教育総合研究センター

「こどもがワクワクし続ける未来を一緒にみつける、みんなでつくる」

国連が2015年に発表した持続可能な開発目標(SDGs)をはじめ、環境、食糧、人口問題など様々な社 会課題を、地球規模、人類全体で解決していこうという動きが、世界中で活発化しています。今後、変化 の激しい時代を乗り越えていくためには、子どもの教育手法も進化し続けなくてはなりません。世界のどこでも、子どもが目を輝かせながら、好きなことをとことん追求できる場を作りたい。全国の先生と一緒 に、ワクワクする学びの場を作りたい。それには、学校、教室、先生、授業のあり方を今までとは少し異な る視点で捉え直していく必要があります。教育総合研究センターでは、学びの場へ研究的視点とテクノロ ジーを導入し、新しい教育の形を実証、提案します。

教育総合研究センター

センター長
前田 里美

主な活動

興味関心から主体的行動が起こす「ワクワク」についての研究

これからの社会を生き抜くには、知識と技能だけでは足りません。そこで、文部科学省が学校教育における「 新しい学び 」を標榜し 、各校試行錯誤が繰り返されていますが、どんな取組みが効果的なのか依然手探りが続いています。この現状の 根幹にある課題は、「新しい学び」に総称される経験や学びは、従来テストで数値化 していた教科知識では測りきれない資質や経験であり、現状、その学びには定量 的な測定が存在しないことです。そこで本プロジェクトでは、偏差値では測れない学びを定量化し、 教科学習と並行して 、探究活動を始めとする「 新しい学び 」を促 進する活動の効果の指標開発と、指導法の確立のため、興味関心から主体的行動 を起こす「ワクワク」をテーマに全国の学校や企業一緒に研究に取り組みました。


「教育現場における研究」を支える先生の育成に関する研究

学校教育のあり方が、いま大きく変わろうとしています。従来のように、受験勉強を大きな目標として、それに伴う知識や考え方を伝えるだけの方法では成立しなくなりつつあります。特に、「答えが1つに定まらない課題」に挑戦する研究の方法を、どのように生徒たちに伝えていけばよいのか。その学びのための「教科書」は、まだ存在していません。
しかし、実際に教育現場で「研究」を推進して、生徒を育てている先生が一定数存在していることもまた事実です。そこで私たちは、教育研究者や、実際に現場で研究を推進している先生の知識を蓄積し、そこから「研究を身につける型」を見出す研究を進めています。同時に、そのような先生を育成する研修プログラムや、先生の成長を評価・検証できるような手法の研究開発を行います。


企業・大学などと連携した最先端教育の研究

社会のあり方が多様化する現代において、時代を生き抜くための知識や考え方についての教育を、学校の先生だけが担うことには限界があります。
私たちは、教育現場に企業や大学、研究機関の知識を取り込むことが、社会との繋がりを理解し、常に新しい時代を生き抜く学びを得る場であり続けるための条件になると考えています。
そこで、次世代育成の教育プログラムを開発し実施するプロセス自体を企業、大学、研究機関の研修プログラムの一環として導入する取り組みを進めています。また、企業が取り組むそうした教育プログラムについて、さまざまな対象からフィードバックや評価を受ける機会として<教育応援グランプリ>を開催し、社会と学校の連携教育における最適解を検証します。


中高生向けサイエンスマガジン<someone>の制作

教育に関する研究活動の一環として、中学・高校の生徒にサイエンスを楽しくわかりやすく伝える<someone>を制作しています。本冊子は、全国の中学・高校の先生方に送料負担の上でお取り寄せいただき、授業の副読本などに活用されています。

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