次世代と共に生物多様性評価に挑戦する「TASUKI -襷- Project」第二期を開始 ~調査フィールドを水域・陸域に拡大~

次世代と共に生物多様性評価に挑戦する「TASUKI -襷- Project」第二期を開始 ~調査フィールドを水域・陸域に拡大~

株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役社長COO:髙橋 修一郎、以下「リバネス」)は、パートナーの旭有機材株式会社(本社:東京都台東区、延岡本社:宮崎県延岡市、代表取締役社長執行役員:中野賀津也)、株式会社フォーカスシステムズ(本社:東京都品川区、代表取締役社⻑:森 啓⼀)、テクノロジーパートナーのハイラブル株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:水本 武志)、株式会社フィッシュパス(本社:福井県坂井市、代表取締役社長:西村 成弘)、福井県立大学 地域連携センター(本拠地:福井県吉田郡、本部長:北島 啓嗣 )、龍谷大学 生物多様性科学研究センター(本拠地:滋賀県大津市、センター長:山中 裕樹)と共に、2026年5月9日より次世代とともに生物多様性評価に挑戦するTASUKI -襷- Projectの二期を開始しました。

【プロジェクト発足の背景】

世界自然保護基金(WWF)によれば、過去50年間で世界の生物多様性の69%が失われており(1)、その経済的損失は44兆ドルにも達すると試算されています(2)。これを受けて、2030年までに国土の30%以上を自然環境エリアとして保全する世界的な目標(30by30:サーティ・バイ・サーティ)(3)が定められました。日本国内においても「生物多様性国家戦略2023-2030」が閣議決定され、2030年までに海と陸の30%の保全を目指す取り組みが開始しています。
このような社会背景のなかで、ネイチャーポジティブ(
4)の実現に資する具体的かつ実践的なアクションプランが求められていますが、生物多様性を管理・測定する手法は標準化されておらず、特に実環境での検証事例はまだ少ないのが現状です。また、このような取り組みが一過的なものに終わらず、2030年以降も続く長期的な目標達成に向けて取り組みを継続していくためには、次世代人材の育成が重要であると考えます。

そこで本プロジェクトでは、次世代が先端的な技術に触れながら、生物多様性評価に挑戦します。また、調査・研究活動を通して、多様な生き物たちが生息する地球環境の現状と人間社会とのつながりを探求することで、自然の豊かさに気づき、行動することのできる人材を育成します。
2024年5月-2026年3月に第一期として行われた活動では、東京都の多摩川流域、滋賀県の琵琶湖周囲の学校が各県2校、合計4校採択され、調査が進められました。また、その結果は地元の内水面漁業協同組合や国内外の同世代の中高生に報告されました。さらに2025年12月には、環境省が推進する、ネイチャーポジティブ経営推進プラットフォーム内のNPEソリューション・パートナーズ(ネイチャーポジティブ技術を有する企業等)としての認定を受けています。
第二期からは、活動フィールドを水域・陸域に拡大し、計6校で取り組みをさらに広げてまいります。水域部門では、関東エリアと延岡エリアの2箇所で計4校が環境DNA分析を用いた河川の生物多様性評価を行います。また、陸域部門では、関東エリアで2校が音分析評価を用いた森林の生物多様性評価を行います。

【プロジェクトの狙い】

参画校の生徒らは、普段はなかなか触れることのない環境DNA技術(5)や音分析技術(6)を研究活動に取り入れながら、採取サンプルからの網羅的な生物種解析を行います。また、得られた調査結果をもとに、データの解釈や科学的な考察を行い、「まだ誰も知らない発見」に自らたどり着くプロセスを経験します。これらの調査・研究活動を通して、多様な生き物たちが生息する地球環境の現状と人間社会とのつながりを探求することで、自然の豊かさに気づき、行動することのできる次世代を育むことを目指します。

【TASUKI -襷- Projectの概要】

プロジェクト名称 TASUKI -襷- Project
コンセプト 地球と生きる、豊かさをつなぐ
研究期間 2026年5月〜2027年12月
主催 株式会社リバネス
パートナー 旭有機材株式会社、株式会社フォーカスシステムズ
テクノロジーパートナー ハイラブル株式会社、株式会社フィッシュパス、福井県立大学 地域連携センター、龍谷大学 生物多様性科学研究センター
後援 延岡市・延岡市教育委員会
プロジェクト参画校 浦和実業学園高等学校
延岡市立北川中学校
東京都立立川高等学校
茨城県立土浦第一高等学校
宮崎県立延岡高等学校
早稲田大学本庄高等学院
中間成果発表 サイエンスキャッスルワールド2026
2026年12月12日(土)(予定)

