未来の科学者を育てる 三菱レイヨン株式会社
■教育CSR活動に対するきっかけと想い
三菱レイヨングループでは、以前より「かがく実験教室」などで、未来を担う子どもたちに科学の不思議や、ものづくりのおもしろさを伝えてきました。特に最近では、「次世代育成活動」をCSR活動の重点課題に据えて、事業所や本社で実施しています。それら当社の活動と本事業の目指す「未来の科学者を育てる」という目的が一致することから参加することにしました。
■教育CSR活動事例
早期工学人材育成事業、中学生向け実験授業を千葉県内にて実施
■チーム構成
人数:9名(1教室 講師1名とアシスタントスタッフ6名を含む)
所属部署:横浜先端技術研究所 ほか
■授業概要
単元:理科1分野 身の回りの物質
対象学年:中学校1年生
タイトル:プラスチックをつくろう!
授業の概要と流れ:ペットボトルや食器など身近に存在するプラスチック。その中には、光を当てることで固めることができる、「光硬化性樹脂」があります。実際に光で固める体験を行いながら、物質の三態についての理解を深めます。さまざまな形の絵がプリントされた透明なシートを、液体状の光硬化性樹脂を加えた容器にかぶせて上から光を当てるだけで、思い通りの形のプラスチックを簡単につくることができます。こういった技術が、半導体の回路など、先端技術にも生かされていることを伝えます。
〔導 入〕プラスチックは何からできているのだろう?どうやってつくるのだろう?
〔実 験〕一緒に光でプラスチックを作ろう!!
〔講 義〕物質の状態のちがい(物質の三態)と光硬化の原理
〔実 験〕色々な形のプラスチックをつくってみよう
〔まとめ・発展〕光硬化性プラスチックの産業上の利用、研究開発の魅力
■教材開発のこだわり
〔1〕「プラスチックが光で固まる」という現象は、生徒に新鮮なおどろきを与えました。
液体状の樹脂を型に流し込み、ボックス内で紫外線を当てることで、光によってプラスチックの原料が固まることを体験します。また、紫外線を当てない対照実験も行いました。関連する内容として、物質の三態について、また光がエネルギーの一種であることを解説し、日々の学習との連携を図りました。
〔2〕光硬化性樹脂の利便性を体感できる内容も盛り込みました。
さまざまな形の絵がプリントされた透明なシートを、液体状の光硬化性樹脂を加えた容器にかぶせて上から光を当てるだけで、思い通りの形のプラスチックを簡単につくることができます。こういった技術が、半導体の回路など、先端技術にも生かされていることを伝えました。
■特別講師の声(本業での活動にプラスとなった事例)
企業としての社会貢献に対する責務を果たしているとの自覚を高めることができたと思います。
実験の準備はとても大変でしたが、当日は生徒たちが一生懸命に実験してくれて、たくさんの笑顔をみることができて本当に良かったです。普段の業務とは違ったこのような活動に参加できて多くのことを学ぶことができました。
■生徒の声
プラスチックはとても身近なものに使われているんだな、と思いました。先生も面白くて、研究者は地味でコツコツやってると思ったけど、楽しい所なんだな、と思いました。
ドロドロの液が、光で固まるとは思わなかったから、すごくおもしろかったし、いい勉強になった。
プラスチックを、自分で入れて、流しこんで、作ったのが面白かった。水族館の水そうやCD・DVDのディスクにプラスチックが使われているのは、初めて知った。今日の授業は、とても楽しかった。
■会社概要
住所:東京都港区港南1丁目6−41
URL:http://www.mrc.co.jp/
事業内容:合成樹脂、化成品、合成繊維、炭素繊維・複合材料、機能膜等の製造・販売
社員数:連結 8,427名
設立年月日:1950年6月1日
出典:教育CSR白書2010 (本記事は、2010年11月のものです。)