KANSAI SCIENCE YARD

企業CSR活動や研究アウトリーチ活動の必要性がさけばれ、学校現場では実社会との結びつきをより密接に持つことが求められています。株式会社リバネスでは、2010年度にパナソニックセンター東京(東京都江東区)において、日本初となる学校教員を対象とした実験教室の見本市「大実験教室展」を開催し、参加いただいた教員の方はもとより、参加企業・大学より非常に高い評価をいただきました。
そこで2012年3月、関西地区において前年度の実績をもとにした、教員向け実験教室見本市および小学生向けの実験教室展『KANSAI SCIENCE YARD(カンサイ・サイエンス・ヤード)』を開催することにしました。場所は、大阪のシンボル「大阪城」を見渡す絶景のロケーションでもある追手門学院大阪城スクエア(大阪市中央区)です。
コンセプト:サイエンスを手に入れ、夢への進路をみつけよう
「YARD」は、「貨物操車場」の意であり、必要な貨物を組み替えて出発する場所を指しています。本企画の名称は、貨物を様々な科学研究にたとえ、子どもたちが好きなサイエンスを積んで、未来へ出発するきっかけを提供するという意味を込めています。
その後の展開
KANSAI SCIENCE YARDは、2012年3月と2013年3月の2回に渡り実施され、多くの方々が参加しました。そして、次年度(2014年5月)からは、「小学生のための理科の王国」としてその意志が引き継がれました。
<当日の様子>



第1回 KANSAI SCIENCE YARD
【開催概要】
日 時: 2012年3月20日(火・祝)10:00~17:00
場 所: 追手門学院 大阪城スクエア(大阪市中央区/天満橋駅・200名収容)
対 象: 小学生親子・小学校教員・中高教員・企業CSR担当者
同時開催:企業向け教育CSRセミナー
【パートナー企業】
アクアフェアリー株式会・大阪ガス株式会社・川崎重工業株式会社・積水化学工業株式会社・積水ハウス株式会社・武田薬品工業株式会社
【スケジュール】
10:00 主催者挨拶:株式会社リバネス 取締役 吉田 一寛
10:05 共催者挨拶:学校法人追手門学院 学院長 竜田 邦明
10:15 特別講演:ケミストリー・クエスト株式会社 取締役社長 米山 維斗
11:00〜16:00 実験教室
16:00 教育CSR セミナー「企業が教育支援を継続するために」
17:30 CSR 担当者様向け個別相談会
19:00 全プログラム 終了
※実験教室の対象・内容は、パートナー企業ごとに異なり、小学生対象/小学校教員対象/中高教員対象のいずれかとなります。
【A】水から生まれるエネルギー!(アクアフェアリー株式会社)

空気中にある酸素と、水から取り出した水素を「燃料電池」に入れると、不思議なことに電気エネルギーが生まれます。燃料電池の仕組みを見ながら、エネルギーについて学んでみよう!
【B】ガスコンロのしくみ、燃焼のふしぎ(大阪ガス株式会社)

生活する上で欠かせない「火」についてどれくらい知っていますか?今回は、身近なガスコンロを使って空気やガスの流れを学んだ後、燃焼方法の違いによる炎や食材の変化を比べる実験にチャレンジします!
【C】マイヘリコプターをつくろう!(川崎重工業株式会社)

自由に大空を飛行するヘリコプター。いったいどのような仕組みで飛ぶのでしょうか。ヘリコプターでいちばん大切な「ローター(プロペラ)」について、なぜ飛ぶのか、どれくらいの力があると浮くのかを学びながら、オリジナルのヘリコプターを作ってみよう!
【D】自動車ガラスに隠されたヒミツ!(積水化学工業株式会社)

自動車のガラスには命を守る工夫がされています。さわったり、観察したり、鉄球を落として割ってみたりと、実験を通してふつうのガラスと自動車のガラスの違いを確かめます。身近なところに隠れた、最先端の技術を体感してみよう!(※鉄球を落とす実験では大きな音がし
ます。)
【E】くらしの省エネで地球を守ろう!(積水ハウス株式会社)

みんなの家には、省エネができる工夫がいろいろ隠れています。たとえば、一度暖めるとずっと暖かい部屋ができれば、暖房に使う電気が少なくてすみます。いろいろな素材の熱の伝わり方を、温度計やサーモグラフィーを使って調べることで、省エネな部屋をつくる工夫を実感してみよう!
【スペシャルイベント】化学の世界をぼうけんしよう!(ケミストリー・クエスト株式会社)

大人気カードゲーム、「CHEMISTRY QUEST(ケミストリークエスト)」の遊び方を、開発者である米山さん本人から教えてもらいながら、化学の世界を楽しく学んでいきます。はじめての人も、ホールの外で12:00 から実施するケミストリークエスト大会にむけて、コツをつかもう!
【スペシャルイベント】DNAを見てみよう!(株式会社リバネス)

すべての生き物が持っている、体をつくるための設計図「DNA」を取り出して、実際に見てみます。また、分子模型を観察しながら、DNA を作っている「原子」に着目し、ミクロな世界へせまってみよう!
<当日主催者あいさつ>
「理科離れ」という社会問題に対して、研究者という立場から何ができるかを考えた末、私たちがたどり着いた解決策の1 つが、小学校・中学校・高等学校への出前実験教室でした。事業開始から10 年、子どもたちを取り巻く環境は大きく変わってきています。学校現場では課題研究やキャリア教育、社会との連携の重要性が問われるようになりました。一方、企業では社会貢献や説明責任の必要性が叫ばれ、CSR 活動の一環として教育プログラムを実施し、大学ではその知を広く解放する姿が多くみられるようになりました。これらの取り組みを、よりよいものに昇華させ、加速させるためにも、子どもたちの成長に効果的につなげるための「橋」が必要なのではないでしょうか。
今回、私たちは「身近なふしぎを興味に変える」という創業当時から掲げるコンセプトのもと、企業が有する科学技術の魅力を子どもたちへと橋渡しする「カンサイ・サイエンス・ヤード」を企画しました。関西地域で初となるこの取り組みに、賛同していただいた皆様とともに議論を重ね、この日を迎えられたことを誇らしく、また嬉しく思います。春休みに行われる1 日のイベントではありますが、子どもたちの人生を変える出逢いを生み出すような素晴らしいものになることを期待しております。
リバネスでは次世代育成を共に考え、共に育むパートナーの皆様とともに、今後もこのような「橋」を創り出すことに真摯に取り組んで参ります。本日参加された皆様には感謝の気持ちを伝えるとともに、さらなる発展に向けてご支援いただきますようお願い申し上げます。
株式会社リバネス 取締役 吉田 一寛