※WEBサイト:TASUKI -襷- Project

 

この度、本プロジェクトに参画する学校教育機関6校が決定し、2026年5月9日(土)に第二期キックオフイベントを実施しました。

期キックオフ 全体集合写真 延岡任命式 全体集合写真
旭有機材株式会社 挨拶の様子 フォーカスシステムズ株式会社 挨拶の様子
延岡市教育委員会  挨拶の様子 ハイラブル株式会社 講演の様子
株式会社フィッシュパス 講演の様子 参画校のピッチの様子
交流会の様子 延岡ワークショップの様子

【構成機関からのコメント】

主催
株式会社リバネス
生物多様性の維持向上といった地球規模の課題に対し、一社単独の取り組みで解決に至ることは困難です。リバネスは企業、ベンチャー、大学等が連合体となり、チームとなって課題解決に取り組む仕組みが重要と考えます。また、豊かな地球を未来へと継承していくためには、次世代を仲間に巻き込むことも不可欠でしょう。本プロジェクトを通して次世代のみなさんと共に大学発のテクノロジーを社会に実装させるまでのプロセスを検証し、「科学技術の発展と地球貢献を実現する」ための仕組みづくりを進めてまいります。
パートナー
旭有機材株式会社
襷プロジェクトは、延岡の自然を教室に変える取り組みです。当社は産官学連携のハブとして、学校・自治体・大学の皆さまと力を合わせ、学びと地域の好循環をつくってまいります。今日の学びが、未来の延岡を担う人材を育てると信じています。
株式会社フォーカスシステムズ
深刻な社会課題解決に向け、ITを何と組み合わせるかのアイデアが重要だと私たちは考えます 。第二期ではフィールドを水域から陸域へ拡大し、音分析等の新技術を融合させます 。領域の拡張により多角的な評価が可能となり、自然環境の可視化という価値創出に繋がると確信しています 。次世代の自由な発想と企業の技術が一つになり、新たな発見が地球の未来を守る力となることを期待しています 。
テクノロジーパートナー
ハイラブル株式会社
当社はカエルの合唱研究をルーツとして、コア技術の音環境分析を活用した人の会話と生物の音声の分析事業を行っています。フォーカスシステムズ様、リバネス様とは動物と話すことを目指すプロジェクト・ドリトルを進めてまいりました。当社が開発したKoeTurriを本プロジェクトで活かせることを楽しみにしています。水圏と陸域をまたぐカエルのように、中高生の皆さんと多様な生物をより深く知る取り組みを行っていきます。
株式会社フィッシュパス
私たちフィッシュパスは、川がつなぐ人と地域の未来のために、全国の漁協と連携して遊魚券のデジタル化を進めています。漁協との新たな挑戦として、環境DNAを用いて川に生息する魚類相を明らかにし、漁協の水産資源保護や生物多様性保全のサービスを提供します。このプロジェクトを通じて、皆さんが水辺の未来を支える一翼を担うチームになることを期待しています。
福井県立大学 地域連携センター
私たちの提供する環境DNA分析センターは、河川や湖沼に生息する多様な生物種の特定と分析を可能にし、これまで未知だった生態系のデータを明らかにします。この技術を活用することで、実際の科学研究プロセスを経験し、生物多様性の重要性についての深い理解を得ることができます。さらに、我々の市場分析とアドバイスが、このプロジェクトの成果を社会に広く展開し、具体的な環境保全策へと繋がることを期待しています。
龍谷大学 生物多様性科学研究センター
本学が長年開発と社会実装に取り組んできた環境DNA分析の技術が、中高生の皆さんのワクワクに貢献できることを大変楽しみにしています。水に入って生き物を直接観察するのはとても興奮することですが、DNA分析の技術を駆使して「触らずに情報を得る」というアプローチでもまた違った知的好奇心が湧いてくると思います。一緒に水中を科学捜査しましょう!
後援
延岡市・延岡市教育委員会
「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」の豊かな山々や清流に囲まれた延岡市立北川中学校では、「100年先まで残したい豊かな北川の自然」と位置づけ、ESDに係る体験的な学習に取り組んでいます。これらの学習に本プロジェクトの化学的調査やデータの考察の体験が加わることにより生徒一人一人の眼が更に輝きを増すことを期待しています。周りの仲間を巻き込み、延岡の豊かな自然を未来に継承していく延岡市民になってください。

