マレーシアにおける新日馬産業協力セミナーにて、リバネスグループCEO丸幸弘がAI/半導体セッションのモデレーターを務めました

2026年3月31日、マレーシア・クアラルンプールにて開催された「新日馬産業協力セミナー(New Japan-Malaysia Industrial Cooperation Seminar)」において、株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役グループCEO:丸幸弘)は、AI/半導体セッションのモデレーションを担当しました。
本セミナーは、在マレーシア日本国大使館をはじめとする関係機関により開催され、日本とマレーシアの産業連携をより一層強化することを目的としています。具体的には、日本政府が掲げる成長戦略の中で、経済安全保障および将来の産業競争力の観点から重要とされる「17の重点分野」を背景に企画されたものであり、半導体やグリーントランスフォーメーション(GX)、AIといった戦略領域における日馬連携の具体化を目指す場として位置付けられております。
丸がモデレーターを務めたAI/半導体セッションでは、基調講演にSakana AI共同創業者の伊藤錬氏とマレーシア半導体産業協会(MSIA)会長のDato’ Seri Wong Siew Hai氏を迎え、その後行われたパネルディスカッションには基調講演を務めた両名の他にマッキンゼー・アンド・カンパニー パートナーの土谷大氏、AI Malaysia(AIM)プレジデントのGoh Peng Ooi氏が登壇しました。
パネルセッションの様子
左から:丸幸弘(株式会社リバネス 代表取締役グループCEO)、伊藤錬氏(Sakana AI共同創業者)、土谷大氏(マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー)、Goh Peng Ooi氏(AI Malaysia プレジデント)、Dato’ Seri Wong Siew Hai氏(マレーシア半導体産業協会 会長
AIは「汎用」から「産業特化」へ ― 農業分野への展開
セッションでは、AIの進化の方向性について、従来の大規模基盤モデルの性能向上に依存するアプローチから、各産業の「暗黙知」の統合が一層重要になっている点が強調されました。多くの企業においてAI導入の実証実験が成果に結びつかない背景には、こうした現場知識との接続不足があるとの指摘もなされました。
特に農業分野では、AIによる時系列データ解析やパターン認識を活用し、気象、土壌、生育環境といった複雑な要素の関係性を解明する取り組みが紹介されました。単なる一般的な天候予測にとどまらず、特定の農地に最適化された気象変動の予測や、環境条件と作物品質の相関分析を通じて、収穫量や品質の向上に寄与する可能性が示されました。
このように、AIはデジタル領域を超えて「物理世界の理解と意思決定」を支える基盤技術へと進化しており、ASEAN地域においては一次産業との融合が重要なテーマとなっています。
半導体産業における日馬連携の可能性
半導体分野では、グローバルな供給網の再構築が進む中、日本とマレーシアの補完的な関係性が議論されました。日本は材料・装置・精密技術において高い競争力を有する一方、マレーシアは後工程(アセンブリ・テスト)を中心とした生産基盤を強みとしており、両国の連携による価値創出の余地は大きいとされています。
また、AIの発展に伴う半導体需要の急増は、単なる生産能力の拡大にとどまらず、設計・材料・製造プロセス全体の高度化を求めるものであり、産業横断的な協力が不可欠であるとの認識が共有されました。
AI時代のエネルギー課題と核融合への期待
さらに、パネルではAIの普及と密接に関係する「エネルギー」の問題についても議論が及びました。AIの高度化に伴い、計算資源の需要が増大する一方で、エネルギー効率の改善だけでは消費量の増加を相殺できない可能性が指摘され、今後の産業発展においてエネルギー供給のあり方が重要な論点となっています。
こうした背景のもと、将来のエネルギー源として核融合をはじめとする次世代技術への期待も示されました。核融合は長期的な技術開発を要する分野であるものの、安定的かつ持続可能なエネルギー供給を実現する可能性を持つ技術として、今後の産業基盤を支える重要な選択肢の一つと位置づけられています。
リバネスはこれまで、科学技術を起点とした事業創出と国際連携を推進してきました。今後もアジアを中心としたグローバルネットワークを活かし、ディープテック領域における国境を超えた共創を通じて、新たな産業と価値の創出に取り組んでまいります。

