンブリッジやロンドンへの訪問、世界からディープテックベンチャーが集まるTECH PLANTER World in UK 2025への参加を通じて、欧州随一といわれるイギリスエコシステムの成立ちや技術開発・投資方針、欧州からみた日本の位置付けなどを学び、欧州と日本企業の接続点について現地の方々とディスカッションしました。
特に今回は、東海エリアの中堅企業である長谷虎紡績株式会社(岐阜県/繊維・紡績)と株式会社山田商会ホールディング(愛知県/建設・エンジニアリング)が参加し、日本地域の強みである製造業やエンジニアリングを軸に、日本特異的な欧州進出の方法について仮説検証を行いました。


現地でのディスカッション・プレゼンの様子(左:山田商会HD 山田豊久社長、右:長谷虎紡績 長谷享治社長)
中堅・中小企業を柱とした日本特有のエコシステムの可能性
現地の政府機関や大学アクセラレーター、VC等から得られた1次情報によると、科学技術の発掘育成から社会実装に至るまでのしくみは、日本とイギリスで多くの類似点がみられました。しかし、イギリスの製造業は、1970年代以降のサービス業への構造転換やBrexitの貿易障壁も相まって、航空宇宙等のハイエンドな製造業を残し、衰退の一途を辿りました。かつて地域を支えてきたものづくり企業は弱体化し、地域の雇用や経済が揺らぎ始めています。科学技術エコシステムにおいても、スタートアップやトップ大学、大企業がメインのプレイヤーとなっており、製造業をはじめとする中堅・中小企業の意義や役割が明文化されていません。
日本でも、地域製造業の衰退が懸念される一方で、地域大学を中心とするディープテックエコシステムでは、中堅・中小企業が長年蓄積したアセット・ノウハウ、地域サプライチェーンの理解、決定力、スピード感といった要因から、ベンチャー連携においてその存在感・重要性が急激に高まっています。
長谷虎紡績と山田商会HDは、100年以上にわたり、家業によって日本地域を支えてきましたが、この数年の間に、ディープテックベンチャーとの共創による新規事業開発にも積極的に取り組んでいます。
このように新たな取組みに挑戦する姿勢やマインドをもつ中堅企業が増えることで、中堅企業を軸とした日本と欧州の接続が可能となり、世界から見ても日本の強みを活かした特有のエコシステム形成につながることがわかりました。
日本の中堅企業とイギリスベンチャーの親和性
11月1日に開催したTECH PLANTER World in UK 2025では、日本、イギリス、アイルランド、マルタ、シンガポール、タイ、インド、マレーシア、フィリピン、オーストラリアの計10カ国から23件のエントリーを受け、日本を含む4カ国・9社がファイナリストとして登壇しました。
※TECH PLANTER World in UK2025リリース:https://lne.st/2025/11/06/tpw2025/
長谷虎紡績、山田商会HDは、ファイナリストであるイギリス発ベンチャー「Evove Ltd.(長谷虎紡績賞)」及び「Sention Technologies Ltd.(山田商会賞)」にそれぞれ賞を授与しました。
イギリスのベンチャーエコシステムでは、長期的な視点をもって地球貢献を実現するテクノロジーを開発し、一過的ではない、持続的な価値の創出を目指すベンチャーが多く存在しています。100年以上にわたり日本の地域で業を営み続け、地域や社会との共存共栄を目指してきた山田商会HDや長谷虎紡績のような日本地域企業にとって、イギリスエコシステムとの親和性・共感性が非常に高く、今後、日本-欧州接続のハブとして重要な役割を果たす可能性が見えてきました。
<長谷虎紡績賞>

チーム名:Evove Ltd.
発表者:Andrew Walker
テーマ:Separonics – 3D Printed Industrial Water Filtration
概要:3D-printed membranes with superior precision and reduced environmental impact.
Evoveは、ウィドネスを拠点とする精密膜技術のベンチャーで、先進材料と3Dプリンティング技術を活用し、従来の膜ろ過システムの限界を超える「均一な孔構造」「高フラックス/選択性」を実現する製品(Enhance/Separonics®)を開発しています。 主な用途領域には、リチウム抽出、グリーン水素、淡水化、食品・飲料、廃水処理などがあり、ろ過に伴うエネルギー・コスト・環境負荷の大幅な削減を目指しています。
長谷虎紡績は、1887年創業の老舗紡績・繊維メーカーです。衣料用から産業資材用の高機能繊維(例:耐熱・難燃・高弾性糸)を自社で紡績し、さらにカーペットや車両・航空機内装用インテリア製品も手掛けています。繊維に限らず、「素材で世界を変える」ことをミッションに掲げ、これまで培ってきた技術や知識を核に異分野連携を強化し、様々なベンチャー・研究者との共同事業を推進しています。今回、紡績で培った材料工学・製造プロセスのノウハウを活かして、膜技術の研究開発及び日本進出支援の可能性を検証すべく、Evoveに賞を授与しました。
<山田商会賞>

チーム名:Sention Technologies Ltd.
発表者:Dan Brett
技術元:University of London
テーマ:Non-invasive Acoustic Battery Diagnostics
概要:AI + ultrasound for non-invasive battery health monitoring in EVs and storage systems.
Sention Technologiesは、ロンドン発のスタートアップで、リチウムイオン電池など電気化学セルの状態を非破壊・非接触で可視化する音響イメージング技術を開発しています。AI解析により劣化や安全リスクを予測し、電池の品質・寿命・安全性向上を実現します。2025年に約370万ポンドを調達し、EVやエネルギー貯蔵分野で注目を集める先進的なベンチャーです。
山田商会は、1906年の創業以来、ガスや水道・電気工事を基盤として人々の生活インフラを支え続けてきました。将来の生活インフラや地球環境に多大な影響を与える重要課題として、持続可能なエネルギー生産・利用に取り組んでおり、国内外のディープテックベンチャーや企業、研究者等と共創しています。今回、山田商会HDとして初めて、エネルギー分野におけるイギリスベンチャーとの協業の可能性を検証すべく、Sention Technologiesに賞を授与しました。
副賞として、Sention TechnologiesとEvoveの2社ともに、2026年3月6日(金)-7日(土)に東京新宿区で開催する超異分野学会 東京2026(主催:リバネス)に招聘し、日本企業や研究者・ベンチャーとのさらなる連携を図る予定です。
今後、リバネスグループは、山田商会HD、長谷虎紡績とともに、イギリスを始めとする欧州ベンチャーの日本進出支援や共同事業の可能性を広げていきます。
| なお、海外展開を検討・推進する企業、自治体の方々を対象に、「Global Bridge Conference 2025【GBC2025】」を、2025年12月12日(金)に開催します。
今回、イギリスツアーに参加した山田商会ホールディング 代表取締役社長 山田豊久氏もセッションに登壇します。ご興味ある方はぜひご参加ください。 <開催概要> |
<本件問い合わせ先>
株式会社リバネス 担当:松原
電話:03-5227-4198 メール:[email protected]