【プロジェクト参画校からのコメント】

浦和実業学園高等学校
本校では、歩行虫の調査をしています。歩行虫の種数や個体数は、土壌動物と関連があるのではないかと考えています。土壌動物の調査法を学ぶことで、これまでの研究を発展させたいです。また部員の中には、鳥類が好きな生徒もおり、本プロジェクトに前向きです。今回学んだことを活かして新しい研究グループを立ち上げたいです。活動は、指定された地点以外に静岡県、群馬県、山梨県、埼玉県で実施したいと考えています。
延岡市立北川中学校
私たちの故郷である北川は、豊かな自然と清流に恵まれています。本プロジェクトでは、ユネスコスクールの一員として持続可能な社会の実現を目指し、最先端の環境DNA技術を用いた調査にチャレンジします。自然の価値を再発見し、守る活動は、ウェルビーイングにも繋がると確信しています。地域の宝である水圏の生態系を深く理解し、未来へつなぐための具体的なアクションを、企業の皆様や高校生と共に主体的に考えていきたいです。
東京都立立川高等学校
昨年の研究に引き続き、採集調査と環境DNA調査を行うことで関東地方のヨシノボリ属の分布を明らかにする。また、新たにカワヨシノボリとクロダハゼ・トウヨシノボリの種間競争について、生息適地と食性の重複や攻撃行動の有無などの観点から検証する。さらに、研究で得られたヨシノボリ属の知見を保全活動に活かし、実行していきたい。そして、これらの活動を後輩へ「襷」として繋げていく。
茨城県立土浦第一高等学校
私たち土浦一高生物部は、土浦市に面している全国2位の面積を誇る霞ケ浦で調査を行います。霞ケ浦は昭和30年代、湖水浴場があるほど水が綺麗でしたが、海水と淡水の混じる湖だったため、塩害が発生。解決のため水をせき止めて淡水化すると、水質はアオコが発生するほど悪くなりました。
昔、水が綺麗で泳げた時代と現在の水質やすむ魚の比較、ヨシなど水生植物と水質の関係、現在の水質環境を改善する解決策を調査していきたいです。
宮崎県立延岡高等学校
延岡高校は令和2年度よりSSH校に、令和7年度よりユネスコスクールに指定されており、これまで地域に根差した探究活動を行ってきました。私たちの故郷、延岡の豊かな水辺を舞台に、最先端の環境DNA技術を用いた本プロジェクトに挑戦できることを光栄に思います。本プロジェクトを通じ、科学的な視点から地域の生態系を深く理解するだけでなく、自然保護の在り方を企業や専門家の方々とともに探究していければと考えています。
早稲田大学本庄高等学院
私たちは本校の敷地内にある「大久保山」を保全していくために、生徒主体で調査・研究・広報活動を行っています。今年度から、山中に整備したビオトープを中心に、大久保山の生態系の変化や生物同士のつながりを継続的に調査していきます。本プロジェクトで生態調査の手法や研究の進め方を学ぶとともに、ご指導してくださるスタッフや他校のみなさんとの交流や共同研究を通して視野を広げ、その成果を大久保山の継続的な調査・保全活動へつなげたいと考えています。

活動の様子は随時ウェブサイトで公開して参ります。
TASUKIプロジェクト ウェブサイト

 

【出典・用語解説】

*1)世界自然保護基金(WWF):Living Planet Report:生きている地球レポート2020
*2)世界経済フォーラム(WEF):The Future of Nature and Business(2020)
*3)2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標
*4)自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること
*5)環境DNA技術
⽣物を捕獲することなく、⽔や⼟などの環境媒体に含まれている DNA(環境 DNA)の情報を基に、そこに⽣息する種の分布や多様性、量を推定する分析⼿法。
*6)音分析技術
KoeTurriは防水マイクアレイで鳥・カエル・虫等の声を24時間連続でクラウドに送信し、AIと信号処理技術で生物の種類と聞こえた方向を自動で記録する技術で、モニタリングやサイネージに使われています。

 

【本件に対するお問い合わせ先】

株式会社リバネス
知識創業研究センター
担当:中嶋 香織、橋本 光平
TEL:03-5227-4198 MAIL:[email protected]

旭有機材株式会社
総務部
担当:伊東 洋之
TEL:0982-35-0880 MAIL:[email protected]

株式会社フォーカスシステムズ
テックイノベーション本部
TEL:03-5420-2470 MAIL:[email protected]
IR・広報室
TEL:03-5421-7790 MAIL:[email protected]

ハイラブル株式会社
担当:水本 武志
お問い合わせフォーム:https://www.hylable.com/contact
TEL:050-1753-6878 MAIL:[email protected]

株式会社フィッシュパス
担当:藤田 宗也、中谷 優基
TEL:0776-67-7335 MAIL: [email protected]