「知識の核(コア)融合反応」をキーワードに、超異分野の研究交流が実現しました
News Release 2016年3月15日
株式会社リバネス(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:丸幸弘)は、2016年3月12日(土)13日(日)にて、第5回超異分野学会を実施いたしました。超異分野学会のミッションは、分野の垣根を越えた研究者同士の、また、研究者と産業界との結びつきを促進させることにあります。学術的価値の高い研究と、研究成果を基盤とした事業化の2つの軸で社会にインパクトを与え、イノベーションを創出する「場」としての発展を目指します。
大会2日目となる3月13日は、若手研究者を中心とした口頭発表セッションからスタートし、異なる研究分野、立場、世代を超えた研究交流が実現しました。
2日間に渡って開催されました本大会はのべ300名を超える皆様にご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました。
開催日 | 2016年3月12日(土)13:00-17:30(17:30より懇親会) 2016年3月13日(日)10:00-18:30 |
場所 | 日本橋ライフサイエンスハブ(コレド室町3) 8階 東京都中央区日本橋室町1丁目5-5 室町ちばぎん三井ビルディング |
アクセス | 地下鉄三越前駅 A4出口からすぐ |
若手研究者による口頭発表
リバネス研究費の採択者を中心とした若手研究者による7演題の口頭発表が行われました。会場からも積極的に質問が飛び出し、時間内で収まらないディスカッションはポスターセッションに持ち越されました。
発表者一覧
片山 翔太 | CRISPR/Cas9を活用した人工転写デバイスの創出 | |
北海道大学 遺伝子病制御研究所 | ||
北島 竜之介 | 霊長類のDevelopmental Biology ~発生生物学から発育生物学へ~ | |
京都大学 霊長類研究所 | ||
小南 友里 | 解凍方法の最適化に向けたタンパク質分解の解析 | |
東京大学大学院 農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 水産化学研究室 | ||
星野 由美 | 温度イメージングによる卵子のクオリティー評価への挑戦 | |
広島大学大学院 生物圏科学研究科 | ||
田中 龍一郎 | マイクロバイオファブリケーション技術による3次元状生体組織の作製 | |
早稲田大学理工学術院 総合機械工学科 | ||
田中 宗 | 次世代量子情報処理技術「量子アニーリング」の現状と展望 | |
早稲田大学 高等研究所 | ||
荒木 淳 | 新しい同種複合組織移植の開発と国際共同研究 | |
東京大学医学部 形成外科 |
超異分野ワークショップ1
〜新たな方法論でひも解く細胞、組織の世界〜
イメージングで得たデータから細胞の特性や細胞間のネットワークを読み解く手法が次々と生まれてきています。今回のワークショップでは、組織や個体の一細胞レベルでの網羅的な解析、細胞集合体における個々の細胞の違いの解析、多細胞体の動きのシミュレーション、画像処理による細胞の品質管理といった多様なテーマから、新たに確立し始めている細胞を捉える方法によって、どのような生体情報が得られるのか、さらにはどのような応用があるのかについて議論しました。
ゲスト登壇者
加藤竜司 准教授 名古屋大学 大学院創薬科学研究科 基盤創薬学専攻 |
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近藤洋平 特定助教 京都大学 大学院情報学研究科 システム科学専攻 研究室Webサイト |
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洲崎悦生 助教 東京大学 大学院 医学系研究科 機能生物学専攻 研究室Webサイト |
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渡邉朋信 グループリーダー 理化学研究所 生命システム研究センター 先端バイオイメージング研究チーム バイオリサーチグループ 研究チームWebサイト |
超異分野ワークショップ 2
〜植物の声を聞く農業は実現するのか?〜
農業へのICTの導入で、植物の栽培環境データを取得するための方法について様々な取組みがなされていますが、植物本体の状態を知ることはまだ未踏の領域です。植物が体内で作っている分子、外部環境に放出している分子の検出、作物の形質とゲノム情報の関係の解析など、植物を中心にした最新の研究から、植物の声を聞く農業の可能性について考え、こうした研究とICTとのコラボレーションで農業の効率化がはかれるのか議論しました。
ゲスト登壇者
