化学という分野の応用範囲の広さを認識してもらいたい DIC株式会社

化学という分野の応用範囲の広さを認識してもらいたい DIC株式会社

■教育CSR活動に対するきっかけと想い

中空糸膜という特殊な高分子化合物とその用途を紹介することで、化学という分野の応用範囲の広さも認識してもらいたい。それにより、理系離れが進む昨今において、学生に化学について少しでも興味を持ってもらうきっかけになればと考えております。

 

■教育CSR活動事例

早期工学人材育成事業、高校生向け実験授業を千葉県内にて実施

 

■チーム構成

人数:3名(1教室 講師1名とアシスタントスタッフ2名が出張)

所属部署:メンブレン事業部

 

■授業概要

単元:高等学校 化学II

対象学年:高校1〜2年生

タイトル:気体だけが通る不思議な膜

授業の概要と流れ:私たちの生活の中には高分子化合物を利用した製品があふれています。その中には人目につかないところで役にたっている製品もあります。この企画では中空糸膜を使った実験を通して高分子素材が持っている機能に注目し、その面白さや可能性について感じていただきます。

 

〔導 入〕自己紹介・企業紹介

〔実 験〕高分子化合物って何?(高分子化合物の解説)、中空糸膜の説明

〔講 義〕中空糸膜による気体の交換。中空糸膜を使って、脱気の実験を行う。呼気を吹き込んで黄色に変色させたBTB溶液を中空糸膜のモジュールに通し、BTB溶液の色が黄緑色に戻ることを観察する。

〔講 義〕中空糸膜技術の利用例を紹介。人工肺の話を取り上げて給気の実例を紹介。

〔まとめ・発展〕工学へ興味を持ったきっかけ。今の仕事の面白さ。

 

■教材開発のこだわり

〔1〕中空糸膜のモジュールを真空にすると気体だけが取り除けることを体験できるようにしました。

BTB溶液に吹き込んだ自分たちの息に含まれる二酸化炭素で黄色に変わった溶液から中空糸膜を使って二酸化炭素を取り除く実験を計画しました。二酸化炭素が取り除ければ溶液の色は黄から黄緑色に変化します。ある条件にしなければ気体が抜けないことを、条件を変えて実験して、実は中空糸膜の中を真空にしなければ気体が抜けないことを体験しました。ここから、気体が膜を通過する原理を学びました。さらに、この原理を使って人工肺など人の役に立つところで中空糸膜が活躍していることを学びました。

 

■特別講師の声(本業での活動にプラスとなった事例)

生徒だけでなく先生にも真剣に授業を聞いていただいた。人前で実験を含む発表をすることは初めてでしたので、非常に貴重な経験をさせてもらいました。

学生用に普段のプレゼンとは違った構成にする必要があり、当初は戸惑いましたが、結果的には分かりやすい内容にできました。また、一度実験がうまくいかない条件で実験を行い、生徒になぜうまくいかなかったかを考えさせる構成にしたところがよかったと思います。

 

■生徒の声

学校ではやらないような、身近にあるもので、ふだん気付かないような部品だからとても興味を持てた。もっといろんな実験をこれからしたいと思った。

難易度の高い説明は、例えを用いて頂いたお陰で、理解を深めることができました。プリンターなど、なかなか見ることのない内部構造を知ることができ、また説明していただくことにより、工学系の方々の仕事をわかることができた。

 

■会社概要

住所:東京都中央区日本橋3−7−20

電話番号:03−3272−4511

URL:http://www.dic.co.jp/

社員数:連結 約22,583名単体 約3,326名

設立年月日:1937年3月15日

 

出典:教育CSR白書2010 (本記事は、2010年11月のものです。)