大学院は仕事一緒。9時5時で終わらす!
もともと、私がいた大学は、大学では高校からストレートで大学院へ入ってきた人が
もちろん多数ではあったけれど、キャリアアップとして大学院が位置するアメリカにふさわしく
一度社会に出た後に、大学へ戻ってきているひとがたくさんいた。
キャンパスを歩いていると、白髪のご老人や、スーツを着た人など、本当に様々な人が集まっていたのを覚えている。
そんな中、私のラボには2人、家族を持っている女性の大学院生がいた。
2人とも、一度社会に出たあとに、家族を持ち、キャリアアップのために博士、もしくは修士に向けて勉強中だった。
その中でも博士号を目指していた方は、シングルマザー。
実は彼女は最初は研究助手として、研究室で働いていた。
その後、ボスに博士に挑戦してみないかと誘われて、決意したそうだ。
「子供の教育費はこの先どんどん上がっていくし、博士を取るなら今だと思ったの」そう教えてくれた。
アメリカの大学では、いろいろな人生のフェーズにいる人が学びやすいように設備が整っている。
学内には保育園があり、大学や大学院の学生の子供は、優先的に受け入れてくれる。その次は、職員の子供。
彼女は学内の保育園に子供を預けて朝早く研究室へ。そして17時にはきっかり、研究室を後にしていた。
「研究は仕事と同じ。私は子供がいるからもあるけど、9時―5時の間は集中して研究。その後は、子供との時間を楽しむわ」
彼女が、良くそう言っていたのが今でも印象に残っている。
時間を区切れば、その分の密度は高まるし、集中して仕事ができる。
彼女はお昼はいつもお弁当を持ってきて、さっと食べる。その後、研究に取り掛かる。
博士課程を終えるまでの時間の期限がそこまで限られていなかったこともあり、
彼女は彼女のペースで、順調に過程を終了し卒業していった。
「24時間研究にどっぷり浸かってました」という大学院生活も、アリだと思う。
でも、人生そんなにシンプルではないことの方が多いのでは?
筆者自身も、仕事と子育ての両立を大いに四苦八苦している(失笑)
そんなある朝、彼女のことを思い出した。