「想像」から「創造」へ 〜富士高校サマーサイエンスアカデミーキャンプ〜
2016年8月24日(水)~26日(金)の3日間、株式会社リバネスは、東京都立富士中学校・高等学校の生徒30名を対象に東京工業大学 大岡山キャンパスにて、富士高校サマーサイエンスアカデミーキャンプを実施しました(東京都教育庁主催)。
本キャンプでは、「想像して、創造する。」~化学者としての視点を身に付けるキャンプ~をコンセプトとし、参加した生徒は本物の研究に挑戦しました。
具体的には、「研究のインプット」→「研究」→「研究のアウトプット(発表)」という、研究者になるために必要な3つのステップを生徒に提示し、化学の視点からの研究に挑戦してもらい、研究者としての一連の流れを、3日間で生徒たちに体得してもらいました。
研究って何?化学って何?
研究とは「答えのない課題に挑戦すること」であり、研究者とは「答えのない課題に挑戦する者」のことです。さらには、今回研究に挑戦した「化学」とは、科学の中の1分野であり、身の回りで起こるさまざまな現象を原子・分子レベルで考えて理解していく学問のことです。
サイエンスキャンプの3日間の流れ
1日目は、はじめに、舞台となった東京工業大学の太田先生に、東工大の今年の新たな挑戦(教育改革)や、太田先生ご自身のご研究内容に関する特別講演を行ないました。
さらには、研究に必要な視点や知識に関するインプットを半日かけて行ないました。具体的には、溶解熱や親水性・疎水性、蛍光・化学発光実験などのさまざまな化学実験を通じて、「原子・分子レベルで、身の回りに起こる現象を理解する」という、化学者としての視点を身につけました。
2日目は、まず色素に関するインプットを行ない、参加者は「どのようにして人が、色を認識しているのか」を原子・分子レベルで理解しました。次に、参加者は「環境に優しく安価な、オリジナルの色素増感太陽電池の作製」について、仮説を立てて作製に挑戦しました。その後、電池試験の結果から、太陽のエネルギーを余すことなく利用できる最強の色素増感太陽電池を作製するために必要な条件を再検証するために、戦略(再仮説)を立てました。
3日目は、前日に立てた再仮説を再検証する実験を行ないました。さらには、チームごとで再検証により得られた結果を考察し、研究成果の発表(アウトプット)を行ないました。さらには全チームの研究成果をまとめて、最強の色素増感太陽電池の条件を、ついに富士ラボ全員の力で、見出しました。キャンプの締めくくりには、各テーブルで、TA自身が大学院時代に行なった、最先端の研究を伝えるキャリア座談会を行ないました。
アンケート結果
参加生徒の8割が「キャンプ前に比べて、研究者のイメージが変わった」と回答し、9割が「研究の考え方を理解できた」と回答しました。この結果から、本サイエンスキャンプで、参加生徒の多くが「答えのない課題に、研究チームが一丸となって挑戦する経験を通じて、研究に対する印象が大きく変化した」ことがうかがい知れます。
以下、本キャンプの感想。
・答えのない研究って面白い!(高1)
・研究者は、自分の好きなことを楽しくやっていることがわかった。(高2)
・研究者は、1人でどんどん研究をするイメージだったけれど、研究室の中でいろいろなディスカッションをしたりしているというのがわかって、イメージが変わりました。(中3)
・研究者は、大変そうで、何か頭がものすごくよくて真面目で近寄りがたい感じがあったが、丁寧で楽しそうで個々の研究に自信を持っていていいなと思った。(中1)
富士高校サマーサイエンスアカデミーキャンプ概要
[日時]2016年8月24日(水)ー26日(金) 09:30-17:00
[場所]東京工業大学 大岡山キャンパス
[参加者]中学1年ー高校2年 計30人
[実施内容]
①世界の課題を解決する技術を化学の力で生み出そう。
②最強の色素増感太陽電池作製に関する研究
株式会社リバネスでは、色素増感太陽電池のみならず水素エネルギーや風力発電など、エネルギーに関わるサイエンスとテクノロジーをテーマとした実験教室も行っています。ご興味があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社リバネス 教育開発事業部
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03-5227-4198
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