【実施報告】視覚・聴覚障害者を対象に、筑波技術大学にてトランスファラブル研修「研究者の1分自己紹介をパワフルにする〜QPMIワークショップ〜」を実施しました。
リバネスは、サイエンスブリッジコミュニケーションを核とした人材育成プログラムの実践を通じ、創業以来20年間、博士人材をはじめとする若手研究者のキャリア開発を手掛けて参りました。このノウハウとネットワークを生かし、大学生・大学院生向けに実践的にトランスファラブルスキルを鍛えるプログラムを、大学等と連携して実施しています。
参考)【大学院向け】修士・博士課程対象、研究キャリアを開拓する短期トランスファラブルスキル実践プログラム開始
11/9(水曜日)には、筑波技術大学で初となるトランスファラブル研修を実施しました。
筑波技術大学は、日本で唯一の視覚障害者と聴覚障害者であることを入学条件にした国立大学法人で、本研修では、視覚障害者の方と聴覚障害者の方の両方が参加し、ZOOMとリアルのハイブリッド開催となりました。
大学との協力のもと、手話同時通訳の実施、スライドとワークシートの事前共有、講師の発言内容の絞り込みなどを行い、障害をもつ方も参加できる研修づくりを実践しました。とくに、研修内容は事前にすべて開示、ワークも事前に実施してきてもらい、研修中は自分の自己紹介の発表や、他の人のプレゼンを聞く、また、概念的なことへの質疑応答を中心に実施しました。
内容としては、これからの仕事は「事に仕える」のではなく「事を仕掛ける」に変化するという考え方や、異なる相手に対し自分をわかりやすく伝えることの重要性を伝えました。パワフルな1分自己紹介をつくるQPMIワークショップでは、QPMIサイクルの概念や、ベクトル・ブリッジコミュニケーションの概念を伝えました。
事後の振り返りでは、今回は大学院生と教員のみの参加だったが、内容としては、卒論や就職を控えた学部生にも受けさせたいという声もありました。
普段は視覚あるいは聴覚障害支援のために最適化された教育環境を整備した異なるキャンパスで研究を行う参加者たち(健常者含む)が、1の研修に参加することはこれまであまりありませんでした。本研修を通して、キャンパス・分野を超えて伝わる自己紹介に挑戦することで、他キャンパスで行われる研究の面白さに触れたり、学内に潜在する共同研究の可能性のある研究者の存在に気づくきっかけにもなりました。今後は、キャンパス間研究交流会を企画してみたい、など、参加者自身からもトランスファラブルスキルを活かす場の新たな提案が生まれました。
参加者のうち一部は、11/12に行われる茨城テックプラングランプリに参加し、他の大学や研究所の研究者や、パートナー企業とのコミュニケーション、仲間づくりにチャレンジします。
開催実績概要
・日時:2022年11月9日14:40-16:10
・参加者:学生2名、教員2名
・講師:株式会社リバネス 人材開発事業部 伊達山 泉
博士(バイオサイエンス)。アントレプレナーシップ育成プログラムとして若手研究者および学生向けの海外研修や留学生向けプログラムの開発に多く携わる。また、福島県での大学発ベンチャー発掘育成と学生向け起業家育成プログラムをはじめ、大学の学生、高校生にむけた研修も多く行う。
・ティーチングアシスタント:株式会社リバネス 人材開発事業部 キャリアデザイン研究センターセンター長 立花 智子
修士(生命科学)。日本初の中高生向け研究費の立ち上げをはじめとした、超若手による研究活動を推進するプロジェクトを手掛ける。2020年からキャリアデザイン研究センター長に就任し、中高生研究者の伴走支援を通した研究人材育成に着手し、研究者と次世代が学びあう場の創出に携わる。
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キャリアデザイン研究センター 立花([email protected])