共有する価値観に基づいた教育 西川良三

共有する価値観に基づいた教育 西川良三

少しの量であっても味を与え、腐敗を防ぐ「塩」、そして、ほんの少しでも暗闇を照らすことができる「光」のような人材であれ。「地の塩、世の光」をモットーに掲げる青山学院は、今から140年以上前、1人のキリスト教宣教師によって設立された。1950年に設置された高等部も、その原点であるキリスト教の精神に基づいた教育を特徴としている。

毎日行う礼拝で心を一つに

1年を通じて毎朝20分間、青山学院の生徒と教員1200人以上が一同に会する礼拝では、牧師や教員が前に立ち、聖書を読み上げ、それぞれのメッセージを語る。修学旅行や合宿など、たとえ生徒が外にいるときでも必ず行われるそうだ。この時間で、ひとつの価値観やメッセージをお互いに共有することで、学校生活における精神的な柱を作ることができる。「何のために学ぶのか、なぜその進路を選ぶのか、なぜ良いか悪いかなど、自分の行動を選択するときのひとつの判断基準になると思います」と西川先生。過半数がクリスチャンではない生徒たちだが、教科科目の知識や知見では触れることのない人間の生き方を考え、振り返る時間を日常に持つことで豊かな心を養って欲しいと思っている。

ひとりひとりを尊重する

生徒ひとりひとりの意思や希望を尊重することも同校の特徴だ。例えば、校則などの決まり事は、生徒会と教員が協議した上で定められている。「創立時は制服がありませんでした。実は、生徒会のほうから作って欲しいという要望が出され作られたのです」と西川先生。教科教育においても、選択の自由がある。高校3年生になると実に半分以上の科目が選択制になる。それも、理系文系で分かれているカリキュラムを選ぶのではなく、自分の興味関心に基づいて科目を選ぶ。個人を尊重する校風の中で、教員に求められることは生徒に寄り添う」関わり方だと西川先生は考えている。「一緒に感動し、喜べるような関係でいて欲しい。そんな関わり方を通して、生徒を育成してほしいと思っています」と語る。

人に寄り添いメンバーの強みを生かしていけるリーダーを育成

そんな青山学院がこれからの目標に掲げているのは「サーバントリーダー」の育成だ。それは、人を活かしつつ、むしろ目立たないところで、チームを支えながら引っ張ってリーダーだ。昨年、同校は、「多様性の受容を基盤としたサーバントリーダーの育成」を目的に文科省のスーパーグローバルハイスクールに認定された。海外の人たちと直接触れ合うことで様々な人種、文化、考え方に触れ、受け入れる寛容な心を養うことを目的に、イタリアやイギリスの提携校での交換留学や、カナダでのホームステイを行う。その先に見据えるのは、日本人だけのための教育ではなく異文化を背景に持つ人でも楽しく学ぶことができるオープンな学校作りだ。長い歴史を持つ青学は、世界と日本を繋ぐ学校として、人望が厚く調和のとれた新しいリーダー人材の輩出に寄与していく。

 

【学校情報】
青山学院
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
TEL 03(3409)3880(高等部直通) FAX 03(3409)5784(高等部)
ウェブサイト: https://www.aoyamagakuin.jp/index.html

 

 

 

 

 

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【取材ご依頼について】
取材ご希望の学校は、下記までご連絡をお願いいたします。
リバネス 国際開発事業部 [email protected]  担当:前田

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リバネスでは、講師が学校へ出向き、教員研修を行う出張教員研修サービスを行っています。
グローバルリーダー育成プログラムの企画方法、課題研究の組み立て方、海外研修コーディネート、
英語プレゼンテーション研修など、テーマは多岐に渡ります。ご興味がある方は、下記までご連絡をお願いいたします。

リバネス 国際開発事業部 e-mail: [email protected]  (担当: 前田・前川)
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