市橋泰範 特別研究員 理化学研究所 環境資源科学研究センター 植物免疫研究グループ 研究グループWebサイト |
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小野木章雄 特任研究員 JSTさきがけ 東京大学大学院農学生命科学研究科 生産・環境生物学専攻 研究室Webサイト |
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野田口理孝 特任助教 名古屋大学 大学院理学研究科 生命理学専攻 研究室Webサイト |
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湯本正樹 研究員 理化学研究所 光量子工学研究領域 光量子技術基盤開発グループ 研究グループWebサイト |
学会特別賞ショートプレゼンテーション大会
学会あるいは留学先のインタビューなど、知見やキャリアを広げるためのきっかけ作りにトラベルバジェット獲得の機会として設置された「超異分野学会特別賞」の選出が当日会場内で行われました。研究者の皆様には5 分間で研究への思いと、なぜそこに行きたいのかについて語っていただき、審査員の評価の高かった4名の皆様にトラベルバジェットが授与されました。
採択者一覧
「世界初のミューオン線型加速器の開発」 高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 大谷 将士さん |
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「異文化により良く対処する人は物事の関連性を重視するか?:包括的認知に関する異文化間心理学と文化心理学の統合的研究」 京都大学 大学院 人間・環境学研究科 中尾 元さん |
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「温度イメージングによる卵子のクオリティー評価への挑戦」 広島大学大学院 生物圏科学研究科 星野 由美さん |
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「遊びながら科学を学べるコマ教材の開発とコマ実験教室の実施」 東京工業大学大学院 総合理工学研究科 山崎 詩郎さん |
ポスターセッション
専門の異なる研究者、ベンチャー、企業人など異分野の人々が意見を交え、異なる視点を持ち寄って活発なディスカッションが行われました。高校生研究者による発表も行われ、合わせて39件の研究発表テーマをきっかけに分野・業種・世代を超えた交流が実現しました。
発表演題一覧
氏名 | 演題タイトル | 発表形式 |
所属 | ||
片山 翔太 | CRISPR/Cas9を活用した人工転写デバイスの創出 | |
北海道大学 遺伝子病制御研究所 | ||
北島 竜之介 | 霊長類のDevelopmental Biology ~発生生物学から発育生物学へ~ | |
京都大学 霊長類研究所 | ||
小南 友里 | 解凍方法の最適化に向けたタンパク質分解の解析 | |
東京大学大学院 農学生命科学研究科 水圏生物科学専攻 水産化学研究室 | ||
星野 由美 | 温度イメージングによる卵子のクオリティー評価への挑戦 | |
広島大学大学院 生物圏科学研究科 | ||
田中 龍一郎 | マイクロバイオファブリケーション技術による3次元状生体組織の作製 | |
早稲田大学理工学術院 総合機械工学科 | ||
野田口 理孝 | 接ぎ木デバイスの開発 | |
名古屋大学大学院 JSTさきがけ 理学研究科 |
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田中 宗 | 次世代量子情報処理技術「量子アニーリング」の現状と展望 | |
早稲田大学 高等研究所 | ||
荒木 淳 | 新しい同種複合組織移植の開発と国際共同研究 | |
東京大学医学部 形成外科 | ||
仲木 竜 | ゲノム・エピゲノム解析に基づく肌異常リスク因子の予測 | |
株式会社レリクサ 代表取締役 | ||
大島 光宏 | FLT1を標的とした新規歯周炎治療 | |
奥羽大学 薬学部 | ||
加治佐 平 | 涙糖センサの開発に向けたグルコース特異的認識ゲルゲート電界効果トランジスタの速度論的解析 | |
株式会社PROVIGATE | ||
安達 亜希 | 細胞のひもで実現するバイオ機能繊維産業 | |
株式会社セルファイバ 代表取締役 | ||
加藤 竜司 | 細胞形態情報解析を用いた細胞製品製造における品質管理 | |
名古屋大学大学院 創薬科学研究科 | ||
近藤 洋平 | 動く組織がもつ力学特性の非侵襲測定 | |
京都大学大学院 情報学研究科 | ||
