ひとづくり研究センター

地球貢献に資する、ひとづくりを追究する。

科学技術の進歩により、人材開発も転換点を迎えています。定型の業務を効率よく行う人材から、社会課題を自ら見出し新たな価値を生み出す人材が求められています。また、社会や地球のために働きたいという熱ある個が自由に学べる場は少なく、彼らが裁量をもって活動できる場を組織側も提供できていないという課題があります。そこで本センターでは、熱ある個が学ぶ場の開発と研究、個と組織の新たな接点と働き方について研究します。これにより、個と組織のそれぞれが成長し、社会課題が解決していく世界を実現します。

楠 晴奈

ひとづくり研究センター

センター長
楠 晴奈

主な活動

中高生の教育活動が企業研究者に与える影響の研究

企業の研究開発部門には、企業研究者自身が、自らの純粋な好奇心を掘り起こしたり、研究開発の魅力を振り返る機会が少ないという課題があります。そこで本取り組みでは、企業研究員が10代の若者の研究活動に伴走し、中高生からの研究に関する質問に対し、自分ならどのように解決するか、限られた研究環境で中高生研究者のやりたいことをどう実現するかを考えます。2016年から始めた本取り組みの中で、企業の研究員にとって自社の理念やワークエンゲージメントを高める機会になるという結果が示されつつあります。またここから、エンゲージメントを高めるには、自主的な参加と社会とのつながりを意識する機会を作ることが、有効ではないかという仮説が生まれました。


中高時代の研究経験が、大学生の主体的活動に与える影響の研究

研究活動に取り組む中高生がこの10年で増えてきた一方で、探究活動を経験した生徒のその後の活動、キャリア選択への長期的な影響は調べられていません。リバネスはこれまでに中高生のための学会、研究費等を通じて、次世代研究者の育成を行ってきており、これらに参加した中高生が、何を経験しどのようなマインド・行動の変化を辿るのかを長期的に追跡することで、中高での探究活動経験で得たであろう探究心・アントレプレナーシップの素養をいかに飛躍させることができるかについて調べています。今期は、中高での探究活動経験のある学生・研究者等5名の取材を実施し、現在の活動と過去の経験との関連性について探索しました。


若手研究者と会社の接点を創出する新たな業務体系の研究

博士人材採用の実績が乏しく、博士人材向けにジョブディスクリプションが示しにくい企業に対し、リバネスが媒介することで新たな業務を生み出す「ブリッジフェローシップ制度」を考案しました。これまで3社(株式会社池田理化、ハイラブル株式会社、商社A社)とともに実施、合計7名の学生がブリッジフェローとして採用され、半年から1年に渡る業務を行いました。フェローは、普段は接することのない業務、たとえば子ども向けの教育活動、特定の技術に関する調査研究や、ベンチャー企業のサービスのアプリケーション探索・マーケティングなどを実施し、企業に対して新たな価値を提供し、ブリッジフェローという新たな業務体系の有効性が示されました。


研究キャリア発見マガジン<incu・be>の制作

若手研究者を対象とし、エスノグラフィーの手法を用いた実験的な研究活動の発信媒体として、研究キャリア発見マガジン<incu・be>を制作しています。この発信を通して、若手研究者、そして研究者を志す人たちに、自分らしい生き方の発見の後押しができるよう、さまざまなコンテンツをお届けします。

incu・be