リバネス教育総合研究所の藤田大悟が東京工業大学集中講座「科学技術と生涯学習」の講師を行いました。

リバネス教育総合研究所の藤田大悟が東京工業大学集中講座「科学技術と生涯学習」の講師を行いました。

2016年8月9,11日の2日間、リバネス教育総合研究所の藤田大悟が東京工業大学の大学院向けの集中講座「科学技術と生涯学習」の講義を担当しました。

本講座では、数量的リテラシーが市民が自分たちの生活の文脈で科学技術に関する事柄に対してなんらかの意思決定するときに最も大切な能力の一つであることを念頭に置き、大学院生たちが、その概念を理解すると同時に、国内外でどのように教育として扱われているかを学ぶ授業です。その上で、大田区内の教職員にも参加いただき、数量的リテラシーを学校教育で学ぶための授業案をプロトタイプとして作り上げることを目指しました。藤田は後半の2日間の教育での事例の紹介をワークショップを担当しました。

8月9日講座

講義「STEM教育の先進事例紹介とSTEMからNESTへ」

社会が大きく変革する中、これからの教育はテストの良い点数がとれることを目的とするのではなく、答えのない課題について問いを立て検証することのできる人が求められています。世界では21世紀型教育として、思考力を中心に据え、基礎力をみにつけ、実践力を高めることが注目されています。世界でもSTEM(Science Technology Engineering Math)教育や、国際バカロレアなど教育の形が模索されています。リバネスでは創業より「研究」を軸に数々のプログラムを開発していきました。私たちはSTEM教育に違和感を感じ、Nature(自然)の観察がサイエンス&テクノロジーの根底だと捉え、NEST(Nature Engineering Science Technology)教育を提案しています。なお、Mathは英語と同じように、サイエンスやテクノロジーを使う上での共通言語として位置づけています。自然観察から始まる体験型教育の重要性について伝えました。

 

講義「定量的分析を身近な事例で体験しリテラシーへと変えるためには?」

私たちは「社会」の中で「数字」を見て多くの判断をしています。私たちは数字を扱うことができるようになったことで「定性的」な議論から「定量的」な議論ができるようになりました。サイエンス&テクノロジーも定量化により著しく発展しています。一方で、その数字を誤った見方をしてしまうと、誤解や間違った判断をしてしまう可能性があります。メディアや商品宣伝の際に、そのような「数字マジック」を使うことで混乱を招いてしまうこともしばしばです。気をつけないとならないのが、研究をしている科学者側が、数字を発信する責任を持ち、正しい数字で表現することです。講義では、数字による定量化の重要性と、逆にその「落とし穴」について学びました。

8月11日講座

ワークショップ「定量的分析を身近な事例で体験しリテラシーへと変えるためには?」(学生と小学校教員による教案作成)

「定量」を小学生のうちから正しく学ぶために必要な授業について、大田区の小学校の先生と東工大の学生が議論しながら考えるワークショップを行いました。学びの構造をよく知る先生と、科学的に正しく理解させるための知識を知っている学生のコラボによる「授業案」づくりです。テーマを「環境・エネルギー問題」に絞った上で、数時間の議論の結果、「環境に優しいエアコンの使い方」「将来のエネルギーを考えよう」「生活排水の浄化方法」「魚の形から生き物の技術応用を考える」と言ったテーマの授業案が完成しました。最後に1班ずつ発表して議論しました。学生にとっては、科学技術を教育に落とし込む難しさ・面白さを学び、先生にとっては、新たな「定量」を学べる授業案が手に入り今後授業のヒントになったようです。

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