【実施報告】自治医大・九大で中高生向けのエコチル調査のワークショップを実施しました

株式会社リバネスと国立環境研究所は、エコチル調査に関連して中高生向けワークショップを実施しました。2025年6月28日(土)に栃木・自治医科大学で、7月19日(土)に福岡・九州大学で開催し、ボードゲームとディスカッションを通じてコホート研究の価値と調査参加の意義をわかりやすく伝えました。なお、本取り組みは、「令和7年度 中学生・高校生を対象とした『子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)』に係る普及活動と意識調査業務」の一環として実施しています。
エコチル調査って何?
エコチル調査とは、環境省が2010年度に始めた全国約10万組の親子を対象とする大規模な疫学調査です。国立環境研究所のコアセンターを中心に進められており、「エコチル」は「エコロジー」と「チルドレン」を合わせた名称です。母親の妊娠中から子どもの成長を継続的に見守り、身の回りの生活環境が健康に与える影響を明らかにすることを目指しています。期間は当初、胎児期から13歳までの予定でしたが、研究の意義の大きさから40歳まで延長されることが決定しました。2024年度には先頭集団が中学1年生となり、質問票調査では保護者ではなく子ども自身が回答する場面が増えています。今後は中高生となる参加者本人がプロジェクトの意義を実感し、主体的に関わることが一層重要になります。
本ワークショップは、コホート調査の進行に合わせて実施し、エコチル調査参加者自身が研究の意味を理解し、継続参加への意欲を高めることを目的としています。ゲームでコホート研究の流れを短時間で体験した後、仮説立案・施策立案に関するグループディスカッションとふり返り講義を行い、生活環境と健康の関わりへの意識を高めました。
当日は、中学3年生〜高校1年生の調査参加者と保護者が対象となり、自治医科大学会場は親子5組の10名、九州大学会場は中高生のみ20名が参加しました。プログラムは約3時間、4〜6人の班編成で進行しました。
当日は、中学3年生〜高校1年生の調査参加者と保護者が対象となり、両会場合わせて中高生25名とその保護者が参加しました。プログラムは約3時間、4〜6人の班編成で進行しました。
オリジナル教材「コホート・ヒーローズ」概要
- ねらい:長期追跡・大規模データの価値、継続参加の大切さを体験的に学びます。
- プレイ仕様:3〜4人/1ゲーム30〜60分/中学生以上。
- 進行の要点:
- 調査参加者の数に応じて毎年データを集めます。
- 集めたデータで仮説を検証し、ポイント(研究成果)を獲得します。
- 参加維持やデータ拡充のため、研究計画を選択・実行します。
- 年を進め、40年目で終了。検証した仮説の数で競います。
参加者した中高生からは
「今まで自分が答えてきたアンケートの内容がどんなふうに活用されたのか知ることができました。」
「研究者は分析しているだけだと漠然と考えていたが、仮説を立てるところかスタートだと知れまし。」
「エコチル調査は十万人もの人数で行われていて、たくさんの命を救うかもしれないことを知りました。」
といった声を聞くことができました。
▲当日の様子
今後の展開
エコチル調査の認知向上と参加意欲の醸成を目的に、学校現場で活用できるアンケート設計の副読本(監修:国立環境研究所エコチル調査コアセンター)と、2コマ完結のアンケート授業を展開します。出前授業や教材提供のみ(1コマ)など、実施形態はご要望に応じて調整いたします。学校・研究機関・企業からのご相談をお待ちしています。
実施概要
- 実施日・会場:
・2025年6月28日(土) 栃木・自治医科大学(約3時間)
・2025年7月19日(土) 福岡・九州大学(約3時間) - 対象:中学3年生〜高校1年生(調査参加者とその保護者)
- 参加者数:自治医科大学 親子5組10名/九州大学 中高生20名
- 参加者数:両会場合わせて中高生25名とその保護者
- 進行体制:4〜6人の班編成(ゲーム → ディスカッション → ふり返り講義)
- 教材名:オリジナルボードゲーム「コホート・ヒーローズ」
本件のお問い合わせ先
株式会社リバネス 教育開発事業部
河嶋・大島
[email protected]/ TEL:03-5227-4198