五十嵐 敬幸 | 新規トランスジェニックレポーターラットの開発 | |
東北大学 医学系研究科 神経細胞制御学分野 | ||
洲崎 悦生 | 全身全細胞の網羅的解析技術の発展 | |
東京大学大学院 JSTさきがけ 医学系研究科 |
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山本 一樹 | ソーシャル創薬.moe | |
東京大学 アイソトープ総合センター | ||
渡邉 朋信 | ES細胞(胚性幹細胞)の初期分化過程における細胞間コミュニケーションの定量計測 | |
理化学研究所 JSTさきがけ 先端バイオイメージング研究チーム |
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弘津 辰徳 | タンパク質・核酸医薬キャリアおよび医薬品原薬としてのシクロデキストリンの有効利用 | |
熊本大学 生命科学研究部 製剤設計学分野 | ||
鷲見 拓也 | 液体のマイクロ波加熱の支配因子に関する基礎的研究 | |
上智大学大学院 理工学研究科理工学専攻応用化学領域博士後期課程 | ||
金田 桂一 | 偏光イメージングのための多角的撮像システムの開発と応用研究 | |
公立大学法人首都大学東京産業技術大学院大学 産業技術研究科 創造技術専攻 | ||
寺嶋 瑞仁 | 汎用クローラユニットの活用 | |
長岡技術科学大学 機械創造工学過程 | ||
羽生 雄毅 | 人工培養食肉”Shojinmeat” : 細胞培養による食糧生産へ | |
インテグリカルチャー株式会社 代表 | ||
小野木 章雄 | 温故知新の農業データサイエンス~過去のデータを未来の農業に役立てる | |
東京大学大学院 JSTさきがけ 農学生命科学研究科 |
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山崎 雄太 | ディープラーニングを用いた健康データの解析 | |
株式会社レリクサ | ||
三浦 政司 | 実務家や非専門家の暗黙知を活用したエージェントベースモデリングのための対話プロセスの提案 | |
鳥取大学 工学研究科 | ||
大谷 将士 | 世界初のミューオン線型加速器の開発 | |
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 | ||
渡辺 秀典 | 大脳皮質運動野におけるベータ脳波の位相ロック | |
東北大学大学院 医学系研究科 生体システム生理学分野 | ||
芦原 聡介 | 効率のよい高機能暗号を実現する新たな数学的構造の模索 | |
産業総合研究所 | ||
中尾 元 | 異文化により良く対処する人は物事の関連性を重視するか?:包括的認知に関する異文化間心理学と文化心理学の統合的研究 | |
京都大学 大学院 人間・環境学研究科 | ||
山崎 詩郎 | 遊びながら科学を学べるコマ教材の開発とコマ実験教室の実施 | |
東京工業大学大学院 総合理工学研究科 | ||
山田 翔士 | 日本の先発品医薬品産業の将来展望 -産業政策と企業戦略の視点から- | |
慶應義塾大学大学院 商学研究科 | ||
田中 啓太 | 高IF誌での3DCG図画の使用率について | |
インテグリカルチャー株式会社/早稲田大学 先進理工学部 4年/SCIGRA | ||
遠山 絹華 | 好アルカリ性放線菌 Nocardiopsis sp. F96 由来新規キチナーゼの組換え酵素の性質検討および各ドメインの役割解明 | |
東京工業大学 環境エネルギー機構 |
高校生発表演題一覧
杉山 絵里香 | 地球を守る究極のエコ資材 | |
静岡県立富岳館高等学校 | ||
坂田 明穂 | 寄生虫「アニサキス」と海洋生物 | |
静岡市立清水桜が丘高等学校 | ||
鈴木 優斗 | ハイドロゲル・二価鉄イオンを利用したカプセル開発 | |
神奈川県立平塚農業高等学校 | ||
生物生産科 野菜研究室 | 宇宙毛豆の良食味化プロジェクト -栽培技術を継承・実践・分析する- | |
青森県立五所川原農林高校 | ||
片野 晃輔 | 融合タンパク質を用いた配列特異的DNAメチル化技術の研究 | |
リバネス科学部 |
超異分野シンポジウム
〜日本発のオープンイノベーションを考える〜
製薬企業による研究テーマ公募型の取組みなど、日本の大手メーカーが大学との共同研究を活発化し始めています。一方で、どのような企業とアカデミアのコラボレーションの形があっているのか、国内でのオープンイノベーションは試行錯誤の段階にあります。今回は企業関係者、科学技術に関連した知財に詳しい大学関係者、現役の研究者をパネラーに迎え、それぞれの立場からオープンイノベーションについての考えを述べていただき、これからのオープンイノベーションについて議論しました。
以上