静岡雙葉中学校・高等学校でプランクトンに関する出前研究教室を実施しました
株式会社リバネスは、静岡雙葉中学校・高等学校(学校長 土屋 枯野)において2018年9月24日に研究教室を実施しました。今回の教室は、中学2年生から高校1年生、希望者37名を対象に、「あなたの知らないミクロな駿府城~プランクトンから生態系をのぞいてみよう!~」というテーマで実施しました。
研究教室では、海のプランクトンに関する研究に取り組むリバネスの若手スタッフが講師となり、「プランクトン採集・水質調査・プランクトン観察」を通して、普段何気なく目にしている風景に研究の起点が存在することを体験することを目的としました。
研究対象は、学校近隣にある駿府城の水堀に生息する植物プランクトンです。導入講義では、駿府城の水堀では場所ごとに水の色が異なっていること、つまり水質および生息するプランクトンの種類が異なる可能性があることを研究者の視点から伝えました。まだ誰もきちんと調べたことがないことから、生徒による調査が新たな発見となる可能性を伝え、研究への意欲喚起を行いました。その後、各班担当する調査地点の水質を予想しました。毎日目にする場所に未解明な世界が広がっている可能性に期待しながら、それぞれ仮説を立てていました。
仮説を立てた後は、調査地点に行き、TAの指導のもとサンプリングを実施し、その後に水質調査やプランクトン観察を行いました。また、今回注目した植物プランクトンは光合成を行う生物です。実験では、植物プランクトンが持つ光合成色素の組成が分類群ごとに異なっている特性を活かして、植物プランクトンの分類群を推定するという手法を取りました。これは実際のプランクトン研究でも行われているクロマトグラフィーという手法を応用したものです。実験結果として、駿府城の水堀の水質や生息するプランクトンは地点ごとに大きく異なることがわかり、それらの違いから、調査地点の特徴とプランクトンの関係を各班考察を行い、発表を行いました。
今回の実験教室のポイントは2つあります。ひとつは、「仮説→検証(実験・観察)→考察→新たな疑問の出現」という研究のサイクルを体験したことです。この研究サイクルを日常的に廻すことによって、ものごとの多少な変化に気づくことができたり、課題をよりよい方法で解決することができるようになってきます。身近なことに少し視点を変えて見つめてみて、疑問を持ったら、少し詳しく調べてみようと実験教室の最後に講師はアドバイスしました。
もうひとつは、安価な機材と身近な場所でのサンプル採取を行うことで、参加生徒が研究活動を身近なものと感じられるようにしたことです。今回サンプリングで用いたボトルやプランクトンネットはTAが自作したものを用いました。自分が興味を持った事を少し深掘りして研究しようと思ったときに、高価な実験器具を買わなくても工夫次第で調べることができるという生徒の実感に繋がりました。
今回の経験で、生徒たちは身近なところから広がるふしぎを探りました。今後自分達が見つけ出した新たなふしぎへの探求への手助けになると思います。
〔参加した生徒の感想〕
- 少しずつ仮説を立てたり、考察したり、いろいろなことを考えながら結果にたどり着くのが非常に面白かったです。
- 身近な場所でここまで研究が発展するとは思いませんでした。
- 普段何気なく見ているお堀の水ですが、これからは流れや水質を考えていこうと思います。
- 研究テーマはとても難しいものをやらなくてはならないと思っていたが、案外身近な疑問からテーマが広がっていくのだと思った。
- 今日は晴れだったので、台風のあとなど環境を変えてもう一度同じ実験をやってみたい。
〔参加したスタッフの感想〕
登下校時に毎日目にしている風景も、少し視点を変えるだけで実は不思議なことやわからないは多くあります。今回の実験教室では目の前に広がる自然のに対して、疑問を持ち、科学的な手法を用いて深掘りしました。そして得られた結果から考察を行い、研究のサイクルを回しました。今回の経験により、身近なことに疑問を持ち、それについて少し調べることで新たな発見が得られると実感できたのではないかと思います。
〔当日の写真〕
〔概要〕
日時:2018年9月24日(月)9:00-16:30
会場:静岡雙葉中学校・高等学校
対象:中学2年生~高校1年生 37名
テーマ:プランクトン、水質調査
講師:株式会社リバネス 滝野翔大
リバネスでは、答えのない課題に挑戦できるような出前実験教室を全国の小中高校で行っています。実験教室の実施をご希望の方は以下のお問い合わせ先にご連絡ください。
■お問い合わせ先:
教育開発事業部 担当:滝野
TEL:03-5227-4198
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