技術人材を増やすことは可能 チッソ株式会社
■教育CSR活動に対するきっかけと想い
株式会社リバネスの紹介を受け、こういった教育活動があることを知った。優秀な技術人材の育成は日本の技術力を維持・向上させるために必須であるが、事業会社にも貢献できる部分があると考えている。
■教育CSR活動事例
早期工学人材育成事業、中学生向け実験授業を千葉県内にて実施
■チーム構成
人数:4名(1教室 講師1名とアシスタントスタッフ3名が出張)
所属部署:五井研究所他
■授業概要
単元:理科1分野 身の回りの物質
対象学年:中学校1年生、中学校3年生
タイトル:液晶って何でしょう?
授業の概要と流れ:「液晶」という状態の物質は、私たちの身の回りの身近な製品に応用されています。この液晶の性質について実験を通して学び、現在学んでいることの延長上の技術が応用されて事業となっていることを感じてもらいます。
〔導 入〕物質と三態について
〔講 義〕液晶は何だろう?
〔実験1〕
液晶を作ってみよう。液晶化合物を混ぜて、温めて溶かしてから、冷やすことで液晶状態を作り、再び温めて液体状態になることを観察しよう。
〔実験2〕
偏光板の実験。2枚の偏光板を重ねると、重ね方によって光が通ったり、通らなかったりする。
〔実験3〕
液晶画面のデモ。液晶パネルを偏光板ではさんで、電気を流すと暗かった画面が光を通して明るくなる。
〔まとめ・発展〕液晶画面は身の回りで活躍している。
■教材開発のこだわり
〔1〕液晶の状態変化に生徒たちが感動していました。
液晶用の粉末を混ぜるところから実験をしてもらいました。温めて粉末を溶かしてから、冷やすと液晶に、温めると液体へと変化する様子を観察してもらいました。関連する内容として、物質の三態について、日々の学習との連携を図りました。
〔2〕偏光板を使った光の透過実験で液晶画面の仕組みを学びました。
2枚の偏光板を組み合わせることで、光が通ったり、通らなくなったりということを体験してもらいました。さらに、テスト用のパネルを使って電気を通すと光が通ることを体験してもらいました。この技術が、液晶画面の開発に生かされていることを伝えました。
■特別講師の声(本業での活動にプラスとなった事例)
生徒の技術や科学に対する関心は、予想以上に高かった。若者の科学離れが問題視されているが、若年期に彼らの興味を引き出すことができれば、技術人材を増やすことが可能だと確信した。
■生徒の声
液晶っていう言葉は知っていたけど実際に見て、ビックリした。化学ってすごいなぁと思った。
透明な液体から液晶に変わるところが面白かった。
身近にすごい技術が使われていること(テレビに液晶が使われているなど)が分かった。
■会社概要
住所:東京都千代田区大手町二丁目2−1 新大手町ビル
電話番号:03−3243−6400
URL:http://www.chisso.co.jp/index.asp
事業内容:液晶、電子部品、樹脂、アルコール、溶剤、繊維製品、肥料等の製造販売
社員数:3,045名(2010年3月31日現在、連結)
創業年月日:1906年1月12日設立年月日:1950年1月12日
出典:教育CSR白書2010 (本記事は、2010年11月のものです。)